
2012年最も印象に残った××××
:::アート:::
日本の70年代 1968-1982 (北浦和=埼玉県立近代美術館)
草間彌生「永遠の永遠の永遠」 (松本=松本市美術館)
トーマス・デマンド展 (清澄白河=東京都現代美術館)
スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS (乃木坂=ギャラリー間)
大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展 (永田町=ニューオータニ美術館)
ある時期まで、「写真病」と名付けたくなるほど、写真ばかり執拗に追いかけて観ていました。
一昨年の初めに起こったあの凄惨なリアルに、写真という、人の作為によるもう一つのリアルで
逆襲(上書き)したかったに違いないと、いま振り返ってみて思います。
後半に入って、その病いもようやく解けてきました。
日本の70年代 1968-1982は、図録やチラシのデザインも含めてあの時代の空気感を、表層的な部分だけでなく、演劇やマンガ、音楽、映像、写真、建築、前衛芸術などの深部まで潜りつつ、展示全体で再現していたのが印象に残りました。敗戦以来、アメリカ的な価値観に全力で抗いながら、最終的にはそれにどっぷりと浸かっていく様子が伺える、68年-82年という切り分けも見事でした。(1982年に埼玉県立近代美術館が開館。館のロゴは当時セゾン文化の中枢で活躍した田中一光氏による)
草間彌生「永遠の永遠の永遠」は、仕事や都会での生活に疲れてしまっていた真夏のひと時、避暑先の長野で偶然家族と一緒に見て、これからも生きていくための強い喝を与えられた展示でした。
:::本:::
ナマケモノのいる森で ソフィー・ストラディほか (アノニマ・スタジオ)
SONG READER Beck (McSweeney’s)
「日本の70年代 1968-1982」図録 (埼玉県立近代美術館)
〈アイデアインク〉シリーズ (朝日出版社)
昨年も、活字をほとんど読まなかった年でした。
本の作りとして面白いなと思ったのは、年末に手に入れたしかけ絵本『ナマケモノのいる森で』と
楽譜オンリーでリリースされたベックの新作『SONG READER』。
(後者は、McSweeney’s社の丁寧な仕事)
>>BECK HANSEN’S SONG READER(追記あり)|HAMBECK
>>Song Reader がやってきた|HAMBECK
「日本の70年代 1968-1982」図録は、デザインも含めとても見応えがありました。
あと、菅付雅信さんが手がけているアイデアインクのシリーズは、書籍というより、
限りなくインタビュー雑誌とかに近いものだと思いました。着想と人選、デザインが面白いです。
雑誌は、今回は選びませんでした。
言葉を選んで言えば、いまは長い過渡期なのかもしれませんね。
雑誌(新谷雅弘的な)から、雑誌的な、雑誌という名前ではない別のものへと飛び立とうとしている時期。それがはっきりと見えるようになるまで、もうしばらく待とうと思います。
:::音楽:::
Afar Ice Choir
CITY tengal6
CITY DIVE 一十三十一
7泊8日 VIDEOTAPEMUSIC
夜のアルバム 八代亜紀
Beautiful Friction The Fixx
(リンクはAmazon.co.jp)
Ice Choir『Afar』
ペット・ショップ・ボーイズ meets ティアーズ・フォー・フィアーズ、などいろんな呼び方が可能な、80年代のエレポップ/シンセポップの流れを完璧に汲んだ甘いサウンドにしびれました。
>>Ice Choir
tengal6『CITY』
現lyrical schoolの改名前のファースト・フル・アルバム。
表面的な拙さを帳消しにするような切なさ/面白さと、バックトラックのクオリティの高さ。
(バックトラックだけのインスト・アルバムのリリースを切望)
tofubeatsの音源とちゃんと向き合ったのも、このアルバムがきっかけでした。
メンバー6人の中で2人、ビッケにもろに影響を受けたようなライミングの子がいて、面白いです。
一十三十一『CITY DIVE』
一昨年のDORIAN「summer rich」で回帰を果たした一十三十一の会心のアルバム。
本作とtengal6『CITY』、かせきさいだぁ『ミスターシティポップ』、cero『My Lost City』
……と、2012年はCITYの当たり年でした。
>>tofubeats – 水星(磯部 涼)|ele-king Powerd by DOMMUNE
VIDEOTAPEMUSIC『7泊8日』
PACIFIC 231やWORLD STANDARD、細野晴臣の影響を感じるエキゾチックミュージック、
……かと思いきや、純粋な宅録サンプリング/ヒップホップ好きの青年みたいです。
ビデオテープのジャンクの山から編み出されたサンプリング映像も秀逸。
八代亜紀『夜のアルバム』
小西康陽プロデュース。演歌の心を持ったジャズ、で、演歌もジャズも深く知らない自分には
とても新鮮な作品でした。夜なのに心が洗われるような希望の光を感じたアルバム。
>>FLY ME TO THE MOON〜八代亜紀|YouTube
The Fixx『Beautiful Friction』
インターネットラジオのPANDORAで耳にしたのがきっかけでCDを買った作品。
ウルトラヴォックス、ニック・カーショウ、と80年代エレポップ勢が相次いで最新作を出した昨年。
全盛期のテイストに限りなく近い(円熟味を増した)緊張感あるバンドサウンドにひかれました。
いまも当時のヒット曲を交えて精力的にライブ活動を行なっているそうです。
>>The Fixx – Beautiful Friction|YouTube
音楽を聴くことの喜びを広げてくれた、SoundCloud、PANDORAと、DOMMUNEに感謝。
:::おまけ=ハロプロ楽曲大賞2012:::
1位|笑って! YOU モーニング娘。[譜久村聖・生田衣梨奈・鞘師里保・鈴木香音・飯窪春菜・石田亜佑美・佐藤優樹・工藤遥]
2位|恋愛ハンター モーニング娘。
3位|アッパーカット! アップアップガールズ(仮)
4位|ズンタカマーチ ~人らしく生きよう~ ℃-ute
5位|ピョコピョコ ウルトラ モーニング娘。 (ここまで投票分)
次点|One Two Three モーニング娘。
フォレストタイム ハーベスト
カリーナノッテ コピンク
ワクテカTake a Chance! モーニング娘。 →【Team 岡井】
(リンクはすべてYouTube)
>>第11回ハロプロ楽曲大賞2012
高橋、みっつぃーの卒業を指折り数え、「恋愛ハンター」(光井不在の、11人「黒バラ」)で完全復帰。
まさかここまで深くモー娘。〜ハロプロに再びハマるとは思ってもみませんでした……。