これから行くかもしれない展覧会[2022・4/5~]

これから行くかもしれない展覧会[2022・4/5~]

グラフィックデザイナーの目線で主に東京近郊の「行くかもしれない」、気になる作家の個展や企画展を毎回ピックアップしています。今回は、2022年4〜5月に開催予定の展示をまとめました。会場により、事前予約や休業日などの決まり事が設けられている場合があるのでご注意ください。なお、表示されている最寄駅は、筆者の自宅からのアクセスのしやすさに基づいて選ばれています。記事末尾の[メモ]は、あまり日記を残さない筆者の月々の日常の記録や備忘録、エッセイです。今月は、「終わらない」ということについて。

 
福原優太個展「ガーデン」
2022年4月1日[金]―5月8日[日]
下北沢アーツ(東京・下北沢)
下北沢に初の現代美術ギャラリー開設。東京多摩や下北沢の緑を描く画家の展示。

ミロコマチコ展「うみまとう」
2022年4月5日[火]―5月23日[月]
クリエイションギャラリーG8(東京・新橋)
横須賀美術館までは行けなかったけど、こちらはなんとか。

新納翔写真展「PETALOPOLIS」
2022年4月9日[土]―4月26日[火]
BOOK AND SON(東京・学芸大学)
写真による都市の解釈が面白い。『async』やTDRに通じる感覚も。

ヨシタケシンスケ展かもしれない
2022年4月9日[土]―7月3日[日]
世田谷文学館(東京・芦花公園)
佐藤雅彦以降の図解感覚が面白いと思う。初の大規模個展。

オサムグッズ45周年展
2022年4月12日[火]―5月22日[日]
パレットクラブ(東京・築地)
原田治さんの絵はデザインだということが改めて伝わる展示。昔の雑誌記事も。

Life in Art フィリップ・ワイズベッカー「HANDMADE ハンドメイド」展
2022年4月22日[金]―6月26日[日]
ATELIER MUJI GINZA(東京・銀座)
5月から全国のMUJI BOOKSで販売される作品集『ホモ・ファーベル』からの展示。

コジコジ万博
2022年4月23日[土]―7月10日[日]
PLAY! MUSEUM(東京・立川)
PLAY!MUSEUM、あれだけ話題なのにまだ行ったことがなかった。

チャンジンウェン「記憶容器」
2022年4月26日[火]―5月1日[日]
Spiral Garden(スパイラル)(東京・表参道)
台湾出身の作家。家族や親しい人から遠ざけられた孤独感・疎外感を表現。

Chim↑Pom from Smappa!Group 個展「Chim↑Pom from Smappa!Group」
2022年4月27日[水]―6月4日[土]
ANOMALY(東京・天王洲アイル)
改名のお知らせ後、初の個展。スーパーラット、《性欲電気変換装置エロキテル》の新作など。

ゴールデンカムイ展
2022年4月28日[木]―6月26日[日]
Gallery AaMo(東京・水道橋)
物語完結のこのタイミングで。イラストのほか、作中に登場した民具なども展示。

写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
2022年4月29日[金・祝]―7月10日[日]
アーティゾン美術館(東京・東京)
近代絵画に共通する造形思考を持つ二人の写真家の展示。これは観たい。

Chim↑Pom from Smappa!Group「いつのことだか思いだしてごらん」
2022年4月30日[土]―5月29日[日]
無人島プロダクション(東京・菊川)
未完の作品、未見の作品、制作素材などを集めた回顧展。

ミロコマチコ個展「波めくり」
2022年5月13日[金]―5月18日[水]
HB Gallery(東京・表参道)
HBでは観たことなかった気がするミロコさんの展示。
 

[メモ]

最近、「終わらない」ということについてよく考えます。

今年で3年目に突入したコロナ禍は、ひとつのウイルスが廃れても新たな変異株が出現し、このまま終わらずに続いていくのではないか。緊急事態宣言やまん延防止措置が終わっても、完全にコロナが明けたといえるタイミングは来ない。子どもたちはこのまま学校や日常でマスクを装着し続ける。自分も含む多くの貧しい人々は外出の意欲を失い、消費意欲は下がり、収入も以前の状況までには戻らず、このままコロナの世界にずっと取り残されてしまうのではないだろうか、とか。「失われた20年(改め30年)」もこのまま無期限に延長され、政権の長期化により悪事は常に見逃され続け、ウクライナとロシアの戦争もいつまでも終わらない。……悪いことばかり考えてしまいます。

