2016年最も印象に残った××××

2016年最も印象に残った××××

:::アート:::
 
時間をめぐる、めぐる時間の展覧会 (三軒茶屋=生活工房ギャラリー)
近代風景~人と景色、そのまにまに~ 奈良美智がえらぶMOMATコレクション (竹橋=東京国立近代美術館)
ブラティスラヴァ世界絵本原画展 (浦和=うらわ美術館)
Chim↑Pom「また明日も観てくれるかな? 〜So see you again tomorrow, too? 〜」 (新宿=歌舞伎町振興組合ビル)
1920~2010年代 所蔵工芸品に見る 未来へつづく美生活展 (竹橋=東京国立近代美術館工芸館)
後藤美月個展「なんにもないがたくさんある」 (表参道=オーパ・ギャラリー)
平岡瞳版画展「ゆき」 (表参道=オーパ・ギャラリー)

全くノーマークだった「時間をめぐる、めぐる時間の展覧会」。チラシのビジュアルが、同じ時期に出版した絵本『わかる わかる じかんの えほん』と偶然似ていたのがきっかけで興味を持ちました。時間というひとつのテーマを、科学、歴史、文化人類学などさまざまなアプローチによって、デザインやイラストレーション、映像などの資料とともに解き明かしていく試みがとてもユニーク。関連資料として絵本も数多く紹介されていて刺激になりました。

「奈良美智がえらぶMOMATコレクション」では、普段の作品からだけでは伺えない奈良さんのルーツを垣間見ることができました。恩師の麻生三郎から受け継いだ平和への願いもコメントから伺え、いま観るべき展示になっていたと思います。

イラストレーションの領域における版画表現に目を見開かされた一年でした。ここ数年の画家たちの努力が花開き、大きな実を結んだ印象を持ちました。若手〜中堅のイラストレーターとの良き出会いにも恵まれた気が。彼ら/彼女たちに報いる仕事をしなくては。
 
 

:::音楽:::
 

24K Magic Bruno Mars
MALIBU Anderson .Paak
VIBLATION TOKYO HEALTH CLUB
99.9% Kaytranada
グッド・ナイト 森は生きている
A Long Day ミツメ
Epoch Tycho
Nite-Funk Nite-Funk

ベスト・アルバムとして挙げられる作品に、時代や個人の内面を反映するようないわゆる大作・力作が多かったように思います。「Happy」でも「(Get) Lucky」でもなかった一年。でも、個人的にはそういった重い作品と正面から向き合うことが難しい気分で、少しでも気持ちが軽くなったり、いまの足元を明るく照らしてくれる音楽ばかりを探していました。

 
Bruno Mars『24K Magic』

 
 
ボビー・ブラウンやマイケル・ジャクソンが活躍していた時代の華々しい空気感を、この息苦しい時代(白人以外の人種にとっては余計に…)にあえて持ち込んで見せてくれた。タイトル通りの、きらびやかで本物で、魔法のような30分に気持ちが救われました。
>>インタビュー|Billboard Japan

 
Anderson .Paak『MALIBU』

 
 
幼くして両親が刑務所へ、自身も妻子を抱えてホームレスに。しかし理解者に助けられ、やがてドクター・ドレのフックアップによってシーンへ登場……という「ドキュメント女(男)ののど自慢」ばりのサクセスストーリーも勿論のこと、ジャミロクワイの再来とも言いたくなる(しかし彼らほどポップ=単純ではなく、アウトプットも実に多彩)、ジャズ/フュージョンの影響を受けて複雑に刻まれたトラックの上を撫でていくようなハスキーなヴォーカルが癖になります。
>>アルバムレビュー|bmr
 

TOKYO HEALTH CLUB『VIBLATION』

 
ユニークなMVをきっかけに知った、スチャダラやリップの系譜に連なるヒップホップユニットが放った名盤。フリースタイルダンジョン(←これも息苦しい世の中を象徴するような表現のひとつ)には絶対出なさそうなところも好感が持てます。
>>TOKYO HEALTH CLUB
>>インタビュー|ナタリー
 

Kaytranada『99.9%』

 
先に挙げたアンダーソン・パークのアルバムにも参加している20代のプロデューサーによるファースト。ラリー・ハードやベースメント・ボーイズの浮遊感にも通じるような4つ打ちの曲が多く、単純に心地良い。アウトサイダー・アートのようなジャケも好き。
>>高橋芳朗 星野源にケイトラナダ『99.9%』をすすめた話|miyearnZZ Labo
 

森は生きている『グッド・ナイト』

 
CDの発売年は2015年だったけど、これはバンド解散後の去年に発表されたアナログLP。解散前に知っていれば……と悔しく思えるくらい、その独特の世界観に大きな衝撃を受けました。手づくりで織物をゼロから編み上げていくような、ここにしかないタイプの音楽。
>>インタビュー|Mikiki
>>森は生きている『グッド・ナイト』のアナログ盤におけるまさかの展開|ele-king
 

ミツメ『A Long Day』

 
 
以前から好みの音で注目していたけど、やっとアルバムを通してトータルで聴ける作品が完成。リズム隊とギターのカッティングから生まれるグルーヴが、トーキング・ヘッズやZEレーベルなど80年代前半の音数少なめのNW風。インタビューでも語っているように『ストップ・メイキング・センス』を思い出す。
>>インタビュー|Mikiki
 

