鈴木翼10周年記念コンサートに行ってきた

鈴木翼10周年記念コンサートに行ってきた

9月23日(月・祝)、有楽町朝日ホールで開かれた、あそびうた作家の鈴木翼10周年記念コンサート「こころがおどる」に行ってきた。この日のために、チラシや、Tシャツなどのグッズ、来場者に配布されるパンフレットのデザインをお手伝いした。10周年の記念Tシャツは大好評で、開場早々にたちまち売り切れてしまった。

鈴木翼(すずきつばさ)と言っても知らない人にとっては知らない名前だろう。NHKの「どーもくん」などの番組で自作のあそびうたを紹介したり、保育士さんや家族向けのライブで日本中を飛び回っている。30代までの子育て中のファミリーにはなじみ深いかもしれない。まだ保育士だった頃、絵本作家・シンガーソングライターの中川ひろたかさんに見出され、あそびうた作家が多数在籍するソングブックカフェの所属アーティストとなってから、あそびうたやオリジナルソング、絵本執筆など、活動の領域(=翼)を大きく広げてきた。今年がそんな彼のデビュー10周年にあたるというわけだ。

コンサートはバンドをバックに代表的なあそびうたと絵本・ミュージックパネルの実演などで構成された前半のソロパートと、これまで活動を共にしてきたアーティストとのコラボを中心とした後半に分かれ、トータルで2時間半以上に及んだ。優しさや誠実さの中に子どものようにピュアな精神も伺えて、笑いあり涙ありと人間味にあふれる内容で、翼くんの10年間の全てを出し切ったコンサートになっていたと思う。

入場時に配られたパンフレットに掲載されている、翼くんの自筆による「鈴木翼セルフライナーノーツ2008-2019」。事務所所属前にリリースされた1stミニアルバム『こころがおどる』(今回のコンサートのタイトルにもなった)から、2019年の最新作までの全52作品について、ひとつひとつに丁寧に心のこもったエピソードと関わった人々への謝辞が述べられている。これを読んだ誰もが、翼くんがこれほどまでに丁寧に作品づくりに取り組んできたことに驚くに違いない。実際ぼくもぎりぎりに届いた原稿を読ませてもらって非常に驚いた。翼くん(の作品)と、いつどのようにして出会ったか、ライナーノーツを読みながら記憶をプレイバックするのも楽しい。

自分でもおぼろげな記憶をたどっていくと、2012年頃、ケロポンズのポンちゃんに誘われて、安曇野の友人家族と一緒に、長野のどこかでソロライブを観たのが最初だったと思う。それまでも中川ひろたかさんの野球チームで出会っていたはずだったが、ソロアーティストとしてはっきりと認識したのはそれが初めて。あそびうただけでなく、育児に日々悩むお母さんや保育士さんに向けて作られた弾き語りのオリジナル曲に心が癒やされ、終演後「ライブすごく良かったね」と言葉を交わしたのだった。

その曲はこの日のコンサートの最後の方でも披露された。実は、翼くんの印象は7~8年前に初めて出会った時とほとんど変わっていない。初々しさと謙虚さをデビュー当時から大切に持ちづづけている。きっと10年後、20年後も翼くんはこのままずっと翼くんであり続けるだろう。


中央の翼くんが手に持っているのがパンフレット


会場スタッフに頼んで撮らせてもらった

>>ちょっとだけ体操 ~Hoick CDブック~|パラグラフ|下山ワタル

これから行くかもしれない展覧会[2019・9~]

これから行くかもしれない展覧会[2019・9~]

畦地梅太郎・わたしの山男
2019年7月6日[土]―9月23日[月・祝]
町田市立国際版画美術館(東京・町田)
半世紀経ったいま見ても新鮮。版画であることにもいまさらながら驚く。

絵本になった『ねすみのシーモア』原画展
2019年8月20日[火]―9月2日[月]
青山ブックセンター本店 ギャラリースペース(東京・表参道)
日本各地を巡回したねずみのシーモアが東京に帰ってきた。

「aupuni」網代幸介、山口洋佑
2019年8月23日[金]―9月4日[水]
新宿眼科画廊(東京・新宿)
アフリカの国とどこかの宗主国? 強く語りかけてくる絵。

