きりのなかのサーカス

ブルーノ・ムナーリの名作しかけ絵本「きりのなかのサーカス」。長らく絶版だった日本語版が、谷川俊太郎さんの新訳で復刊していた(フレーベル社・刊)のを、書店で実物を見て知った。古本で持ってたけどぼろぼろだったので、記念に一冊買ってきた。
 
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小さくてみえにくいけど、新旧の表紙をならべたところ。
 
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見返しの大きな見出しも平体から正体に。全体にモリサワフォントが活躍している。
 
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トレペの重なりで霧を表現した有名な導入部。表裏の塗り分けも凝っていて芸が細かい。
偶然、制作中のCDの仕事でトレペを使った表現に取り組んでいたので、感慨もひとしお。
 
谷川さんの訳は好学社版の訳をシンプルな言い回しに改めている。
でも、昔の八木田宣子さんの訳の、弾むようなおもしろさも捨てがたい。
たとえば、下のページとか。
[谷川訳]ジャグラーは ときどき あたまが おかしくなる
[八木田訳]てじなしは あたままで ときどき なげちゃう
 
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絵本の醍醐味の「めくる喜び」を最大限に増幅させたムナーリの仕事は本当に素晴らしい。
ネットも面白いけど、紙の世界にもまだまだ楽しいことがいっぱいあると信じたい。
 

写真=きりのなかのサーカス

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