Tycho『Epoch』

 
エレクトロニカ+ギターによる電子と生音の融合。ロバート・マイルズ「チルドレン」などに通じるような甘さを時折感じなくもないけど、とりあえずポップで爽快。メンバーが手がけるジャケットデザインがとてもグラフィカル。
>>ISO50 / Tycho Shop
 

Nite-Funk『Nite-Funk』

 
DAM-FUNKと、Nite Jewel(LAの女性シンセ・ポップ・ソロシンガー)によるユニット。これも80年代的でラグジュアリーなテイストを前面に出したファンク。フランソワ・ケヴォーキアンがマスタリングに関わっているらしいのですが、雰囲気としては80年代にアイランズ・レコードから出た、フランソワとホルガー・シューカイほかによるミニアルバム『Snake Charmer』に収録のダンス・クラシック「Hold On To Your Dreams」からダイレクトに繋がる世界。 
 
 
  

何十年ぶりかにレコードプレーヤーを買って、アナログ・レコードマニアの仲間入りをしました。アナログとストリーミングの両方で、松田聖子の初期作品と、ニュー・オーダーの全作品を、一時期何度も繰り返し聴いていました。ニュー・オーダーの12インチはCD化されたヴァージョンとは微妙に違っていて、アナログでこそ聴く価値がありました(特に「コンフュージョン」「シェルショック」)。全部通して聴いて好みだったのは、12インチ全部と、アルバムでは初期の『ムーブメント』『権力の美学』。
 
 

:::メディア:::
 

::本::
小さな出版社のつくり方 永江朗(猿江商會)
あしたから出版社 島田潤一郎(晶文社)
株式会社カラー 10周年記念冊子(株式会社カラー)

::雑誌::
CanCam 2017年2月号 特集:かわいい写真が撮りたい!! 特別付録:スマホに付ける!魔法の自撮りライト(小学館)

::映画::
シン・ゴジラ
この世界の片隅に
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
スター・ウォーズ/フォースの覚醒
FAKE

秋頃に突然大きな夢が頭に浮かび、それ以降はそのことばかり考えていました。今年は実行に移したい。映画は評判だった作品を全部観切れてないので、ロングランの映画館にこれからでも観に行きたい。
 
 

:::ハロプロ楽曲大賞’16:::
 

  
1位|独り占め つばきファクトリー
2位|次々続々 アンジュルム
3位|押忍!こぶし魂 こぶしファクトリー
4位|何故 人は争うんだろう? ℃-ute
5位|泡沫サタデーナイト! モーニング娘。’16

次点|
The Vision モーニング娘。’16
そうじゃない モーニング娘。’16
セクシーキャットの演説 モーニング娘。’16
チョット愚直に!猪突猛進 こぶしファクトリー
どーだっていいの カントリー・ガールズ
懸命ブルース こぶしファクトリー
(リンクはすべてYouTube)
 

MV部門
1位|辛夷の花 こぶしファクトリー

 

推しメン部門|小関舞(カントリー・ガールズ)
 

 

つんく♂ VS 非つんく♂の楽曲が争う状況で、辛うじてつんく♂の曲が(自分の中では)優位に立ちました。つばきファクトリー「独り占め」は、久々のつんく×大久保薫コンビによる作品で、サトシ・トミイエのような流麗なピアノのフレーズが耳に残る佳曲(参考:Frankie Knuckles「Rain Falls」)。少女同士にしかわからない繊細なニュアンスの歌詞はザ・つんくの真骨頂。つんく♂の曲はMVやCDだけだと正直最初はピンと来ないのですが、現場で聴くとその歌詞やバックトラックの真価が、少女たちのギリギリの歌唱とパフォーマンスを通してしっかりと伝わってきます。

つんく♂の魂を純度の高い形で歌い継いでいるグループは、現在ではモーニング娘。とハロプロ研修生の2組だと思います。そのことに気付いてから、研修生のライブにも足を運ぶようになりました(冠番組の「はぴ☆ぷれ」「ただいま研修中」はリアルタイムで全部見ていたけど…)。ハロプロで一番面白くて観るべき価値があるのは研修生、という最後の境地に達してしまった2016年でした。

 
>>第15回ハロプロ楽曲大賞’16

 
>>>2015年最も印象に残った××××
>>>2014年最も印象に残った××××
>>>2013年最も印象に残った××××
>>>2012年最も印象に残った××××
>>>2011年最も印象に残った××××
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>>>2008年最も印象に残った××××
>>>2007年最も印象に残った××××
>>>2005年最も印象に残った××××
>>>2004年最も印象に残った××××

2015年最も印象に残った××××

2015年最も印象に残った××××

:::アート:::

速水御舟とその周辺 ─ 大正期日本画の俊英たち (用賀=世田谷美術館)
おとなもこどもも考える ここはだれの場所? (清澄白河=東京都現代美術館)
東京アートミーティングⅥ “TOKYO”-見えない都市を見せる (清澄白河=東京都現代美術館)
大阪万博1970 デザインプロジェクト (竹橋=東京国立近代美術館)
マグリット展 (乃木坂=国立新美術館)

豊作だった前年に比べ、これだと思える展示が少ない一年でした。昨年観た展示のアーカイブを振り返る限り、決して観てないわけでもなかったのですが……。

印象派の画家がルーツに挙げることの多い日本画の作品をまとめて鑑賞したい、という前年からの願いを「速水御舟とその周辺」が一発で叶えてくれました。充実した内容の図録をいまも時々見返しています。

