“言葉にできない想い”の伝えかた

デザインをお手伝いした、吹奏楽団harmonizeとFOGLIGHTの第一回吹奏楽合同演奏会が、6月27日(土)日野市民会館で行われた。この日は児童養護施設で生活していた人たちを支援するNPO日向ぼっこのためのチャリティーコンサートということで、ロビーで募金活動や関連本の販売が行われていた。ぼくもデザインで頂いた金額の端数を寄付させてもらった。

harmonizeもFOGLIGHTも、中学生から社会人まで、複数の学校で講師をつとめるコンサートマスターの藤井和夫君のもとに集まったメンバーたちで構成されている。いわゆるアマチュアであり、今回も入場無料で、お金はとっていない。しかし、とくに全体の進行や転換など、ゲスト出演者も多い中での、細かい部分の気配りがアマチュアのものとはとても思えず、非常によく統制されていたことに驚いた。

今回の演奏会のテーマは「言葉にできない想い。」ということで、プログラムの挨拶文の藤井君の言葉によれば、彼にとっての音楽や表現活動の理由は「世界から自分を守るため」「声にならない、また、なりにくい想いを届けるため」なんだそうだ。マネージャーの久田さんの文章にも「言葉ではなく、音だからこそ、人に伝えられる何か大切なものがあると信じています」と書かれていた。

クラシックという音楽は、ある種のロックンロールと違って、ギターをかき鳴らしてがなり立てれば何かが伝わる、というようなものではない。チームプレーという点で球技に似ているが、大会ではないので勝ち負けはない。とにかく調和し続けること、全体の中の歯車のひとつとしての仕事をそれぞれが全うすること。そんな地道な作業を続けていくうち、飛行機が長い助走からふわっと舞い上がるように離陸する瞬間がやってくる。この日の演奏でも、何度か体が座席から舞い上がるみたいに感じられるときがあった。ステージ上の彼らもそのとき一緒に空を飛ぶような気持ちだったのではないか。きっとそれが彼らのいう「言葉にできない想い」の正体に違いない。それは、言葉ではとうてい表現し尽くすことのできない、夢のような時間だった。どうかその想いを忘れずに、これからも続けていってほしいと思う。

ところで、この日入場者に配られたプログラム、ぼくのデザインによるものだが、自分のイラストを使った仕事としては生涯でいちばんの出来。ラッキーにも手に入れることのできた方は、どうか折り曲げずに大切にとっておいていただけたらうれしい。
 
harmonize吹奏楽チャリティーコンサート|パラグラフ FLYER/LEAFLET





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