Dear アッコちゃん展

Dear アッコちゃん展

矢野顕子さんのレコードデビュー40周年にちなみ、原宿のカフェシーモアグラスで2017年1月3日まで開催されている「Dear アッコちゃん展」に、矢野顕子さんにまつわる資料と15年ほど前に描いた小さな絵を展示させてもらってます。

1998年から2006年までの間にデザイン企画編集として関わったさとがえるコンサートのパンフレット。2000年に、HMVのフリーペーパー誌上で一年間限定で連載された「月刊アッコちゃん・HMV the music master版」全12回分の誌面デザイン(店内で自由に閲覧できます)。そして、イラストレーターを目指してパレットクラブスクールで学んでいた2001年に、講師だったイラストレーター上田三根子さんへのトリビュート作品として、さとがえるコンサートパンフの絵本『わたしはラーラ』をモチーフに描いた小さな作品「わたしとラーラ」(+参加作家によるアッコちゃんへのファンレター)を展示しています。

そのほかにも、デビュー当初からのレコードジャケット、宣材、ポスター(『JAPANESE GIRL』からMIDI時代の貴重な資料)、田村セツコさんほかの作家による矢野さんをイメージした絵や雑貨などが店内に所狭しと並び、期間中のシーモアグラスはアッコちゃん一色に彩られています。初期のジャケットや宣材のデザインはどれも尖っていて、現役のデザイナーやイラストレーターにとっても大きな刺激となるに違いありません(展示設計は沢田節子さん)。店内では記念本『やのぴあ』も販売しています。

矢野顕子さんのマネージャーから当時勤めていた会社(音楽プロダクション内の編集セクション)に、さとがえるコンサートパンフの制作依頼をいただいたのは、1998年の秋でした。ぼくがゼロからデザインの道に入って社内の仕事を細々と始めるようになってからまだ間もない頃で、さとがえるパンフの仕事がほとんど初めての外部からの大きな依頼でした。コンサートパンフレットでありながら本格的な絵本(朗読CD付)として制作された1999年の『わたしはラーラ』(矢野顕子・作/上田三根子・絵)は、翌年に続編(『はたらくラーラ』)も作られるなど好評を得て、いまの自分の絵本仕事の礎にもなっています。矢野さんの仕事を基点としてぼくの仕事上の人脈や経験は大きく広がっていきました。矢野さんの40年間の中でもほんの小さなご縁ではありますが……本当に感謝しかありません。
 

 
Dear アッコちゃん展
2016年12月12日[月]─2017年1月3日[火] *毎週土+元旦休
カフェシーモアグラス (東京・原宿)

参加作家:安食史子、unpeu、Salam×2 愛甲恵子、沢田藍子、下山ワタル、田村セツコ
協力:下山ワタル、ブルース・オズボーン、MIDI INC.、茂木忠和(Green House)、山本ひろみ(新宿文化センター)
企画:シーモアグラス「Dear アッコちゃん展」実行委員会 坂本織衣/沢田節子/石黒由紀子

 
>>「Dear アッコちゃん展」はじまりました。|カフェシーモアグラス ブログ

>>わたしはラーラ|Works|パラグラフ
>>はたらくラーラ|Works|パラグラフ
>>Akiko Yano Songbook|Works|パラグラフ

これから行くかもしれない展覧会[2016・12~]

これから行くかもしれない展覧会[2016・12~]

山下アキ イラスト展「まつやまノート」
2016年11月12日[土]―2017年1月21日[土] *毎週土のみ営業、12/31・1/7休
comeyaギャラリー(埼玉・東松山)
長崎出身の山下さんが独自の視点と描線で描く東松山。実はぼくも東松山にすごく縁があります。

収穫祭 鈴木成一個展「あおい」
2016年11月25日[金]―11月30日[水]
HBギャラリー(東京・表参道)
緑道の路傍で見つけたものから構成された作品。「パイン」以来久々の個展。

立花文穂個展「Plastic プラスティック」
2016年11月25日[金]―12月18日[日]*火水休
The Mass(東京・明治神宮前)
ブロンズによる立体と平面作品。文字からの跳躍。

TADANORI YOKOO POP-UP STORE
2016年11月25日[金]―2017年2月10日[金]
DIESEL ART GALLERY(東京・渋谷)
コラボバッグ販売を記念し、名作のポスターの展示と新作グッズの販売。

さかたきよこ個展「冬のブリッジ」
2016年12月8日[木]―12月26日[月]
ウレシカ(東京・西荻窪)
雑誌「イラストレーション」でも紹介されていた版画家の小さな展示。

