展覧会日和[2011・5〜6月]

5月×日
馬喰町のフォイルギャラリーで、新津保建秀×早見あかり写真展「Spring Ephemeral」を観た。早見あかりは、ももいろクローバーを脱退していまはソロ活動をしている。ももクロについてはほとんど予備知識がなく、たまたま hayamiakari.tumblr.com(現在は更新停止)を見ていて、アイドル離れした雰囲気を持った娘だという印象を持っていた。この脱退からの路線変更も自然な流れだと思う。新津保建秀さんもアイドルやモデルとの仕事が多く、写真を見て、彼女は新津保さんに撮られるのがふさわしい(というか新津保さん好みの)被写体だと思った。iPadで流れていた「sound scape」を見ると、それがよくわかるだろう。余談だが、新津保さん絡みの写真集でいまも好きなのは、モーニング娘。『Hamilton Island』。とりわけ飯田圭織の個人ショットが神がかっていた。会場売りの同名写真集(製本・内容の割に安価)を買って外に出た。
 
genpatsu
 
秋葉原まで歩いて、3331 Arts Chiyodaへ。気になっていた小山幸彦写真展「原発を見た」に心を奪われた。日本各地の原子力発電所のある風景やその予定地を、遠くから見つめるようにただ淡々と写す。昨今ネット空間にはびこるような、原発や放射能をめぐる扇情的なメッセージはここには一切ない。にもかかわらず、美しい自然の中に存在する「それ」が微妙な違和感として、見る人の心に静かに降りてくる。写真表現そのものとしても非常に優れていて見応えがあった。作者に感想をメールで送るとすぐに反応が返ってきた。公式サイトに出ているポートレートも、人物+αを捉えようとしているようで面白い。

別のフロアの佐賀町アーカイブでは、大竹伸朗の佐賀町エキジビット・スペース(食糧ビル)時代の作品を展示していた。大判のコラージュ作品がエネルギッシュで力をもらうことができた。

5月×日

satellite9
 
例年この時期に舞い込んでくる保育関連の仕事が今年はほとんどゼロに近くて焦る反面、去年はそれでずいぶん神経をすり減らしてストレスフルだったことを思い出し、前向きな休暇と捉えてギャラリーへ。ホンマタカシ「ニュー・ドキュメンタリー」関連のサテライト展「Satellite 9」でスタンプラリーの景品を目指すことに。手始めに、limArt(きのこや花の写真)gallery koko(建築関連の写真展。遠くから双眼鏡で写真を覗くギミック)〜 パピエラボ(活版→オフセットによる山の写真)〜 BEAMS原宿(ホンマタカシの「山」関連グッズの販売)を回った(会場名はすべて「Satellite 9」公式サイトのレポートにリンク)。

5月×日
引き続き、ホンマタカシ「Satellite 9」へ。ギャラリー360°(ギャラリー所蔵の作品展)〜 UTRECHT/NOW IDeA(ホンマタカシの写真をモチーフにしたZINE)〜 Center for COSMIC WONDER(91年から92年のロンドン滞在時の写真。ハービー・山口的)を回った。ユトレヒトにあったえぐちりかさんの山の形に綴じられたZINEがカッコよかった。ギリギリまで買おうか迷ったが、ZINEの類は買っても部屋の隅に置きっぱなしになることが多いのでやめにした。

青山ブックセンター本店の展示「ミナ ペルホネンの絵ことば」にも立ち寄った。テキスタイルのパネルに先日出た作品集『ミナ ペルホネン?』からのことばの断片と、皆川さんからスタッフに宛てて送られたFAXの一部。自分がスタッフでこんなメッセージを毎日もらったら、きっと幸せな気持ちで働けるだろうな。会場で、発売時に買えなかった『ミナ ペルホネン?』特装版が売られているのを発見。金欠を承知で衝動買いしてしまった。

5月×日
ホンマタカシ「Satellite 9」のエプサイト(大判インクジェットプリントによる山の写真)へ。きょうでスタンプラリーのスタンプが全部揃った(10会場のうちスタンプ9個)。ここ数日仕事も暇だし、せっかくなのでもう一箇所も行ってみよう。

5月×日
ホンマタカシ「Satellite 9」の最後、THE CRACKER/GARAGE(銀塩プリント作品のセレクション)へ。懐かしいアイスランドの写真も。当たり前だけどインクジェットやオフセットより、銀塩の方が圧倒的に美しい。9つ回った中でもコンパクトながら価値ある展示だった。必要なかったが一応ここでもスタンプを押してコンプリート。終わってから近くに事務所のあるデザイナーの友人と、ランチ&悩み交換会。
 

6月×日

klee
 
東京国立近代美術館で「パウル・クレー展― おわらないアトリエ」を観た。国立近代美術館の展示はよくも悪くもキュレーターのカラーが強く、今回のクレー展も純粋に絵画の良さを味わう展示とはひと味違い、クレーが作品の中で駆使した様々な技法(スクラッチ/コラージュなど)を作品ごとに元ネタを参照しながら検証する、ある意味ユニークな内容。前半は検証の部分に気を取られて、作品そのものに集中できなかったのが残念だった。ただ最後に、クレーが自分の作品の中でサインを入れて他と区別している「特別クラス」の作品が並ぶコーナーがあって、それらは掛け値なしに素晴らしいと思った。図録がボリュームがあってしっかり作られていたので、一冊購入した。
 
>>展覧会日和[2011・3月11日~4月]
 
――上記以外を含む展覧会ツイートは、こちらのハッシュタグ #gbiyori に残しています。

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