ここ数年訪れることのなかった現代美術館に、去年だけで三度足を運びました。会田家「檄文」問題でクローズアップされた「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」には、一人で一回と、家族と娘の友達でもう一回。ヨーガンレールの、汚い現実をアートで美しく塗り替えるという渾身のメッセージに心を打たれ、おかざき乾じろ「はじまるよ、びじゅつかん」では、自分の子ですら容易に鑑賞経験を共有できないという、他者という壁の切なさを突きつけられました。アートをアートの外側(こども、世界、社会 etc.)と繋ごうとする試みがユニークでした。
 
 

:::音楽:::

EP D.A.N.
YELLOW DANCER 星野源
3776を聴かない理由があるとすれば 3776
PAPER GODS Duran Duran
①Let’s Say “Hello!” ハロプロ研修生
The SHOW Lucky Tapes
THE BAY Suchmos

 
D.A.N.『EP』

 
 
フェスとは別の文脈における、邦楽ロックの裾野の大きな広がりを感じた年でした。特に顕著だったのは20代前半の若手バンドの台頭。never young beach、Ykiki Beat、The fin.、Yogee New Waves、あとで挙げるLucky Tapes、Suchmos etc.…。そんな中で、Youtubeの関連動画でたまたま引っかかったD.A.N.の、トリップホップを少し連想させる(しかしポーティスヘッドほどには歌い上げず、エモくない)物悲しさや暗さが、2015年の気持ちにぴったりとハマりました。LIVEでも筋が通ったサウンドが展開されていたし、2016年に発表されるというアルバムが非常に楽しみです。
>>D.A.N.
>>インタビュー|Mikiki
 

星野源『YELLOW DANCER』

 
星野源特有のクセを持ったメロディと、誰もが知るブラック・ミュージックを融合すると、こんなに魅惑的なJ-POP=大衆音楽が生まれるとは……。よく考えて作られているのがわかるし、さらに細野晴臣直伝のエキゾチックなTOKIO風味まで散りばめられているとなると、これはもう好きにならずにはいられませんでした。うちの妻が放った「顔と、写真を撮らない以外は福山雅治」という名言にも笑いました…。
 

3776『3776を聴かない理由があるとすれば』

 
ここまでの3作品はほぼ同率1位です。2015年は、邦楽ロックとアイドルに80年代前半のような勢いが感じられました。特にアイドルは、戦国時代と呼ばれ始めてから4年余り、勢いを失うどころか一定の支持をキープしつつ、更なる多様性を獲得しています。アイドルの現場には、80年代の東京ロッカーズや東京ソイソースに匹敵するような熱狂と面白さを時折感じます(行ったことはないので想像で)。

3776(みななろ)の『3776を聴かない理由があるとすれば』は、全体がシームレスに繋がるひとつのコンセプトアルバムとして、その音楽性も含め、ピチカート・ファイヴの『女性上位時代』やドゥーピーズ『DOOPIE TIME』を凌ぐかのような勢いを持つ作品でした。サウンドの印象的に近いのはコーネリアスか? 音源で聴ける変拍子や複雑なコード進行を、現場ではカラオケにのせて14歳の井出ちよのちゃんが一音もずらさずに再現しているのにも驚愕。
>>3776(みななろ)
>>南波一海 presents ヒロインたちのうた。~アイドル・ソングのキーパーソンを直撃!~|石田 彰(前編)
>>南波一海 presents ヒロインたちのうた。~アイドル・ソングのキーパーソンを直撃!~|石田 彰(後編)
 

Duran Duran『PAPER GODS』

 
ダフト・パンク「ゲット・ラッキー」の流れを汲むナイル・ロジャースとの完璧なコラボに始まり、EDMや最近のR&Bをトレースする、今のデュラン・デュランとして完全に正しいサウンド。同時期に出たニュー・オーダーの新作よりこちらを推したい。アルバムとしての質や大規模プロモーションに見合うだけの評価を得ていない、売れていないのが信じがたく残念です。
 

ハロプロ研修生『①Let’s Say “Hello!”』

 
「Produced by つんく♂」と銘打たれた現時点でハロプロ最後のアルバムということになるでしょうか。つんく♂の真価はロー〜ミドルティーン設定の楽曲にこそ表れるという原則はここでも健在。Berryz工房の1st、スマイレージの初期作に比肩する傑作。デビューが決まっておらず大きなセールスも当然望めないハロプロ研修生名義のアルバムだからこそ、主力のグループでは実現することが難しくなりつつある、つんく♂本来の自由な感覚が全体にあふれていました。楽曲だけでなく、現在はデビューを果たし主力で活躍するメンバーたちによる新鮮な歌唱も魅力。
>>1 Let’s say “Hello!” – カスタマーレビュー
 

LUCKY TAPES『The SHOW』

 
 
cero以降の若手バンドによるシティ・ポップ的な括りで知って、実際に聴いてみたらとてもよかったので購入、という流れ。次に挙げるSuchmosや、星野源と同様、1980年代のブラックミュージックから多くの影響を受けているのが興味深いです(親経由で、というところも)。
>>LUCKY TAPES
>>インタビュー|CINRA.NET
 

Suchmos『THE BAY』

 
これも若手の才能あるバンド。LUCKY TAPESが鎌倉で、Suchmosが茅ヶ崎、という、山の手と下町みたいな柄の良し悪しも面白いです。ブラン・ニュー・ヘヴィーズなどのアシッド・ジャズに近い音。歴史は繰り返すというか、渋谷系のようなモード(ただしかつてのように特定の場所に依存していない)が再び起こり始めている気がします。
>>Suchmos
>>インタビュー|CINRA.NET 
 
 

