
上田三根子個展「FAVORITE」…ぼくの好きな“部分”
上田三根子さんの個展「FAVORITE」(9/2火─14日@タンバリンギャラリー/外苑前)に、初日のオープニングパーティーと最終日三日前の金曜日に行ってきた。
前回、同じタンバリンギャラリーで開かれた「IN THE ROOM ON THE ROAD」から約3年振り。会場では写真撮影+SNS公開OKだったので、大判の作品の中でぼくが特に印象に残った“部分”にクローズアップして撮らせていただいた……ということで、下記の画像は全て、作品の全体ではなく一部分である。
ぼくが一番好きだったのは、中央の柱にかけられた三根子先生の仕事場を描いた絵。壁に並べられた過去の展示案内。キレイキレイのイラストが表示されたデスクトップ画面は、近付いて見ると、MacのメニューバーやDockアイコンまで細かく再現されている。机の上のマーカーセットやペンスタンド、首にかけられたバンダナの模様など、大きな作品のほんの一部で見逃してしまうような部分まで、きちんと手を抜かずに描いている。
座っている女性の身体の手描きによる美しいライン。そのソファの布地の丁寧な表現。手に持った本の表紙には、mineko uedaと小〜さく書かれている。本に書かれた「I love dogs」は、作品やグッズの至る所に繰り返し登場する今回の展示の裏テーマ。犬が好き!……これに尽きる。
細部に至る細かい表現は、MacのAdobeソフトの導入によるところが大きいと思われる。前回の展示ではまだ使い始めたばかりのようで作品の中でやや突出していた印象があったけど、今回の作品はどれも上田さんの絵の元々のタッチにしっかり馴染んで溶け込んでいる。ぼくもイラストレーションではMacで細かく描く技法を長く続けていたので、上田さんが優しげな絵の中でさりげなくやっていることが、どんなに大変なのかよくわかる。ベテランだからと現状に甘んじて安定してしまうのではなく、誰も追いつけないくらい(犬達と一緒に)全力で先を走っていく上田三根子先生の後姿は、きっと後輩たちの大きな励みになるのではないかなあ、と。いや、よく考えたら自分も“後輩”の一人だったりして……おしりに火をつけて(Light my hips)、気持ちを新たに自分の表現を続けていきたいと思ったし、すごく元気が出た。
おまけ:上田三根子さんとご一緒した仕事
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