「コロナが落ち着いたら(なくなったら)ゆっくり会おうね」──2年前くらいまで、電話やメールでしかやりとりできない人との別れの挨拶の常套句でした。でも、いまになって思うのです。コロナが落ち着く(なくなる)ことなんて、当分、いや、下手するとぼくが生きている間、もうずっと来ないのではないか、とも。

悲しんでいるばかりではなく、もうこの「終わらない」世界に自分なりの何かを見つけて生きていくしかないな、と。そう思いながら、毎日新しいことに向かって少しずつコマを進めています。それはそうと、BTSのニューアルバムといい、小沢健二の2年越しの大型コンサートといい、今年の6月は面白そうなイベントが集中していますよね〜……。
 

久しぶりにこのサイトのトップページの構成を少しだけ見直して、これまでの仕事にアクセスしやすくしました(ずっと止まったままだったスライダーも復活)。最近の仕事もWorksに追加しました。
 

>>これから行くかもしれない展覧会[2022・2/3~]

下山ワタル DESIGN ARCHIVE/for Kids

下山ワタル DESIGN ARCHIVE/for Kids

近年までの代表的な仕事をジャンル別にセレクトしたポートフォリオを用意しました。
音楽プロダクションでのデザイナー時代から約20年の仕事の変遷をまとめた[総合版]と、フリーランスとして独立以降の絵本や子ども向けの仕事を中心にまとめた[for Kids]の2種類があります。
下記からPDFで直接ダウンロードいただけます。

下山ワタル DESIGN ARCHIVE/総合
https://paragraph.jp/pdf/ws-design-archive-v3-1.pdf
DESIGN ARCHIVE for Kids/絵本・児童書
https://paragraph.jp/pdf/ws-design-for-kids-ver2.pdf

[for SMARTPHONE]
総合版と同じ構成で、章扉テキストとWorksへのリンクをまとめました。
スマートフォンの方はこちらをご覧ください。
>>下山ワタル DESIGN ARCHIVE[TXT]

 

コメント

ライター/編集見習いとして音楽プロダクションに入社し、
ふと気が付くとグラフィックデザイナーになっていました。
 

世の中に、初志を貫いてひとつの道を極める人と、
ふらふらとさまよいながら最初に思っていたのと違う道に進む人、
2種類いるとしたら自分は明らかに後者でした。
 
【続きを読む】

下山ワタル DESIGN ARCHIVE [TXT]

下山ワタル DESIGN ARCHIVE [TXT]

PDFでご覧いただけるポートフォリオ(仕事ファイル)下山ワタル DESIGN ARCHIVE(総合版)の各章扉テキストを、スマートフォンでも読めるようにまとめたページです。PDFと同じ構成・順序で、該当するWorksへのリンクも並べています(各リンクは別ページで開きます)。

DESIGN ARCHIVEは、下記リンクから直接ダウンロードいただけます。
総合/PDF
https://paragraph.jp/pdf/ws-design-archive-v3-1.pdf
絵本・児童書の仕事/PDF
https://paragraph.jp/pdf/ws-design-for-kids-ver2.pdf

詳しくはこちらの記事をご覧ください。
https://paragraph.jp/2021/09/wataru-shimoyama-design-archive/

下山ワタル DESIGN ARCHIVE

PROFILE
https://paragraph.jp/profile/

 

1|音楽・出版の仕事

音楽プロダクション入社後、駆け出しの編集者として素材を届けに行ったデザイン事務所で、DTPソフトが動作する沢山のディスプレイが並ぶのを見たのが、Macとの出会いでした。一年後には自費で購入し、当時編集していたファンクラブ会報のDTP化を手始めに、社内で発生するプロモ資料やフライヤーの仕事を片っ端からデザインしていきました。ちょうど世の中が写植からDTPにシフトチェンジする時期とも重なっており、古くから活動してきたデザイナーとほぼ同じスタートラインから始めることができたのも幸運でした。

印刷物や冊子(コンサートパンフレット)、CD/DVDパッケージ、広告、ロゴなど、あらゆる種類の仕事が次々と飛び込んでくるような環境で、時に失敗に目をつぶってもらいながら、独力でデザインや印刷の基本を学びました。第一線で活躍するミュージシャンたちの自由な発想に触れられたのが何よりも大きく、また、編集とデザインの境界線も未分化(=自由)な職場で、デザインをしながら編集・撮影・企画などコンテンツも同時に考えるような経験ができたことも、いまの自分にとっての礎になっています。
 

矢野顕子/上田三根子 わたしはラーラ(1999)、はたらくラーラ(2000)
https://paragraph.jp/portfolio-item/my-name-is-lara/
https://paragraph.jp/portfolio-item/working-girl-lara/