ストリーミング配信元年ということで各社のサービスが一斉にローンチしました。去年まで使っていたソニーのMusic Unlimitedはそれらと入れ替わるように提供を終了。つくづく早すぎたサービスでした。

無料でひと通り試用してみた結果、どれも一長一短があって、決定的なサービスはまだ皆無というのが現状でした。カタログ総数もプレイリストも、Music Unlimitedの使い心地には遠くかなわない。国内未提供のYouTube Redが使えるという触れ込みの、Google Play Musicをとりあえず継続して使っています。

使い方に慣れると、これまでに触れる機会のなかった好みの音楽を掘り起こすのに役立つことがわかりました。そんな中から2015年に改めて知った音楽をいくつか下に挙げます(リンクはYouTube)。

Idea Microdisney
Girl Suicide
Televised Executions Suicide
Phonometrics Isotope 217
Shatner The Wedding Present
 
 

:::メディア:::

::本::
ちいさこべえ(1〜5) 望月ミネタロウ(小学館)
奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール 渋谷直角(扶桑社)
よめる よめる もじの えほん こくぼみゆき・さく/しもだいらあきのり・え/下山ワタル・デザイン(あかね書房)

::雑誌::
MUSIC MAGAZINE 特集:星野源/デモは続く!(ミュージック・マガジン)

::ネット関連::
HIRANO KEIKO’S OFFICIAL BLOG 平野敬子ブログ

::テレビ::
おじゃる丸スペシャル わすれた森のヒナタ (NHK Eテレ)
フリースタイルダンジョン/#9 チャレンジャー:焚巻 (テレビ朝日)
クラフトワーク:ポップ・アート (ミュージック・エア)
 
 

:::おまけ=ハロプロ楽曲大賞’15:::

  
1位|恋泥棒 カントリー・ガールズ
2位|愛おしくってごめんね カントリー・ガールズ
3位|ドスコイ! ケンキョにダイタン こぶしファクトリー
4位|大器晩成 アンジュルム
5位|ラーメン大好き小泉さんの唄 こぶしファクトリー

次点|
念には念 こぶしファクトリー
愛・愛・傘 Juice=Juice
わかっているのにごめんね カントリー・ガールズ
ありがとう ~無限のエール~ ℃-ute
乙女の逆襲 アンジュルム
テーブル席空いててもカウンター席 ハロプロ研修生
交差点 アンジュルム
カクゴして アンジュルム
(リンクはすべてYouTube)
 

MV部門
1位|青春小僧が泣いている(Another Ver.) モーニング娘。’15

  

推しメン部門|小関舞(左)
 
IMG_7821.GIF
 

つんく♂の病気療養&ハロプロの総合プロデューサー離職など、ハロプロにとっては激動の一年でした。その反面、新グループの結成ラッシュとともに外部の制作者を起用した楽曲が量産され、前年とは打って変わって上位5曲に絞るのが到底不可能な状況でした。実際に投票した5曲に入り切らなかった分は、次点に並べました。全部上位5曲に匹敵するクオリティです。

モーニング娘。が自分の中で失速したのと入れ替わりに、カントリー・ガールズの可愛さ=ポップ=正しさ、60’sやオールディーズを援用したアイドルポップスの王道的な世界に強く惹かれました。一方、こぶしファクトリーはその明確なコンセプトメイキングを背景に、つんく♂の穴を埋めるようなハロプロらしさを打ち出すのだという意志を、スタッフ一丸となって力強く実践してくれた気がします。2015年に良曲のレパートリーを一番増やせたのはアンジュルムではないでしょうか。中島卓偉が手がけた「大器晩成」とJuice=Juice「愛・愛・傘」は、タイプこそ違うものの、良曲揃いの2015年の中でも外せない2曲だったと思います。
 
>>第14回ハロプロ楽曲大賞’15

 
>>>2014年最も印象に残った××××
>>>2013年最も印象に残った××××
>>>2012年最も印象に残った××××
>>>2011年最も印象に残った××××
>>>2010年最も印象に残った××××
>>>2009年最も印象に残った××××
>>>2008年最も印象に残った××××
>>>2007年最も印象に残った××××
>>>2005年最も印象に残った××××
>>>2004年最も印象に残った××××

2014年最も印象に残った××××

2014年最も印象に残った××××

:::アート:::

モネ、風景をみる眼 (上野=国立西洋美術館)
マルク・シャガール-版画の奇跡 無限大の色彩 (目黒=目黒区美術館)
ヴァロットン展 (二重橋前=三菱一号館美術館)
オルセー美術館展 (乃木坂=国立新美術館)
石川直樹写真展『Makalu』 (六本木=IMA CONCEPT STORE)
上田三根子個展「FAVORITE」 (外苑前=タンバリンギャラリー)
小林賢太郎がコントや演劇のためにつくった美術 展 (表参道=スパイラル)
Persona 1965 (銀座=ギンザ・グラフィック・ギャラリー)
チューリヒ美術館展 (乃木坂=国立新美術館)
ミロコマチコ Life is a Gift – クリスマスキャンペーン (新宿=伊勢丹新宿店本館・メンズ館)
濱中利信コレクション2「ゴーリー・ライブラリー」 (銀座=ヴァニラ画廊)

2014年の展示は「豊作」で、どれもハイレベルかつ心に響くものばかりでした。絞り切れないのでずらっと並べました。ここに挙げた以外にもいいものがたくさんあります。昨年ぼくが観た展示のアーカイブを遡ってご覧ください。