有山達也展「音のかたち」
2019年8月27日[火]―10月5日[日]
クリエイションギャラリーG8(東京・新橋)
レコードを題材に考える音の「かたち」。有山さんの初個展。

ジョーダン・カーウィック「FATAL PURITY」
2019年8月30日[金]―9月21日[土]
MASAHIRO MAKI GALLERY(東京・明治神宮前)
花瓶の花を描いているだけなのに、目が離せなくなる。

荒井良二個展「きょうのぼくはどこまでだってはしれるよ」
2019年9月2日[月]―9月14日[土]
ピンポイントギャラリー(東京・表参道)
神宮前移転後初の展示。新作絵本をテーマに描き下ろしたオリジナル作品。

デッカチャン 芸術の秋展『HAPPY』
2019年9月3日[火]―9月16日[月・祝]
Cafe’ na.(カフェな。)(東京・原宿)
ニガミ17才のメンバー、トミタ栞など意外な顔ぶれ。カフェな。は原宿の大好きな場所。

しんよんひ 個展「雨の音」
2019年9月5日[木]―9月16日[月]
ウレシカ(東京・西荻窪)
多色なのにどことなく物哀しい、不思議な情感を湛えた絵。

柊有花個展「Blessing」
2019年9月6日[金]―9月11日[水]
HBギャラリー(東京・表参道)
人物や花、馬などのモチーフを優雅に描く。立体作品も。

濱田英明写真展「DISTANT DRUMS」
2019年9月7日[土]―9月29日[日]
BOOK AND SONS(東京・学芸大学)
同名の写真集の元になった旅先の写真。どこを切っても濱田さんの世界。

ホンマタカシ「Looking through – Le Corbusier windows」
2019年9月7日[土]―10月12日[土]
TARO NASU(東京・六本木)
何年か前に表参道のブティックで同じシリーズを観た記憶がある。

阪本トクロウ展 -Weave-
2019年9月12日[木]―9月27日[金]
新生堂(東京・表参道)
「墨流し」という技法に挑戦して描かれた新作。

チェコ・デザイン 100年の旅
2019年9月14日[土]―11月10日[日]
世田谷美術館(東京・用賀)
まとめて観られる機会は少ない、チェコの絵画から工芸品まで。

くのまり個展『gift』
2019年9月18日[水]―9月29日[日]
手紙舎 2nd STORY(東京・柴崎)
切り絵による人物と、風景の対比が見事。

エドワード・ゴーリーの優雅な秘密
2019年9月29日[日]―11月24日[日]
練馬区立美術館(東京・中村橋)
2016年から、世界と日本各地を巡回する展示が東京へ。八王子で逃したので観たい。

細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光1969–2019」
2019年10月4日[金]―11月4日[月・休]
六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー・スカイギャラリー(東京・六本木)
50年を5つのパートに分けて紹介。ネーミングがいい。東京の音楽。

植田真個展「僕のすきな本のためのレコード」
2019年10月5日[土]―10月18日[金]
シーモアグラス(東京・原宿)
本がレコードだったら、と架空の音楽を想像して作ったジャケット作品。

中林忠良銅版画展 ―腐蝕の旅路―
2019年10月18日[金]―11月20日[水]
O美術館(東京・大崎)
Corneliusの叔父。『Mellow Waves』シリーズに採用されたことで有名。待望の東京展。

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
2019年11月16日[土]―2020年2月16日[日]
東京都現代美術館(東京・清澄白河)
来年で25周年。100年つづけたい、との思いから付けられたタイトルの展示。

[メモ]

ケロポンミュージアム@シーモアグラス、終了しました。「編集後記」的な文章を追加しました。
>>ケロポンミュージアム@シーモアグラス|パラグラフ|下山ワタル

グラフィックデザインを始めて約20年間の仕事をまとめました。ダウンロード可。
>>下山ワタル DESIGN ARCHIVE|パラグラフ|下山ワタル

最近突然聴くようになったK-POPから好きな曲・気になる曲をプレイリストにまとめました。
>>K-POP PLAYLIST 2019 SUMMER|パラグラフ|下山ワタル