矢野顕子 Akiko Yano Songbook(2001)
https://paragraph.jp/portfolio-item/akiko-yano-songbook/

V.A. Non Vintage|林立夫セレクション(2005)
https://paragraph.jp/portfolio-item/non-vintage/

藤本ともひこ・中川ひろたか 作品集 ぼくのうた きみのうた5 「いちについて」(2010)
https://paragraph.jp/portfolio-item/ichi-ni-tsuite/

V.A. Sing More Songs もっとうたってよちゃん(2016)
https://paragraph.jp/portfolio-item/sing-more-songs/

こくぼみゆき・作 しもだいらあきのり・絵 下山ワタル・デザイン
よめる よめる もじの えほん(2015)

https://paragraph.jp/portfolio-item/yomeru-yomeru-moji-no-ehon/

中川ひろたか・作 斉藤美春・写真 ぼくの手 わたしの手(2013)
https://paragraph.jp/portfolio-item/bokunote-watashinote/

はまのゆか・作/絵 九九をとなえる王子さま(2013)
https://paragraph.jp/portfolio-item/kuku/

中川ひろたか みんなともだちカロム(2011)
https://paragraph.jp/portfolio-item/mintomo-carrom/

月刊保育とカリキュラム(2010〜17)
https://paragraph.jp/portfolio-item/hoiku-to-curriculum/

藤本ともひこ&中川ひろたか 劇あそびミュージカル(2010)
https://paragraph.jp/portfolio-item/geki-asobi/

Hoick CDブック ちょっとだけ体操/じゃんけんジョイ!/ワクワクあふれだす(2017〜19)
https://paragraph.jp/portfolio-item/jan-ken-joy/

マンガでわかる かんたん!たのしい理科実験・工作(2017)
https://paragraph.jp/portfolio-item/rika-jikken/

ケロポンズ ツイてる! ツイてる! エビカニフェス/ケロポンミュージアム(2019)
https://paragraph.jp/portfolio-item/ebikani-fes/
https://paragraph.jp/portfolio-item/keropon-museum-at-seemoreglass/

佐藤 剛 ウェルカム!ビートルズ(2018)
https://paragraph.jp/portfolio-item/welcome-beatles/

黒沢健一『V.S.G.P』(2010)
https://paragraph.jp/portfolio-item/vsgp/

ねずみのシーモア(2019)
https://paragraph.jp/portfolio-item/seemore/

 

2|ロゴデザインの仕事

フリーランスになって約2年後の2008年、引きこもりの若者を支援するNPOのロゴや印刷物のデザインを依頼されました。ブランディングという言葉もまだ知らず、直接的にはそのような目的の仕事ではなかったものの、ひとつの組織とそこに集まるメンバーと向き合い取材を重ね、彼らの求める方向を探っていく作業から多くを学びました。デザインを通して世の中に貢献するというモチーフについても初めて意識しました。

ブランディングにまつわる本格的な仕事は、次項で紹介する生活クラブのプロジェクトが最初ですが、それ以前にも企業やプロジェクトの顔となるロゴデザインの仕事に数多く関わってきました。クライアントの理念や目指すものを読み取り、シンプルな形に集約する、ロゴデザインの仕事は自分にとって大きな楽しみのひとつです。

https://paragraph.jp/portfolio-category/logotype-ci/
 

協同ネット(2008)
https://paragraph.jp/portfolio-item/kyodo-net/

10,000 SAMBA!(2008)
https://paragraph.jp/portfolio-item/10000-samba/
 

3|生活クラブ/ブランディングの仕事

2014年春から、生活クラブ生協のブランディングプロジェクトチームにアートディレクターとして参加しました。子育て中の若い世代をイメージして、長い歴史の中で親しまれてきたロゴやマーク、パッケージを刷新し、カタログ、注文システム、ウェブサイトなどのサービスを使いやすく改善する仕事に、助走・準備期間も含めて約5年間取り組んできました。

プロジェクトの大きな核となったのは、2015年から使われている新ロゴタイプのデザイン。同じ時期に定められた書体やブランドカラーのルールに沿って、新ロゴタイプのテイストに準じた制作物が世の中に広がっていきました。注文カタログは親しみやすくフレッシュな印象になり、消費材(商品)のパッケージはそれまでのリングを強調した力強い外観から、シンプルで優美なイメージへと変貌しました。