写真からの流れで観るようになった印象派の画家たちの作品は、目の前にある「光と影」をどう捉えるかという歴史的な命題への取組みとして、とても興味深かったです。中でもモネは、目に映る像を利用しつつそこからどんどん離れて、彼の内心の世界へと連れて行ってくれる不思議な体験をもたらしてくれました。ヴァロットン、ホイッスラーなど、日本の浮世絵からの影響がスタイリッシュに表れている画家の作品も新たに知ることができました。

 
:::音楽:::

GUSTO Especia
Syro Aphex Twin
ART OFFICIAL AGE Prince
The Feast of the Broken Heart Hercules and Love Affair
Places Hiroya Tsukamoto
最近のぼくら アナログフィッシュ
(リンクはAmazon.co.jp)
 
Especia『GUSTO』

 
アイドルはほぼハロプロばかり追いかけてきましたが、Especiaは別格でした。春に出たこのアルバムは、角松敏生のプロダクションを思わせるような80年代のフュージョン&ディスコ風味と、アイドルポップスの要素が程良くブレンドされた、文句なしの傑作。あの時代の空気感にヴェイパーウェイヴ以降の感覚も加えて、現代のスタッフだけでよくここまで作り込んだものだと感心しました。MVがまたすごい。
>>Espesia official website
>>Especia「海辺のサティ(Vexation Edit)」VJ MIX MV
 

Aphex Twin『Syro』

 
エイフェックス・ツイン13年振りのアルバムリリースということで話題になりました。『Selected Ambient Works 85-92』を思い起させるピュアな音の集合体で、長く待ったリスナーへの素朴な信頼に支えられた音楽だという印象を持ちました。長く活動を封印していたアーティストが満を持して発表する、新しい作品たちに元気を貰った一年でした。
 

Prince『ART OFFICIAL AGE』

 
これも『Syro』と同様に、殿下が久々にメインストリームに還ってきた感じのするアルバムでした。このチープさ全開の音が最高で、『パレード』や『サイン・オブ・ザ・タイムス』の頃の知性的で隙のない完璧な世界よりもずっと好きかもしれません。
 

Hercules and Love Affair『The Feast of the Broken Heart』
 

年の前半、何度も繰り返し聴いていました。ファーストに比べると完全にハウス・ミュージックのテイストが前面に出ていて、彼らの来歴から察するに、初期のハウスやペット・ショップ・ボーイズの音楽が内包するような、セクシュアル・マイノリティーの哀しみと深い所で通じている音楽だと思いました。この種の音楽に関しては、RA(Resident Advisor)のサイトで公開されている「クラブカルチャーにおけるセクシュアリティのオルタナティブ歴史」という読み応えのある評論の日本語訳も参考になります。
>>クラブカルチャーにおけるセクシュアリティのオルタナティブ歴史|RA
>>HERCULES & LOVE AFFAIR『The Feast Of The Broken Heart』|Cookie Scene
 

Hiroya Tsukamoto『Places』

 
晩秋の頃、カフェシーモアグラスの織衣さんに教えてもらうまで、塚本浩哉というギタリストのことを全く知りませんでした。9月にリリースされた、アコースティック・ギターとパーカッションのデュオによるアルバム。静謐なデザインにも包まれた隅々まで心が落ち着く作品で、日常のBGMとして何度も聴いています。
>>Places|hiroyatsukamoto.com
 

アナログフィッシュ『最近のぼくら』

 
たまたま見ていたMUSIC ON TVで流れたMVで初めて知り、興味を持って実際にアルバムを買うまでに至ったというのが、ぼくとしては非常に珍しい出来事でした。バンド名は聞いたことがあったけど、もう10年くらい活動しているんですね。今作ではDorianが関わって、ぼく好みの音色に。妻に聞かせたら「スパノヴァに似ている」との感想が返ってきて納得しました。確かに、大好きだった初期スパノヴァに通じる世界。SoundcloudにSPANOVAの2003年頃からの音源があったので、下にリンクを貼ります。

 
音源ではありませんが、昨年11月から12月にかけて続けて観た、それぞれのグループ(アーティスト)にとって重要な意味を持つであろうライブから大きな刺激を受けました。観た順番に記しておきます。

中川ひろたか、カンレキ2周目ライブ!
(11月24日/鎌倉芸術館/還暦2周目記念)
>>中川ひろたか、カンレキ2周目ライブ!に行ってきた|パラグラフ
モーニング娘。’14 コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE~道重さゆみ卒業記念スペシャル~
(11月26日/横浜アリーナ…BSスカパー!生中継/卒業)
Mr.ユニット 3rdアルバム完成記念ライブ
(12月13日/安城・花のき村/活動再開〜初ワンマン)
THE BOOM MOOBMENT CLUB TOUR 2014~25 PEACETIME BOOM FINAL
(12月17日/日本武道館/解散)
>>THE BOOM/25 PEACETIME BOOM FINAL@日本武道館|パラグラフ
moonriders LIVE 2014 “Ciao Mr.Kashibuchi” An encore show
(12月18日/日本青年館/限定再結成)
 
 

:::メディア:::

::本::
まーちゃんくどぅーのハロプロ先輩探訪団 (竹書房)
濱田英明写真集「ハルとミナ」 (リブロアルテ)

::雑誌::
GINZA 204号 特集:ファッション雑誌を読みましょう(マガジンハウス)
anan 1891号 特集:秘かにアイドル研究(マガジンハウス)

::ネット関連::
INGRESS
Music Unlimited
市況かぶ全力2階建

::テレビ::
新春豪華どっきり祭り!3時間半SP/モーニング娘。’14 (フジテレビ)
2014年3月31日グランドフィナーレまでの笑っていいとも! (フジテレビ)
LIFE!~人生に捧げるコント~ (NHK)
ミュージック・ポートレイト 高田純次×大竹まこと (NHK Eテレ)
大人ドリルスペシャル「戦争と平和」 (NHK)
6人の村人!全員集合 (TBS)
モーニング娘。’14コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~ (BSスカパー!)

