2020年最も印象に残った××××

2020年最も印象に残った××××

:::アート:::
 
Chim↑Pom「May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」 (東品川=ANOMALY)
おさなごころを、きみに (清澄白河=東京都現代美術館)
藤原さくらZine展「Pilot」 (原宿=国立新美術館)

「生で体験すること」が命を賭けるほどのイベントになってしまった2020年に観たものから。

マンチェスターで100年前に起こったコレラ禍を題材にした(着想はコロナ以前)Chim↑Pomのインスタレーションは、コロナ禍で最も辛くめげていた時期に観て、歴史は何度も繰り返すこと、辛い出来事が起こった時は歴史を参照すればよいことを教えてくれた。年の後半は個展の計画や作品集の制作準備と重なり、ほかの人の展示を観ている場合ではなくなったけど、ZINEやグッズの参考にいくつかの展示を回った中で印象に残ったのが、藤原さくらのZineでした。
 
2020年に観た展示の全記録です。>> twilog#gbiyori
 
 

:::音楽:::
 

*アーティスト名/タイトルのリンクはSpotify

 
香取慎吾『20200101』
 

 
2020年は、このアルバムに作り手が込めようとした期待とは180°違う年になってしまったかもしれない。でも、だからといって、この作品の価値が目減りした、とか、お祭り騒ぎのから騒ぎで終わってしまったということは全然なくて、むしろこんな苦しい時代だからこそ人々の心に響く作品になっていた。

それはやはり、慎吾くんがSMAP解散以前から感じてきた窮屈さと、それを乗り越えてきたからこそ響く言葉の数々が、コラボで関わったアーティストたちの言葉を通して、楽しげなアルバムの影にそっと込められているからだと思います。
 

それでも僕なら Be okay
何が起きてても Be okay
心配いらない Be okay
Let me see your gloom ye

──OKAY(feat. SALU)

悲しい何かを見るより
楽しい何かを Looking for Looking for

──Trap

通りに出れば強い向かい風
踵を返せばハイ追い風

──ビジネスはパーフェクト(feat. スチャダラパー)

どんな苦悩も全部耐えながら
どんな未来が待っているかな?
自分主義見せる生き様
そうさ今から楽になるから
NEXT FOR THE FUTURE WORLD

──FUTURE WORLD(feat. BiSH)

 
コラボの人選も含め、先進的で自由。同時期にリリースされた木村拓哉のソロが、SMAPの跡地に残されたファンを包むようなイメージ通りのポップロックだったのに対し、こちらはSMAPのチャレンジングな側面の集大成になっていた。SMAPがその後もずっと活動を続けていたら、こういう風になっていたかもしれないと感じさせてくれるようなアルバム。

 
YUKIKA『SOUL LADY』
 

2019年からK-POPを聴いてきた中で最大の収穫がYUKIKA(ユキカ/寺本來可)。日本から単身韓国に渡って、現地のミュージシャンとともにオリジナルで制作した80年代風のシティポップを歌い、世界的なミームとなる。昨年末に事務所を移籍したのにともない、シティポップのプロジェクトも終了とのことで、どうなるのか今後に注目。

>>世界注目のYUKIKA 韓国・ソウルで日本生まれのシティーポップを歌うわけ|& M

 
963『tick tock』
 

「カノン」進行、「丸の内」進行などポップスで特徴的なコード進行がある中で、ぼくの耳に心地よいのは「水星」進行、「YES-NO」進行と「Computer Love」進行(適当)。これらがエレクトロニックな要素の中にふんだんに取り入れられていた。ラップを前面に出さなくして正解。

 
ITZY『Not Shy』
 

K-POPを聴き始めた去年から好きだったTWICEの妹分。今作はミニアルバム全編通してのクオリティの高さを感じた。ITZYのアメリカン・ロックけっこう好き。

 
ニガミ17才『ニガミ17才o』
 

バンド形態なのに既にバンドではないサウンドへ。MELON(元プラスチックスの)を想い出す。ここからどこに向かっていくのか。

 
藤井風『HELP EVER HURT NEVER』
 

去年の年明けに「何なんw」「もうええわ」を聴いて、ヤバいぞと。中村一義のデビュー年に出生、中村一義と同じ22歳でデビュー。アルバムは名曲渋滞状態だけど、もし中村一義『金字塔』のような構成力が働いていたら、もっと揺るぎない大名盤になってたと思う。

 
iri『Sparkle』
 

日本の女性R&Bでいま現在最も注目しているシンガー。声質もアレンジも。

 
瑛人「香水」
 

「香水」のシングルに収録の3曲が良かった。なんでもない日常を描くラブソングを今後も作り続けてほしい。ちなみに「香水」の良さを教えてくれたのは、しんごちんと清野桃々姫。