古いものを捨てて無闇に新しくするのではなく、生活クラブが過去に積み重ねてきたものを否定せず、ベテランの組合員にも、これから新しく入ってくる人たちにも、新しいデザインの心地よさや楽しさ、使いやすさを同じように感じてもらえたら、というのが一連の仕事を通して心がけてきたことです。“Good design is as little design as possible” という、自身のデザインに対する考え方が生かされています。

https://paragraph.jp/portfolio-item/seikatsu-club-works/
 

4|イラストレーション

デザインを始めてから約2年後の1998年、Adobe Illustrator上でマウスを使った挿絵のようなものを描き始めたのが、自分にとってのイラストの誕生でした。デザインと同様に絵を描く習慣もなかった自分にとって、それは手と違って何度もやり直せるIllustratorだからこそ可能だった、デザインの「拡張」でした。

デザインと比べて多くの時間がかかることからクライアントワークとしての展開は一度断念しましたが、ライフワークとして、これからも細く長く続けていきたいと思っています。

https://www.cinnamon.buzz
https://www.instagram.com/cinnamon_tokyo/

今夜(だけ)は(追憶の)ブギー・バック(・マンションと上京当時のこと、小沢健二の話)

今夜(だけ)は(追憶の)ブギー・バック(・マンションと上京当時のこと、小沢健二の話)

公開終了の予定でしたが、まだ祭りが続いているようなので復活しました(期限未定)。
 

小沢健二のアルバム『LIFE』がリリースされた頃にぼくが住んでいたアパートが、ブギーバックマンション(オザケンとスチャダラパーのメンバーが生活していたマンション)から徒歩20分ほどの近隣にあったことを最近になって知った。週刊文春で小山田圭吾にインタビューしたルポライターが住んでいるのがブギーバックマンションの元小沢健二の部屋だった、というくだりを記事で読んで、グーグルマップで場所を調べたら、そのことがわかった。小山田圭吾の一件がなければずっと知ることはなかっただろうし、それに、今頃になって知っても……という気持ちも正直ある。
 


 

『LIFE』が発売された前年、1994年の1月に静岡から上京した。最初に住んだのは横浜の、庶民的な商店街のある町だった(世田谷区に転居したのは翌年1月)。トラック運送の仕事をしていた友人が手伝ってくれて、まだ建設中のみなとみらいや眩い高層ビル群を横切り、新しい部屋に到着したのが夜の7時頃。真っ先にしたのはテレビの接続。アンテナがまだ開通してなく、ノイズしか映らないブラウン管の奥からかすかに聞こえてきたのは、地元の局ではネットされていなかった『ウゴウゴルーガ』のテーマソング「東京は夜の七時」だった。
 

友人が勤務していた音楽事務所の編集セクションに入社してしばらくの間は、泊まり込みでFC会報やコンサートパンフレットの編集と執筆に明け暮れていた。ブラックといえばブラックな会社ではあったが、当時(も現在も)売れている音楽業界の周辺はどこもそんな感じだったと思う。CDを出せばミリオン〜ダブルミリオンという神話が、このあと5年くらいは残っていた。
 

編集セクションのあった小さなオフィスのラジカセからは、ずっとJ-WAVEが流れていた。上京したばかりの自分にとって、流れてくる音楽の全てが「東京」だった。
 

オフィスに寝泊まりしながら四六時中J-WAVEを聞いていると、ここから生まれるヒット曲があるということがだんだんとわかるようになった。ある曲のオンエア回数が急激に増えて一日の放送で何度も何度も流れるとか。ふと気付くとまんまと術中にハマって、いつのまにか口ずさんでいたりする。そんなヘビロテ曲のひとつに、小沢健二とスチャダラパーの「今夜はブギー・バック」があったと思う。東京で初めてたくさん聴いた曲が「ブギー・バック」だった。
 

>>小沢健二/珍盤への道を歩む、『今夜はブギー・バック』| 読む、小沢健二と小山田圭吾(コーネリアス)──当時のJ-WAVE出演時の書き起こし

 
フリッパーズ・ギターの解散後、小沢健二の活動は全く追いかけていなかった。『犬キャラ』もリアルタイムでは聞かずじまい。「天気読み」の8cmシングルの写真を見て、「オザケンがフォークに転向した」という友人の言葉を真に受けてしまった。実際、フリッパーズ解散以降の小沢健二の心境としては、当たらずともいえど遠からずだったのではないか。

 
しかし「今夜はブギー・バック」はそんな(勝手に思い込んでいた)小沢健二の世界の外側から、突然ビッグ・シューターのように放り込まれた。KNOCK KNOCK!! WHO IS IT? ……というか、第一印象ではこれはスチャダラが作った曲だと完全に思い込んでいた。それまで日の目を見ることのなかった日本語ラップが、初めてメジャーでの輝かしい成功を収めた記念碑的な曲でもあった。このすぐ後の夏には、J-WAVEでEAST END×YURIの「DA.YO.NE」のヘビロテが続くようになり、やがて日本語ラップ初のミリオンヒットに結びついた。