何度でも読んでほしい、アンジュルムックと、ハロプロを好きになった理由。
>>これから行くかもしれない展覧会[2019・7~]|パラグラフ|下山ワタル

この夏に関わった仕事について、後日お知らせします。
おかげさまで途切れない程度に新しい仕事も戴けています。

昨年の8月に新しい自宅兼仕事場に転居して、早いもので一年が経ちました。
写真は、今年の6月に種を植えて、3か月で大きく育ったひまわり。
日照のせいか、葉が茶色くなり随分虫に食われてしまったけど、なんとか花が付いた。
まるで、この一年間のセルフドキュメンタリー、もしくは自画像のよう。

>>これから行くかもしれない展覧会[2019・8~]

K-POP PLAYLIST 2019 SUMMER

K-POP PLAYLIST 2019 SUMMER

4月中旬から突然聴き始めたK-POPから、特に自分の好みに近い曲を集めたSpotifyプレイリストを作りました。


 

K-POPを突然聴くようになった理由

もともとK-POPは自分から能動的に聴いてみようと思って聴き始めたわけではありませんでした。わが家では娘と妻がTWICEが好きでハマっていたけど、音源を横で聴いてもその時はよくわからなかった。ボーイズグループもガールズグループも最初は単なるアイドルの延長としか感じられなかったのでした。

きっかけとなったのは、日本にこのまま閉じ籠もり続けるのはヤバい…「グローバル」な文化をもっと意識しなくては、と考えさせられる出来事があって……それからSpotifyの各国版のチャートを毎日仕事中に聴くようになりました。アルゼンチン、オーストラリア、メキシコ、ペルー、アイスランド、etc……行ったことのない国々でどんな音楽が流行っているか、興味があった。

結果からいうと、極端に言語体系が違う中国語圏やトルコ、アイスランド以外は、どの国も大体同じ曲がヒットしていたんですが(リル・ナズ・X、マルーマ、ビリー・アイリッシュ、etc…)、そんな中でちょっと気になるEDMの曲がベスト50で3~4曲、南米や東欧の国々でランクインしていて、調べたらそれがK-POPだった。しかも日本みたいにローカライズされたヴァージョンではなく、韓国語と英語のミックスの歌詞のまま現地で受け入れられている。

ハロプロ好きの自分の耳にもすぐわかるほど、非常に凝ったアレンジの曲がK-POPにも多いことがわかってきました。グローバルチャートを追うだけでは飽き足らず、アーティスト単位で聴いたり、YouTubeで毎週投票によりK-POPの最新チャートのMVを15秒ずつ流していくカウントダウンTVみたいなプログラム(K-POP SONGS CHART)を見たりして、最新のK-POPに関する情報も少しずつ増えていきました。

K-POPが面白いのは、たとえばEDMなんかはアメリカではポップミュージックの様式としてはほぼ廃れてしまい、ストレートな形ではもう誰もやらなくなっています。K-POPは、そういうほんの少し前の音楽に90年代のR&Bなどの要素を混ぜつつ、最新のスタジオテクノロジーを使って新しいイメージの楽曲に仕上げている。まさにハロプロがそういうコンセプトなのですが、それを精巧かつ高次元に、予算もしっかりかけた上で世界に仕掛け、実際にビジネスとしても成功させている。音楽のジャンルやコミュニティとしてまず目が離せないし、さらにそれぞれのグループがどうとか推しがどうこうなどと言い始めたら、もう無限にキリがなくなる。いまはちょうど沼の淵に立って全体を眺めているところです。

ここからは、プレイリストの中から何組か特にいいと思ったアーティストを紹介します。
 

SEVENTEEN

前半はボーイズグループと男性のヒップホップ系、中盤がシティポップ寄りのメロウな楽曲で、後半はガールズグループ(ハロプロっぽいディスコ~ファンク~ブギー系の曲多め)。大体男女半々になるようにしました。ボーイズグループはまだリサーチが足りないけど、いまのところSEVENTEENに注目しています。80年代のR&Bを現代のヒップホップやEDMとミックスしたようなトラックが好みだし(「Home」とか)、歌もダンスも超人的に上手い。

 

YUKIKA

YUKIKA(寺本來可)は、YouTubeのK-POP SONGS CHARTで知った日本人女性シンガー(日本では長く声優として活動していた)。Night Tempoや「Plastic Love」以降のムーブメントを完全に意識したシティポップ。K-POPといってもEDMばかりではなく、今回中盤に入れたような、おしゃれなジャンルの曲もけっこう多いです。そんな中でも彼女のインパクトは突出しています。MVもサカナクションの女性版みたいな感じ。これは本格的に知られたら相当すごいことになるよ。