印象に残ったものをざっくりと並べてみました。
Music Unlimitedのおかげで、ここに記した以外にも沢山の音楽と出会えました。
テレビは、今だからこそもっともっと見たいな、という気持ちです。
それにひきかえ、雑誌、本……紙の媒体はますます厳しいですね。
>>もうすぐ絶滅するという、紙の雑誌について。について。|超音速備忘録
音楽が、アーティストとリスナーの間に、グラデーションのように様々なレベルの楽しみ方(Youtube、Music Unlimited、Soundcloud、iTunes、テレビ、ライブ、フェス、CD、ハイレゾ、アナログ etc.…)を用意してくれているのに比べ、かなりの差が付いてしまっていると思います。
 
 

:::おまけ=ハロプロ楽曲大賞’14:::
 
1位|ええか!? スマイレージ
2位|イジワルしないで 抱きしめてよ Juice=Juice
3位|ロマンスを語って Berryz工房
4位|地球は今日も愛を育む スマイレージ
5位|What is LOVE? モーニング娘。’14

次点|見返り美人 モーニング娘。’14 [譜久村聖・生田衣梨奈・鞘師里保・鈴木香音・飯窪春菜・石田亜佑美・佐藤優樹・工藤遥・小田さくら]
(リンクはすべてYouTube)
 
>>第13回ハロプロ楽曲大賞’14
 
2013年の総評で、上位2曲(2013年12月発売)について既にコメントしていました。11月までプライベートで観たライブが全部ハロプロ関連、とハロプロに深くのめり込んだ2014年でしたが、この2曲を大きく超える作品は最後まで出なかったな、という印象でした。道重さゆみの卒業とBerryz工房の活動停止、つんく♂の病気療養&プロデュースの一部禅譲、年末から新年にかけての新ユニット&新メンバーの大増員……今後のことは全く予想もつかないので、とりあえずハロー!で現在一推しの子(佐々木莉佳子/アンジュルム)の動画を最後に貼って終わります。

http://yxmxgxn.tumblr.com/post/120732333570/小関おかえり


 
>>>2013年最も印象に残った××××
>>>最も印象に残った××××/アーカイブ

2013年最も印象に残った××××

2013年最も印象に残った××××

spectator justjin nandacollection
 
:::アート:::

カイユボット展 (東京=ブリヂストン美術館)
アメリカン・ポップ・アート展 (乃木坂=国立新美術館)
アンドレアス・グルスキー展 (乃木坂=国立新美術館)

カイユボット展は、それまで全く触れたことのなかった印象派の世界を、写真(とその技法)と関連づけて観る、という新しい視点へのヒントをくれた重要な展覧会でした。これを書いている時点で、モネなどほかの画家へも興味が広がっています。スマイレージ和田彩花さんの連載「乙女の絵画案内」も現代以前の美術への扉を開いてくれる後押しとなりました。

国立新美術館も、本格的に行くようになったのは昨年からですが、とにかく展示スペースが広くて点数も多く、沢山の作品を堪能できる大好きな場所です。ここでグルスキーの日本初個展を観られたのは本当に幸せでした。この「大箱」志向は、今後もしばらく続くでしょう。

 
:::本:::

ミッドナイト・エクスプレス 沢木耕太郎 (文藝春秋)
プラスチックスの上昇と下降、そしてメロンの理力・中西俊夫自伝 (K&Bパブリッシャーズ)

『ミッドナイト・エクスプレス』は、「とある旅」への携行書でした。
『深夜特急』I~III+ノートが一冊になった、沢木耕太郎ノンフィクション集成の一冊。『深夜特急』自体通して読むのは、四度目か五度目くらい。
漢語的表現を巧みに用いつつ、高校生でも易しく読めるような平易かつ上品な文体を隠れ蓑にして、この本が伝えているのは「行き当たりばったりでもなんとかなる」「結果は風まかせ」のような反社会的生き方のススメであり、それが時代や世代を超えていまだに多くの人々の心を捉え続けている理由だと思います。そして、そうした生き方は自分の人生に100%欠けていたものだった、ということが、今回の「旅」での再発見でもありました。

中西俊夫自伝で、鈴木杏樹が女優として知られる前、Kakkoというシンガーとして、ストック・エイトキン・ウォーターマンのプロデュースでシングルをリリースしていたこと(デビュー前のロンドン留学時代に、中西と交流があった)を知ったのが、まあ別に知らなくてもいいようなちょっとした発見でした。

 
:::雑誌:::

スペクテイター(エディトリアル・アパートメント/幻冬舎)
BRUTUS(マガジンハウス)

雑誌って、まだ生き残っていたんだ。ちゃんとした編集者(赤田祐一氏)が加わるだけで雑誌ってこんなに生き生きと立体的に変わるものなんだな……と、なんだか白髪交じりの旧友と再会したような喜びが、スペクテイターの読後にはありました。編集の拠点を数年前、東京から長野市に移転しているところも、そのオルタナティヴな内容と相まって興味深く感じました。なんとなく、キンフォークよりもスペクテイターかなあ、と現時点では思います。