五人展 太田丈晴/北村人/信濃八太郎/徳地直美/山下アキ
2016年12月9日[金]―12月19日[月]
ギャラリー山陽堂(東京・表参道)
5人のイラストレーターによる、本にまつわる展示。

Dear アッコちゃん展
2016年12月12日[月]―2017年1月3日[火]
カフェシーモアグラス(東京・原宿)
矢野顕子さんのデビュー40周年記念展。イラスト+資料提供で参加しています。

MY FAVORITE 灘本唯人のにんげんもよう展
2016年12月15日[木]―12月26日[月]
HCLフォトギャラリー新宿御苑(東京・新宿御苑前)
60年間の軌跡をたどる追悼展。女性も似顔絵も江戸の人々も、スタイリッシュの一言。

平岡瞳版画展「ゆき」
2016年12月16日[金]―12月23日[金・祝]
オーパ・ギャラリー(東京・表参道)
少し先ですが、年末に雪をモチーフにした展示。画像だけでもグッとくる。

石川直樹 この星の光の地図を写す
2016年12月17日[土]―2017年2月26日[日]
水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城・水戸)
未発表作品も含む初の大規模個展。果てしない旅の風景にいつも勇気をもらっています。

GROOVISIONS 5×27
2017年1月6日[金]―1月15日[日]
スパイラルガーデン(東京・表参道)
過去作品のアーカイブ、全長13mのディスプレイによる新作映像、京都三三屋の期間限定出店など。

DAVID BOWIE is
2017年1月8日[日]―4月9日[日]
寺田倉庫G1ビル(東京・天王洲アイル)
イギリスで話題となった大回顧展。アジアでは日本のみの巡回+「戦メリ」コーナーも。

[メモ]

ハロプロ研修生+つばきファクトリーによる、演劇女子部「ネガポジポジ」の感想を書きました。

>>演劇女子部「ネガポジポジ」|パラグラフ

2016年12月23日(水・祝)に、日本橋三越本店で「人形劇 ねずみのシーモア」が行われます。

昨年の夏、原宿シーモアグラスで開かれた「みんなの人形劇展」で初演、その後、南青山TOBICHIなどでも再演され、大きな人気を博した人形劇です。人形操演を友人の山田はるかさん、愛らしいねずみのシーモアのキャラクターはイラストレーターの福田利之さんが手がけています。

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>>これから行くかもしれない展覧会[2016・11~]

演劇女子部「ネガポジポジ」

演劇女子部「ネガポジポジ」

ハロプロ研修生+つばきファクトリーによる舞台、演劇女子部「ネガポジポジ」を観た。

あのような前衛的でマッドな(…そう評して差し支えないと思う)作品を、10代前半から中盤の女の子たちが中心になって演じ、15日以上に及ぶ公演が連日ハロプロファンで埋まる光景がとてつもなくパンク、というか、演劇の未来を明るく照らしているようだった。

A・B・C3チームによるローテーションのうち、結局自分が観たのはAチームの一回だけで、その日はセリフのミスなどまだ不慣れな部分もあったけど、素朴な印象のメインキャストの二人(山岸理子と加賀楓)が、演技と素の自分とのギリギリの境界線上でぶつかり合う姿に胸を撃たれた。この舞台に関しては、自分の殻を壊せる人、もしくは、もともと自分の殻を持ってない人が強い、という気がする。アンサンブルではハロプロ研修生に加入したばかりの(元はちきんガールズ)川村文乃が強烈な印象を残していた。彼女に関しては評価の底が本当に見えない。どれだけたくさんの可能性を持っているんだろう。Aチームのメインキャストの5人(山岸理子、加賀楓、堀江葵月、清野桃々姫、金津美月)は全員好印象だった。

ツイートにも記した後半の「山川恵津子風シティポップ」(先行発売のサウンドトラックEPには未収録)に合わせて全員で踊る場面がとても艶かしく(昔ミニシアター系の作品ばかり扱うレンタルビデオ店で借りて観た『ヘリウッド』という日本のB級ミュージカル映画の一場面を連想した)、終わった後も悪夢のようにずっと頭の中でループしていた(現在も)。ハロプロには、歌にもダンスにも厳格な「ハロプロらしさ」のレギュレーションがあって(つんくイズム、みたいな)、普段のパフォーマンスやコンサートでその枠をはみ出すことは絶対にないのだけど、あの場面で、ハロプロらしさから逸脱したフォーマット(グルーヴ)の曲でみんなが踊っている様子に、その禁忌を破るような興奮を感じたところもあったんじゃないか、と振り返って感じている。DVD+完全版サントラとのセットでリリースしてくれたら嬉しいし、設定やセリフなどよくわからなかったところは、DVDなどでもう一度確かめてみたいな、と。ナレーションで、80年代当時の女子アナを模してわざと何度も噛むところとか、掟破りな小ネタがそこかしこに隠されていた。

