気づいたらここにいた。

きょうは朝から、ドラマー林立夫さんの写真撮影があった。10月26日にリリースされる『Non Vintage〜林立夫セレクション』(くわしくはこちら)のブックレット用。曇り空だったけど、とてもいい雰囲気の中で撮影ができた。撮影終了後、林さん、カメラマンの桑畑さん、撮影に立ち会ったライターの川村さんと四人でしばらくいろんなことを話した。それぞれのキャリアについての話題になったとき、林さんが「ミュージシャンを目指そうなんて思ったことは一度もなかった」と言っていて、それが強く印象に残った。別に最初からミュージシャンになりたかったわけではなく、たまたま細野さんや鈴木茂さん、ユーミンやその他の仲間たちと同じ場所にいただけだった、と。

今回一緒に仕事をした桑畑さんも写真を撮り始めたのは30以降で、それまではカメラマンになろうなんて夢にも思っていなかったそうだ。桑畑さんと同い年のぼくも、やはりデザインを始めたのは30過ぎてMacを購入してから。自分が将来デザイナーになっているなんて20代の頃は想像だにしてなかった。幼い頃からずっとドラムに親しんできた林さんと自分を単純に比べることはできないけど、林さんの言わんとするところには深く共感できた。

素晴らしい仲間たちと同じ場所・時間を共有する経験を重ねていくうち、気づいたらぼくはここにいてデザイナーになっていた。時々そんなふうに思うことがある。別にデザイナーじゃなくてもよかったのかもしれない、とも思う。ただ、ぼくにとってデザインは自分を100%表現できて、しかもリラックスしてこなせる仕事。たぶんこういうのを“天職”というのだろう。桑畑さんが「音楽が好きだった自分にとって、カメラはやっと手に入れた楽器のようなもの」と言っていた。ぼくもデザインなら誰とでもセッションできるような気がする。





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