[2013/5/21追記]クラフトワーク来日公演についての記事を投稿しました。
>>クラフトワーク3-D東京公演を観てきた|パラグラフ
――東京・大阪公演のセットリストについて記事末尾に追記しました(2013/5/8〜18更新)
クラフトワークが『アウトバーン』から『ツール・ド・フランス』までの8枚のアルバムを、3D映像をバックに8日間に渡って再現する 3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8 。2012年のニューヨークMoMA、2013年に入ってからのデュッセルドルフK20、ロンドンTate Modernに続いて、ついに日本でも開催されることになりました。会場は、過去3公演とは違って美術館ではなく赤坂BLITZ、とのことで美術館好きとしては少々残念でしたが。参考までに、ネットで拾った各会場のキャパシティ(人)とチケット料金(+執筆時点の円換算)……MoMA=400/$25(¥2318)、K20=700?/€55(¥6798)、Tate=1000/£60(¥8610)、赤坂BLITZ=1400/¥9500。だんだん上がってます……。ちなみにMoMAではキャパが小さすぎたため、チケット購入の上限が全日程の中から一人2枚まで、という非情な枚数制限が設けられ、それに対して総統がお怒りになられた映像が作られたほどでした(→Hitler reacts to Kraftwerk MoMa ticket limit…笑)。
初来日の1981年と、2002年のElectragride以外、来日公演は欠かさず観てきたこともあり、今回も本当は全部観に行く!と力強く言いたいところですが、残念ながら予算的にも時間的にも難しいので、過去3回の美術館公演のセットリストを調べ、自分なりに見どころを検討してみました。
今回のツアーの構成から考えて、レパートリーやセットリストを開催国によって大きく変えることはないだろうと予測し、美術館LIVEの直近2公演のうち、(ロンドンはこれを書いている時点で進行中のため)デュッセルドルフK20のセットリストを参考にしました。なおタイトルは、ドイツ語ヴァージョンのものを英語に置き換えています。2月中旬時点での予想のため実際の演目とは異なること、事前のどんな情報よりも公演当日の体験の方がきっと価値が大きいであろうことをあらかじめお断りしておきます(今回は3Dだけに)。これ以降の推測は全て、下記のセットリストが東京公演の演目と同じ、もしくは近いという想定を元に進めます。
基本構成は「アルバム曲+定番の曲」
8日間とも基本的に冒頭が各日のアルバムからの曲で、後半が全作品からセレクトされたここ数年のLIVEでの定番の曲、という構成のようです(The Mixだけこの法則から外れます。後述)。後半「Autobahn」から始まって「Musique Non-Stop」で終わる曲順は毎日ほぼ同じで、前半のアルバムパートで演奏した曲がそこから省かれる、というパターンです。たぶん終盤の『Techno Pop』からの3曲は、昨年のNO NUKES 2012と同じくアンコールで、「Musique Non-Stop」で一人ずつ担当パートの音を止めてステージからはけていく様子が目に浮かびます。
アルバムの曲だけを演奏して終わり、ということはなく、どの日に行ってもクラフトワークの定番の曲は楽しめそうなので、無理して全公演を観に行く必要はないと思います。自分が好きな/思い入れのあるアルバムの日に行ければいいかな、というのがいまのところの見解です。
気になる公演、その他の見どころなど
定番のレパートリー以外のアルバム収録曲は、今回を逃すともう生で見る機会は二度となさそうで、となると 1:Autobahn、2:Radio-Activity の初期作の再現がどんな感じか気になります。定番曲とのカブりが少なく、曲数も多くてほとんどアルバムの曲順通りに演奏される 2:Radio-Activity と 8:Tour de France は、アルバムパートの時間が長くてお得だと思います。
上記以外で、後半で長く演奏される曲とのカブりが多い日は、よほどの思い入れと余裕がなければ外してもいいかな、と個人的には思ってます。特に 6:Techno Pop の日は、前半で「Boing〜」から「Music〜」の流れを先にやってしまうため、最後に例の一人ずつ退出して行く終わり方が見られず、このままだとやや物足りないのではという気がしました。
それと 7:The Mix は、クラフトワークのレパートリーのほとんどが既にThe Mix化していることもあり、アルバム曲との違いがあまり明確でなく、8公演の中では少し微妙かなと思いました。大阪の1日公演はもしかしたらThe Mixの日の内容を軸に行われるのでは、と密かに予想してます(美術館LIVE以外の3D単独公演も各国で行われているので、おそらくそちらのセットリストに近いのかも)。
曲単位でいえば、日本語詞で来日公演では必ず盛り上がる「Dentaku」も見逃せません。デュッセルドルフ公演の場合は、5:Computer World か 7:The Mix のいずれか。でもその他の日でも、過去の来日のようにダブルアンコールでやってくれそうな期待も。ちなみにNO NUKES 2012で披露された「Radioactivity」日本語ヴァージョン(フクシマ、放射能〜)は、今年のデュッセルドルフ、ロンドンでも演奏されています。昨年よりも多くの人々が、あの消え入りたくなるような「屈辱」を今度は3D映像付きで体験することになるでしょう。
結局行くことにしたのは……
結局いろいろ検討した結果、5:Computer World と 8:Tour de France の2日分を申込みました。もしも余裕があれば 2:Radio-Activity も行ってみたいところですが、さてどうでしょう。
5にした理由は、『Computer World』がクラフトワークで一番好きなアルバムだから(「Numbers」からの流れなど、全体にこれまでLIVEで演奏された機会が多いアルバムでもあります)。あとは「Dentaku」が確実に聞けそうなのと、デュッセルドルフの演目には「Neon Lights」が含まれていて、行けなかった1981年の中野サンプラザ公演(『The Man Machine』〜『Computer World』リリース後のツアー)を思わせる内容になりそうなこと。
8は、やはりアルバム曲を頭からフルで長く聞けることが一番の理由(『Computer World』と一、二を争う好きなアルバム)。ツール・ド・フランスだけに3D映像にも動きやスピード感がありそうだし、最終日だから何か特別なアンコールをやってくれるかも、という期待を込めて。
余談ですが、Tate Modern公演はLIVE中の写真撮影が自由で、クラフトワークのTwitterアカウントでも連日ハッシュタグを使った写真の投稿を呼びかけているようです。日本ではどうなんでしょうね。
(2013/5/10追記:東京3日目からラルフの意向で、携帯・スマートフォンでの撮影OKになりました)
>>ウドー音楽事務所:クラフトワーク公演詳細(リンク切れ)
(以下は、2013年1月のデュッセルドルフ公演のセットリストです)