>>「ネガポジポジ」の設定と元ネタをゆとり世代がまとめてみた|愛を確認しちゃう
……このレビュー、面白かったです。
 
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[2017/02/24追記]

DVDの発売がアナウンスされました。先行受注(終了)と一般発売も行われます。
サントラCDはフル収録。

>>Amazon.co.jp

2016年11月3日(木)~11月20日(日)池袋シアターグリーン BIG TREE THEATERで行われた、演劇女子部「ネガポジポジ」を映像化!
3チームのキャスト別に収録、DVD3枚に加えて、サントラCD1枚を加えた4枚組。
出演
《チームA》
キャスト:山岸理子、加賀楓、堀江葵月、金津美月、清野桃々姫
アンサンブル:川村文乃、横山玲奈、小野瑞歩、高瀬くるみ、前田こころ、吉田真理恵、西田汐里
《チームB》
キャスト:小野瑞歩、高瀬くるみ、前田こころ、吉田真理恵、小野田暖優(演劇女子部)
アンサンブル:川村文乃、横山玲奈、浅倉樹々、小片リサ、一岡伶奈、小野琴己、西田汐里
《チームC》
キャスト:浅倉樹々、小片リサ、一岡伶奈、小野琴己、西田汐里
アンサンブル:川村文乃、横山玲奈、山岸理子、加賀楓、堀江葵月、清野桃々姫、吉田真理恵
※梨木智香、須藤茉麻は全公演に出演致します。
東京の片隅でせんべい屋を営んでいる「万田(まんでん)家」。父はおらず、ひとりの母と、多感な4人姉妹で暮らしている。
1988年の大晦日、まんでん家に次女・りさの“友達”由美がやってきた。
ポジポジしている由美とネガネガしているりさ、友達になれそうでなれない二人。
ニッポン中が「バブル景気」に沸き立っていたあの時代から、未来の扉が見えなかった世紀末にかけて、
彼女たちのいびつな成長や衰退を、「家族」のいる場所から綴っていくヘンテコオペレッタ。
その名も「ネガポジポジ」。
収録時間:DVD3枚組各約110分+サントラCD付

これから行くかもしれない展覧会[2016・11~]

これから行くかもしれない展覧会[2016・11~]

ジュリアン・オピー
2016年10月19日[水]―12月3日[土]
MAHO KUBOTA GALLERY(東京・外苑前)
新作と映像作品14点。迷路のようなインスタレーションも。

shape 自然のかたち展
2016年10月20日[木]―11月7日[月]
ウレシカ(東京・西荻窪)
いわたまいこさんという切り絵作家の作品がすごい。

再発見 再創造 Found MUJI
2016年10月21日[金]―11月27日[日]
無印良品 有楽町 ATELIER MUJI(東京・有楽町)
創業時から積み重ねられた「Found MUJI」の軌跡をたどる。

蜷川実花展「Light of」
2016年10月21日[金]―12月3日[土] *日月祝休
小山登美夫ギャラリー(東京・六本木)
北参道から六本木へ移転。花火や野外フェスのまばゆい刹那的な光。

「これが好きなのよ 長新太マンガ集」刊行記念 長新太原画展
2016年11月3日[木]―11月30日[日] *月火水休
888ブックス パールブックショップ&ギャラリー(東京・幡ヶ谷)
刊行されたマンガ集からの原画や、お蔵出し作品を展示。

矢吹申彦個展「音楽を描く」
2016年11月5日[土]―11月23日[水]
ビリケンギャラリー(東京・表参道)
新作の画集『矢吹申彦音楽図鑑 NOV. MUSIC MAGAZINE』からの展示。

和田誠個展「青い河馬」
2016年11月11日[金]―11月16日[水]
HBギャラリー(東京・表参道)
毎年恒例の個展。この余白が絵の力を増幅させているのだと、DMを見て思う。

鳥取づくし EXHIBITION OF TOTTORI
2016年11月11日[金]―11月23日[水・祝]
かまわぬ浅草店(東京・浅草)
かまわぬが鳥取の旅で出会った品々。鳥取に興味があるので行きたい。

榎本了壱コーカイ記
2016年11月11日[金]―12月24日[土]
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(東京・銀座)
70〜80年代、グラフィックやアートを高い所からわかりやすい場所まで下ろしてくれた人。