 

ITZY

ITZY(イッジ)は、JYPエンターテインメントに所属するTWICEの妹分として、今年の2月にデビューしたばかり。ぼくがK-POPにハマるきっかけとなったグループ。ダンスや歌のスキルは別として、歌詞の世界観はTWICEと180°違っています。K-POPのガールズグループの歌詞の多くはラブソングで、愛する男の存在が前提となっている。曰く、あなたに似合う女の子になる。激しい印象の歌でも、あなたを力ずくで手に入れてみせる、とか。

でも、イッジの歌詞はこれとは真逆で、私は私。外見ばかりで魅力のない他の子とは違う。他人にどう思われようと気にしない。女の子たち、前を向いて。私たちがついてるから。……徹底的に女性が主体で、女性がただ女性であることを称揚しエールを送っている。ある意味、大きく変わりつつある現代のジェンダー観に沿った、力強いメッセージを伝えているわけです。

わかる人はすぐにわかると思いますが、これはハロプロのグループ、たとえばアンジュルムの歌詞だったり、元リーダーの和田彩花が投げかけるメッセージの考え方に非常に近いです。あとハロヲタ的にいうと、リーダーのイェジはダンスメンで、切れ長の目も含めて鞘師里保っぽい。最年少のユナは鈴木愛理に似ている。

 

Red Velvet

Red Velvetは、以前ブログでアンジュルムのメンバーが勧めていたガールズグループ。シングルとかは普通にポップだけど、アルバムでは他とは一線を画すような、作り込まれた曲が多い。今回選んだ「ルック」も、リズムが80年代に一世を風靡したドラムマシンOberheim DMXの音源だったりして、音楽好きの心をくすぐります。

Red Velvetや、BLACKPINKEVERGLOW、あとITZYやTWICEは、グローバルチャートで名前を見かけることの多かったK-POPのガールズグループ。ボーイズだと、BTS、その弟分であるTXT、TWICEと同じJYP所属のStray Kids(オーディション番組の名前がそのままグループ名)とか。……また面白い楽曲を見つけたら追加してみたいと思います。

これから行くかもしれない展覧会[2019・8~]

これから行くかもしれない展覧会[2019・8~]

ケロポンミュージアム@シーモアグラス
2019年8月5日[月]―8月18日[日]
シーモアグラス(東京・原宿)
21名の絵本画家がケロポンズの楽曲をテーマに描く作品展。原画の販売も。

[メモ]

8月のギャラリー巡りを1か月お休みすることにしました。
梅雨も明けて本格的な夏が到来し、部屋から外に出るだけでも厳しい状況の中、今月ばかりはギャラリー巡りは危険だと判断しました。
(こんな季節にしがらみだけの理由でオリンピック開催を強行する国もあるそうですが…)
フェスや行楽に行かれる方、適宜水分を摂り、熱中症にはくれぐれも気をつけましょう 🙂

今月は、自分がデザイン&企画に関わった展示を1つだけご紹介させてください。
(8月の展示に関しては、先月の更新もご覧ください。)

保育園からフジロックまで大活躍中の2人組、ケロポンズ。その活動20周年を記念して、8月4日(日)に浅草公会堂で開かれる「ツイてる!ツイてる!エビカニフェス」と同時開催の展示企画「ケロポンミュージアム」より、21名の絵本画家・イラストレーターがケロポンズの楽曲をテーマに描いた作品の展示が、原宿のシーモアグラスに巡回します。題して「ケロポンミュージアム@シーモアグラス」。ケロポンズに縁のある画家さんたちの錚々たる顔ぶれに、只々驚くばかりです。

8月9日(金)にはケロポンズによるトーク&ミニライブも開かれます。この日はぼく(下山)もトークゲストとして出演し、今回の展示やデザイン、ケロポンズの20年の歩みについてお話したいと思います。

展示を観に行くとかではなく、涼みに来る感じで立ち寄っていただけたらうれしいです。アイスクリームのセットもあるし、逆に温かいチャイなんかも体に優しいと思います。

>>ケロポンミュージアム@シーモアグラス|パラグラフ|下山ワタル
>>ツイてる!ツイてる!エビカニフェス|パラグラフ|下山ワタル

>>これから行くかもしれない展覧会[2019・7~]

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