 
いま改めて「ブギー・バック」の歌詞を眺めると、70〜80年代のディスコ/クラブへの追憶と憧憬を描いたレトロスペクティブな内容にも見えるが、この曲がヒットした当時、90年代の東京では、重いドアを開けるとクラブカルチャーがいつでもすぐそこにあった。だからあのリリックは本当にリアルタイムの現在を描いているのだと、ぼくには感じられた。時代と狂騒が言葉と完全にリンクしていた。実際、家と方角は違うけど会社の帰りに同僚たちと新宿に寄って、一杯飲むような感覚で、CATALYSTというクラブに踊りに行ったりもした。CATALYST、MIX、LIQUIDROOM[新宿]、CAVE、MANIAC LOVE etc…。とりわけ好きだったテクノも、ジ・オーブ、オービタル、ジェフ・ミルズ、プロディジーなど、様々な来日ライブやDJを、連日クラブで体験することができた。

 
1994年の夏には、先行シングル(愛し愛されて生きるのさ/東京恋愛専科)に続いて『LIFE』がリリース。翌年の春までの大ブレイク(ラブリー〜強気強愛〜ドアノック…)を待たず、当時会社の女子の大部分がオザケンにハマっていく姿を見て、それでもまだ素直に評価できずにいた。

 
小沢健二の音楽を本当の意味で完全に理解できたと悟ったのは、その同僚たちに混ざって初めて行ったVILLAGEツアーの武道館公演(たぶん1995年5月)だった。長いこと食わず嫌いなままだった『犬キャラ』の楽曲も、『LIFE』のディスコクラシックアレンジの中で演奏されて、初めて一連の流れとして自然に受け入れることができた。小沢健二はステージから客席に向かって執拗にハンドクラップを求め続けていた。みんなの手拍子というプリミティブでベーシックなパーカッションが、武道館全体を包み込むような大きなグルーヴを生み出していた。そこに加わるストリングスとコーラスと強いバンドサウンドのハーモニー。そのうねりと高揚感の中にいつまでもいたいと思った。

 
ブギー・バックの話からだいぶ横道にそれてしまった(しかもVILLAGEツアーでは「ブギー・バック」やってないし…)。最初の話に戻ると、当時はまだ土地勘もなく、徒歩や自転車で長距離を移動する習慣もなかったので(グーグルマップもインターネットもまだ存在してない時代)、目黒区のすぐ隣が世田谷区、みたいな感覚もよくわかっていなかった。もし当時そのことを知っていたら、徒歩で一度くらいは偵察に行ってたかもしれない。ブギーバックマンション。
 

>>小沢健二が『So kakkoii 宇宙』で結ぶ、君と僕との「約束」

かしこい脳が育つ!おんどく伝記1〜3年生

かしこい脳が育つ!おんどく伝記1〜3年生

脳科学者の加藤俊徳さんが監修する、小学生のためのおんどく本シリーズ「かしこい脳が育つ!」(世界文化社)のカバーデザインを担当することになりました。第一弾となる『1話5分 おんどく伝記』1年生〜3年生が発売されました。

かしこい脳が育つ!シリーズ
1話5分 おんどく伝記1年生  文・北川チハル
1話5分 おんどく伝記2年生  文・廉屋友美乃
1話5分 おんどく伝記3年生  文・藤波 潤
監修/加藤俊徳(脳科学者)
世界文化社
2022年3月2日発売
定価:各1100円(税込)
 

 
脳科学者の加藤さんが提唱する「脳活性おんどく法」に基づき、声に出して短いお話を読みながら脳を活性化し、読書習慣もつけちゃおう、というシリーズです。本を手にとって読むという、当たり前のことの少し前にあるような、こどものための読書の入門書です。

このカバーデザインに決まるまでは苦労がありましたが、とにかくカラフルな色が目に飛び込んできて、毎日の読書が楽しくなるようなカバーと帯を目指しました。昔の家庭薬のパッケージのような「効く感じ」もほんの少しだけ出してます。
 

 
今回は、シリーズアイコンとして使われる、読書好きのしろくま「ちえくま」のキャラクターイラストも担当しました。イラストレーション的な画を発注に応じて描くのは、(ケロポンズの動画背景を別にすれば)およそ12年ぶりのことです。イラストというよりもデザイン(ロゴ制作)に限りなく近いストイックな作業でしたけど、とても満足しています。

>>かしこい脳が育つ!おんどく伝記|Works

>>「かしこい脳が育つ!」おんどく伝記シリーズ|PR TIMES