雑誌にじっくりと目を通す時間を得た一年の終わり近く、BRUTUSの素晴らしさに改めて触れて、思わず定期購読を申し込んだほどでした。

 
:::音楽:::

連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック1〜3 大友良英
Random Access Memories Daft Punk
#JUSTJIN 赤西仁
なんだこれくしょん きゃりーぱみゅぱみゅ
人間と動物 電気グルーヴ
lost decade tofubeats
DOTS Flare a.k.a. Ken Ishii
(リンクはAmazon.co.jp)
 
売れている/大衆から支持を得ている作品が素直に良いと感じられる一年でした。

『あまちゃんサウンドトラック』は仕事のBGMとしてよく聴いていました。単純に音楽として良質なだけでなく、聴くたびにアキやユイちゃんなど北三陸の人々の顔が浮かんで優しい気持ちになれました。
 

 
Daft Punk「Get Lucky」や天野春子「潮騒のメモリー」のような、自分が小学〜高校生の頃に街やラジオでかかっていたタイプの音楽が、街のレコード店で最新ヒットとして流れている状況が不思議でした。『Random Access Memories』は、Daft Punkにしては珍しくアルバムトータルで丁寧に作りこまれた傑作だったと思います。
 
 
2年ほど前だったか、毎週録画していた「ベストヒットUSA」で、渡米して本格的な音楽活動を始めたばかりの赤西仁が、司会の小林克也のインタビューに答えていました。その頃アメリカのチャートを占有していた、四つ打ち+ヴォーカル・エフェクトが特徴的なダンス・ミュージック、のちにEDMと呼ばれて広く知られるようになった音楽の手法を、正確にトレースしていたのに驚きました。『#JUSTJIN』は、彼が日本のファンに背を向けて渡米してまで伝えたかった音楽表現、その全てが詰まった集大成的なアルバムだと思うし、ぼくは高く評価しています。

きゃりーぱみゅぱみゅは、Perfumeとの作り分けが中田ヤスタカ自身の中で明確になったと思われる「ファッションモンスター」以降、ハズレ無しです。『なんだこれくしょん』は、5歳の娘といちばんよく聴いたアルバム。
 

 
ケン・イシイのFlare名義の久々の新作『DOTS』を、年末から関心を持ち始めたハイレゾ音源のサイトで知りました。めちゃくちゃ音が良くて、音像が立体的に迫ってきます。制作からマスタリングまで全て自分で手がけたことによる自由な空気が心地良く感じられました。
 

SoundCloudでよく聴いたDJ MIXは次の3つでした。

 
 
 
 

:::おまけ=ハロプロ楽曲大賞2013:::
 
1位|哀愁ロマンティック モーニング娘。[道重さゆみ・譜久村聖]
2位|ロマンスの途中 Juice=Juice
3位|愛の軍団 モーニング娘。
4位|ヤッタルチャン スマイレージ
5位|私の心 スマイレージ

次点|天まで登れ! ハロプロ研修生 feat. Juice=Juice
   サクラ時計 田﨑あさひ
(リンクはすべてYouTube)
 
>>第12回ハロプロ楽曲大賞2013
 
Juice=Juice「ロマンスの途中」は、モーニング娘。初期を思わせる見事なファンクチューン。2ndの「イジワルしないで抱きしめてよ」も、90年代のUKソウルっぽさ漂うハウス曲で、Juice=Juiceはいまのところ自分が普段聴いている音楽との落差が非常に少ないグループです。今後に期待。

 
スマイレージも、ロックンロールやオールディーズのテイストを取り入れた「ヤッタルチャン」、ガールズラップ(ソルトンペパ、スパイス・ガールズ、etc.)の「ええか!?」など、昨年も楽曲の良さが光っていました。先日のハロコンでも観客とのコールアンドレスポンスがいちばん盛り上がっていたし、つんく♂の低評価(?)とは裏腹に着実に力をつけている、ハロプロでは最も面白いグループ。

モーニング娘。のクオリティが上がってソリッドかつ若干固定化の傾向が出てきた分、こうした若い勢力にも注目しているところです。ハロプロの中に、ぼくが愛してきた音楽の全て、とは言わないまでも、かなりの要素が含まれていることは事実で、これからもしばらく追い続けていくつもりです。

 
 
>>>2012年最も印象に残った××××

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songreader afar VTM
 
:::アート:::

日本の70年代 1968-1982 (北浦和=埼玉県立近代美術館)
草間彌生「永遠の永遠の永遠」 (松本=松本市美術館)
トーマス・デマンド展 (清澄白河=東京都現代美術館)
スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS (乃木坂=ギャラリー間)
大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展 (永田町=ニューオータニ美術館)

ある時期まで、「写真病」と名付けたくなるほど、写真ばかり執拗に追いかけて観ていました。
一昨年の初めに起こったあの凄惨なリアルに、写真という、人の作為によるもう一つのリアルで
逆襲(上書き)したかったに違いないと、いま振り返ってみて思います。
後半に入って、その病いもようやく解けてきました。

日本の70年代 1968-1982は、図録やチラシのデザインも含めてあの時代の空気感を、表層的な部分だけでなく、演劇やマンガ、音楽、映像、写真、建築、前衛芸術などの深部まで潜りつつ、展示全体で再現していたのが印象に残りました。敗戦以来、アメリカ的な価値観に全力で抗いながら、最終的にはそれにどっぷりと浸かっていく様子が伺える、68年-82年という切り分けも見事でした。(1982年に埼玉県立近代美術館が開館。館のロゴは当時セゾン文化の中枢で活躍した田中一光氏による)
草間彌生「永遠の永遠の永遠」は、仕事や都会での生活に疲れてしまっていた真夏のひと時、避暑先の長野で偶然家族と一緒に見て、これからも生きていくための強い喝を与えられた展示でした。