 
Ado『レディメイド』
 

最近歌い手系の曲に詳しい娘(小6)から教えてもらった。大ヒットした「うっせえわ」もピアノアレンジで改めて良さを感じた。チャート構造が変わって、良曲がちゃんと上位に上がってくるようになった。

 
2020年リリース以外でよく聴いた作品:

Tommy Guerrero『Living Dirt』(2010)
中森明菜『不思議』(1986)
official髭男dism『Traveler』(2019)
Edwin Birdsong『Edwin Birdsong』(1979)

 
::LIVE::

official髭男dism ONLINE LIVE 2020 – Arena Travelers –
Ayaka Wada Virtual Live 2020

 
 
:::メディア:::
 

 
::本::

生きる はたらく つくる 皆川明(つるとはな)
追憶の泰安洋行 長谷川博一(ミュージック・マガジン)
苦しい時は電話して 坂口恭平(講談社現代新書)
方丈記 鴨長明 蜂飼耳・訳 (光文社古典新訳文庫)
 
::映画・ドラマ::

のぼる小寺さん
浅田家
梨泰院クラス
 (Netflix)

イラストレーター時代に描いた作品集と、初めての個展のタイトルを「ぼくは ぼく」にしたんだけど、そのタイトルに込めた意図(自分は自分。自分自身が責任を持って決断すること etc…)とシンクロするような表現が多かったのに驚いた。とくに「梨泰院クラス」はその最たるものでした。

 
 
:::ハロプロ楽曲大賞’20:::
 

 
1位|ビタミンME BEYOOOOONDS
2位|ミラー・ミラー アンジュルム
3位|ホットラテ Hot latte 和田彩花
4位|初めてのハッピーバースディ!(2015 カントリー・ガールズ Ver.) カントリー・ガールズ
5位|ポップミュージック Juice=Juice
 
次点|なし
(リンクはすべてYouTube)
  

推しメン部門|小関舞

元気そうで良かった! 現メンでは松本わかなちゃん(アンジュルム)。モーニングの赤い人が自分の中で遠くに行ってしまい、代わりに元・赤い人が帰ってきた。「COVERS」公演は2回観たけどすごく良かった。「お家でびよんず学校」が不安な頃の心の支えでした。
 
>>第19回ハロプロ楽曲大賞’20
 

>>>2019年最も印象に残った××××

2019年最も印象に残った××××

2019年最も印象に残った××××

:::アート:::
 
絵本に見るアートの100年―ダダからニュー・ペインティングまで (上野=国際子ども図書館)
韓国で見つけた、アートブックとZINEの世界 (目白=ブックギャラリーポポタム)
話しているのは誰? 現代美術に潜む文学 (乃木坂=国立新美術館)
塩田千春展「魂がふるえる」 (六本木=森美術館)
石川直樹「この星の光の地図を写す」(初台=東京オペラシティアートギャラリー)
大日本タイポ組合展「文ッ字」(町田=町田市民文学館ことばらんど)
ジャン・ジュリアン個展「レコニル」(渋谷=NANZUKA)

絵本とアートを見事につないだ国際子ども図書館の展示と、本場・韓国のアートブックフェアに匹敵するようなポポタムのイベントが印象に残りました。仕事などの目的に囚われず、ふらっと立ち寄った展示が良かったりとか、東京のアート環境の良さを再認識しました。

2019年に観た展示の全記録です。>> twilog#gbiyori

 
:::音楽:::


 
834.194 サカナクション
So kakkoii 宇宙 小沢健二
mint exorcist FINAL SPANK HAPPY
bless You! オリジナル・ラヴ
波形 bird
FRKWYS Vol.15: serenitatem Visible Croaks, Yoshio Ojima & Satsuki Shibano
Ivy To Roses (Mixtape) Mabel
IT’z Different ITZY
(リンクはSpotify)
 
音楽のほとんどをSpotifyで聴くようになって、アルバム、シングルといったこれまでのくくりが後退し、「Spotifyを聴く=音楽を聴く」感覚に近くなりました。プレイリストを作って自分でも発信するという新しい音楽の楽しみ方が増えるとともに、新作と旧作の境がますます曖昧になっていくのを感じます。

Spotifyのグローバルチャートで知った、2019年の世界のヒットを象徴するキーワードは、「レゲトン」「ビリー・アイリッシュ」「Lilと名の付くアーティスト」「K-POP」「ジョナス・ブラザーズ」etc…といったところです。特にレゲトンは世界中で猛威を振るっていました。J・パルヴィン、マルーマ、ファルッコ、ダディー・ヤンキー、Dalex、バッド・バニー、ニッキー・ジャムといった面々の名前をチャート上で見ない日はなかったし、ぼくの仕事と生活のリズムも一時期レゲトンに完全に支配されていました。