田名網敬一 DREAM FRAGMENT
2016年11月16日[水]―12月10日[土]
ギャラリー360°(東京・表参道)
倉庫から発見された、過去のコラージュや未完成作品を修復。作品集も刊行。

株式会社カラー10周年記念展
2016年11月23日[水・祝]―11月30日[水]
ラフォーレミュージアム原宿(東京・原宿)
「過去のエヴァと、未来のエヴァ」……シン・ゴジラや関連作品も交えて、カラーの10年を辿る。

収穫祭 鈴木成一個展「あおい」
2016年11月25日[金]―11月30日[水]
HBギャラリー(東京・表参道)
昔HBで「パイン」と題された写真展を観た。それ以来の個展?

鈴木理策 「Mirror Portrait」
2016年11月26日[土]―12月24日[土]
タカ・イシイギャラリー 東京(東京・六本木)
いわゆるマジックミラー越しに、被写体がカメラを意識せずに撮影された作品。

平岡瞳版画展「ゆき」
2016年12月16日[金]―12月23日[金・祝]
オーパ・ギャラリー(東京・表参道)
少し先ですが、年末に雪をモチーフにした展示。画像だけでもグッとくる。

石川直樹 この星の光の地図を写す
2016年12月17日[土]―2017年2月26日[日]
水戸芸術館 現代美術ギャラリー(茨城・水戸)
初期から最新のシリーズまでを辿る大規模な個展。過去の未発表作も公開。

[メモ]

黒沢健一さんの2作のアルバムアートワークについてのテキストを公開しました。

>>“春の訪れ”と奇跡の「白い壁」 〜『Focus』のアートワークについて〜|パラグラフ
>>神がくれた「フェイク」という宿題 〜『V.S.G.P』のアートワークについて〜|パラグラフ

前者は『Focus ─LIMITED EDITION─』というボックスセットに収録されたテキスト、後者は数年前に手を付けたまま放置していた文章を完成させた書き下ろしです。10年ひと昔とよく言われますが、いまは20年前位の出来事すら昨日のことのように思えます(音楽でいえば90年代のマンチェスター・ムーブメント以降)。『Focus』『V.S.G.P』についてはユニークなプロセスで作られたこともあって、自分の中でも特に強く記憶に残っている仕事です。

ご病気を発表されたときは驚きましたが、ご自身の考えを言葉にできる状態のようでホッとしています。なんにせよ、記憶を言葉の形に残していつでも思い出せるようにしておくのは大切なことだと思います。ひとつの言葉に誘われて別の人が、その人の言葉で語り始めるのもまた一興です。再びステージに灯りが点くまでの間、開演前のひとときのようにざわざわと言葉が飛び交う感じで、会場を温めておくのもいいのではないか、と思い、こうして当時の記憶を目に見える形で残しておこうと考えた次第です。

アーティストが残した作品がファンの間でいつまでも語り継がれていくことは、作者本人にとっても大きな幸せだと思います。本や映画、ドラマも同じです。作品やアーティストについて、わいわいと言葉が交わされる場が存在すること自体が、彼やその作品の影響力の大きさを物語ります。黒沢健一さん/L⇔Rのファンは真摯な目と言葉で、アーティストや作品と向かい合っている印象を受けます(同様の例として、自分の観測範囲では、ザ・ブーム、ハロー!プロジェクト、あまちゃん、など)。そのような作品に関われるのは、ファンだけでなく、サポートミュージシャンやエンジニア、写真家、デザイナーなどの作り手の側にとっても喜びなのです。

きのう見てきた演劇女子部「ネガポジポジ」トークショーの感想については、いずれまたの機会に。
 
>>これから行くかもしれない展覧会[2016・10~]

神がくれた「フェイク」という宿題 〜『V.S.G.P』のアートワークについて〜

神がくれた「フェイク」という宿題 〜『V.S.G.P』のアートワークについて〜

前作の『Focus』からあまり間を置かず、次の作品をリリースするかもしれない、と黒沢健一さんから聞いたのは、たしか2009年末の東京グローブ座公演の楽屋だった。世田谷パブリックシアターとグローブ座公演の音源をまとめたライブ盤、もしくはCD+DVDのカップリングを作りたいという構想を口にしていたと記憶している。それから半年。年が明けて春が過ぎ夏が訪れても、レコーディングについての具体的な情報はなかなか伝わって来なかった。そもそもぼくがその作品に再びデザイナーとして関われるかどうかも未知数だった。 【続きを読む】