 
:::本:::

ナマケモノのいる森で ソフィー・ストラディほか (アノニマ・スタジオ)
SONG READER Beck (McSweeney’s)
「日本の70年代 1968-1982」図録 (埼玉県立近代美術館)
〈アイデアインク〉シリーズ (朝日出版社)

昨年も、活字をほとんど読まなかった年でした。
本の作りとして面白いなと思ったのは、年末に手に入れたしかけ絵本『ナマケモノのいる森で』
楽譜オンリーでリリースされたベックの新作『SONG READER』
(後者は、McSweeney’s社の丁寧な仕事)
>>BECK HANSEN’S SONG READER(追記あり)|HAMBECK
>>Song Reader がやってきた|HAMBECK
「日本の70年代 1968-1982」図録は、デザインも含めとても見応えがありました。
あと、菅付雅信さんが手がけているアイデアインクのシリーズは、書籍というより、
限りなくインタビュー雑誌とかに近いものだと思いました。着想と人選、デザインが面白いです。

雑誌は、今回は選びませんでした。
言葉を選んで言えば、いまは長い過渡期なのかもしれませんね。
雑誌(新谷雅弘的な)から、雑誌的な、雑誌という名前ではない別のものへと飛び立とうとしている時期。それがはっきりと見えるようになるまで、もうしばらく待とうと思います。

 
:::音楽:::

Afar Ice Choir
CITY tengal6
CITY DIVE 一十三十一
7泊8日 VIDEOTAPEMUSIC
夜のアルバム 八代亜紀
Beautiful Friction The Fixx
(リンクはAmazon.co.jp)
 
Ice Choir『Afar』

 
 
ペット・ショップ・ボーイズ meets ティアーズ・フォー・フィアーズ、などいろんな呼び方が可能な、80年代のエレポップ/シンセポップの流れを完璧に汲んだ甘いサウンドにしびれました。
>>Ice Choir
 

tengal6『CITY』

 
lyrical schoolの改名前のファースト・フル・アルバム。
表面的な拙さを帳消しにするような切なさ/面白さと、バックトラックのクオリティの高さ。
(バックトラックだけのインスト・アルバムのリリースを切望)
tofubeatsの音源とちゃんと向き合ったのも、このアルバムがきっかけでした。
メンバー6人の中で2人、ビッケにもろに影響を受けたようなライミングの子がいて、面白いです。
 

一十三十一『CITY DIVE』

 
一昨年のDORIAN「summer rich」で回帰を果たした一十三十一の会心のアルバム。
本作とtengal6『CITY』、かせきさいだぁ『ミスターシティポップ』、cero『My Lost City』
……と、2012年はCITYの当たり年でした。
>>tofubeats – 水星(磯部 涼)|ele-king Powerd by DOMMUNE
 

VIDEOTAPEMUSIC『7泊8日』

 
PACIFIC 231やWORLD STANDARD、細野晴臣の影響を感じるエキゾチックミュージック、
……かと思いきや、純粋な宅録サンプリング/ヒップホップ好きの青年みたいです。
ビデオテープのジャンクの山から編み出されたサンプリング映像も秀逸。
 

八代亜紀『夜のアルバム』

小西康陽プロデュース。演歌の心を持ったジャズ、で、演歌もジャズも深く知らない自分には
とても新鮮な作品でした。夜なのに心が洗われるような希望の光を感じたアルバム。
>>FLY ME TO THE MOON〜八代亜紀|YouTube

 
The Fixx『Beautiful Friction』

インターネットラジオのPANDORAで耳にしたのがきっかけでCDを買った作品。
ウルトラヴォックス、ニック・カーショウ、と80年代エレポップ勢が相次いで最新作を出した昨年。
全盛期のテイストに限りなく近い(円熟味を増した)緊張感あるバンドサウンドにひかれました。
いまも当時のヒット曲を交えて精力的にライブ活動を行なっているそうです。
>>The Fixx – Beautiful Friction|YouTube
 

音楽を聴くことの喜びを広げてくれた、SoundCloudPANDORAと、DOMMUNEに感謝。 
 
 

:::おまけ=ハロプロ楽曲大賞2012:::
 
1位|笑って! YOU モーニング娘。[譜久村聖・生田衣梨奈・鞘師里保・鈴木香音・飯窪春菜・石田亜佑美・佐藤優樹・工藤遥]
2位|恋愛ハンター モーニング娘。
3位|アッパーカット! アップアップガールズ(仮)
4位|ズンタカマーチ ~人らしく生きよう~ ℃-ute
5位|ピョコピョコ ウルトラ モーニング娘。 (ここまで投票分)
次点|One Two Three モーニング娘。
   フォレストタイム ハーベスト
   カリーナノッテ コピンク
   ワクテカTake a Chance! モーニング娘。 →【Team 岡井】
(リンクはすべてYouTube)
 
>>第11回ハロプロ楽曲大賞2012
 
高橋、みっつぃーの卒業を指折り数え、「恋愛ハンター」(光井不在の、11人「黒バラ」)で完全復帰。
まさかここまで深くモー娘。〜ハロプロに再びハマるとは思ってもみませんでした……。

 
 
>>>2011年最も印象に残った××××