かつてMac OS9以前のIllustrator(5.5Jとか)で作業していた頃、異なるフォントを組み合わせるのは至難の業だった。AdobeのATC(Adobe Type Composer)やフォントワークスのType Mixingのような混植ソフトはあったもののうまく使いこなせず、結局全部手作業で直していた。中ゴシックの欧文だけ選択して欧文書体に変更し、さらに高さが合わないのでいちいち天地106%に直したり……なんとも無駄な時間を過ごしたものだ。

OSX/CSx環境のいま、合成フォントの機能を使えば簡単に混植ができる。高さもベースラインもあらかじめ設定しておけるのもいい。フォントの数だけいろんな組み合わせが楽しめる。既存のちょっと飽きてきた書体も、意外な組み合わせでまったく新しく見えてくるから面白い。いまリストに入っている(仮名書体と漢字の単純な合成以外の)合成フォントのうち気に入っているものをいくつか挙げてみた。
 

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イワタ中太ゴシック体+Futura Medium/いまはなき会報誌「エセコミ」の本文に使っていた。少し太いが、判型上文字を小さくしなければならなかったので役に立った。
 

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こぶりなゴシックW1+Gotham Light/黒沢健一『Focus』のスタッフクレジットに使用。こぶりなW1の使い道がなかなか見つからなかったが、Nakajima Thin(中島デザインが多用するオリジナル欧文書体)に比肩する美しいパートナーを得た感じ。
 

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こぶりなゴシックW3+News Gothic Medium/こぶりなの数字の1が欧文のIに似ているので区別するために、近い太さの数字書体を探していた。Thumb Mの大橋修さんが「DICTIONARY」(CLUB KING)などで、中ゴシックとNews Gothic Mediumを組み合わせて使っている。
 

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こぶりなゴシックW6+Rockwell Regular/スムルースのアルバム『UNITE』で全面的に使った。普通はない組み合わせだと思う。こぶりなゴシック自体がよくできているフォントなので、どんな書体も受け入れてくれる。
 

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見出ゴMB31+もじくみかな+リュウミンH(英数)/漫画の吹き出しに用いられるアンチック体(ゴシックと明朝の混合)。もじくみかなは「日本語の文字と組版を考える会」が配布するフリー仮名書体。レトロな仕事、時代小説の帯なんかにいいかも。
 

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中ゴシック体BBB+A1明朝/アンチック体その2。モリサワのアンチック体のひらがなはA1明朝に似ているので、これはかなりそれっぽい印象。普通に本文に使ってみても違和感がなさそう。
 

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