MUTE BEAT ONE NIGHT LIVE

4月2日、リキッドルーム恵比寿でのMUTE BEAT復活公演に行ってきた。この日のチケットはかなりの高倍率だったらしい。受付初日の朝にOVERHEATのサイトでらくらく予約できたので、そんな感じはしなかったのだが……。とにかく超満員の観客を前に、ステージに最強の5人(左から朝本・小玉・豪太・増井・松永)+PA席のDub Master Xが立ち並び、おもむろに一夜限りのライブは始まった。内容については、ここでどれだけ言葉を尽くしても生で感じた衝撃を伝えることは難しく、申し訳ないがあの轟音と共に心の中にしまっておくことにする。でも一応参考まで……、▼当時の(特に初期の)代表曲はほとんど聴けた。▼音圧もあの頃のまま、いささかの衰えも無し。▼GOTAが歌った(ドラムを叩きながら1曲。美声)。▼こだまさんのミスで何度か演奏が中断し、やり直す場面があった。▼アンコールは3回。手が痛くなるほどに、何回も出てきてくれた。大満足。

この日はいつになく(たぶん)こだまさんのMCが饒舌で、きっと万感胸に詰まる想いに溢れていたのだろう。いろんな場所でのライブの遍歴、人の縁、そしてメンバー6人全員が今日までずっとそれぞれの場所で活動/サヴァイヴし続けてきた結果がこの一夜に繋がったのだということをひしひしと感じさせた。中でもひときわ印象に残ったのが《ミュート・ビートはノスタルジーではなく、常に新しく、いまもなお続いている》といった意味合いの言葉だった(正確な言い回しは失念)。リキッドルームで演奏するメンバーたちがまるで25年前からタイムスリップしてきたみたいに感じていたので、尚更リアリティがあった。たとえば同じような境遇でもYMOみたいなバンドはやっぱりどうしたってノスタルジーなのである(スケッチショウや高橋幸宏のバンドは別)。思春期の甘酸っぱい記憶の中で生き続けていてくれればそれでいい(ぼくがYMOの再結成を結局観ないのはそのためでもある。※注:本稿の執筆後、YMOがスケッチショウや当時の幸宏バンドの編成で活動再開を果たし、YMOもノスタルジーではなくなった)。ミュート・ビートがそういうバンドではないということを、このライブで強く確信した。というわけで、Come Again! ONE NIGHTと言わずまた近いうちにやってほしい。すぐに売り切れてしまったTシャツやキャップの再販もぜひ。
 
>>RETURN OF THE DREAD BEAT〜MUTE BEAT復活