小沢健二のように十数年振りのニューアルバムと共に元気な姿を見せてくれるアーティストがいた一方で、Spotifyも含めて市場から一切の音源が消えてしまった人気アーティスト、有名どころが次々と配信音源を開放していく中で一種の我慢比べみたいになっているCD派などなど、サブスクリプションという窓を通して見えてくる状況に注目しつつ、人生史上最高に音楽を楽しんでいます。

 
サカナクション『834.194』

初夏はほとんどこのアルバムだけをエンドレスで聴いていました。4つ打ちの単調なポップスを量産するグループという先入観をずっと持っていたけど、実は現在に通じる生音を取り入れた路線変更が2014年頃から始まっていて、その集大成がこの作品でした。2枚組のアルバムとしての流れ・構成も見事。

 
小沢健二『So kakkoii 宇宙』

全編通して非常にファンキーで、ヴォーカリストとしても大きな成長を感じた作品。小沢健二の作品や発言から、様々なヒントや行動のきっかけをもらいました。
>>小沢健二が『So kakkoii 宇宙』で結ぶ、君と僕との「約束」|utsuwa|note
 
 
FINAL SPANK HAPPY『mint exorcist』

ピチカート・ファイヴが活動を休止した2001年「これで東京は終わった」と思った。それは実際にその通りになったけど(東京は地方と同じような均質化した街になった)、ピチカートのスタイルやハイプ性はSPANK HAPPYの活動に受け継がれていると思います。
 
 
オリジナル・ラヴ『bless You!』

小沢健二と同様、オリジナル・ラヴもこのアルバムで1990年代と現在を地続きにした。渡辺香津美とのコラボが良かったです。
 
 
bird『波形』

もし自分がいまミュージシャンだったら冨田ラボにプロデュースしてほしいと思うかもしれない。昔のジャム&ルイスみたいに、最新の機材と結びついた音像・音色にこだわり抜くプロデューサー。
 
 
Visible Croaks, Yoshio Ojima & Satsuki Shibano『FRKWYS Vol.15: serenitatem』

ヴィジブル・クロークスが日本の環境音楽のレジェンドと共演したアンビエント作品。グラミー賞にノミネートされたコンピ『環境音楽』にも通じる世界。
 
 
Mabel『Ivy To Roses (Mixtape)』

グローバルチャートで耳を引いた女性ヴォーカリスト、メイベル。母がネナ・チェリー、父がマッシヴ・アタックのプロデューサー、キャメロン・マクヴェイ(モーガン&マクヴェイとして90年代に活動し、「バッファロー・スタンス」でネナと共演)ということで、ブリストル・サウンドのチルドレン。少々レゲトン風味。
 
 
ITZY『IT’z Different』

K-POPに関心を持ったきっかけのシングル。歌詞がいまのジェンダー観を反映している。字幕をオンにして見てほしい。
 

::プレイリスト::

K-POP PLAYLIST 2019 SUMMER
春から夏にかけて聴いて衝撃を受けたK-POPから、ハロプロ好き目線でセレクト。
>>K-POP PLAYLIST 2019 SUMMER|パラグラフ

The Discovery of K-City Pop; K-POP PLAYLIST 2019 WINTER
K-POPのシティポップ寄りの曲からレコメンドだけを頼りにセレクト。実は2019年のベストソングの大部分がこのプレイリストの中に入っています。

筒美京平SONGBOOK[増補改訂版]
小沢健二の新作や発言をとっかかりに、筒美京平の作曲した曲を新旧の順に並べたプレイリスト。2019年のぼくの(仕事も含めた)ベストワーク。
>>筒美京平SONGBOOK[増補改訂版]|パラグラフ
(以上自作)

David Mancuso at The Loft
デヴィッド・マンキューソがThe Loftでかけた曲。24時間超えのロングプレイリスト。
Chiied 80s
80年代ニューウェイヴのインストゥルメンタルからチルアウト視点で選曲。
Peaceful Meditation
仕事のBGMに欠かせなかったチルアウト系プレイリスト。
電気グルーヴ
新作で帰ってきてほしい。
 
>>utsuwa|Spotify
 
 

:::メディア:::
 

 
::本::

82年生まれ、キム・ジヨン チョ・ナムジュ(筑摩書房)
アンジュルムック アンジュルム(集英社)
ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック 松永良平(晶文社|note)
作字百景 ニュー日本もじデザイン(グラフィック社)
うるさく、しずかに、ひそひそと/目で見て かんじて ロマナ・ロマニーシン、アンドリー・レシヴ/著 広松由希子/訳(河出書房新社)
ダースレイダー自伝 NO拘束 ダースレイダー(ライスプレス)
つけびの村 高橋ユキ(晶文社)
ねじまき鳥クロニクル 村上春樹(新潮社) *再読
 
::TV::

M-1 グランプリ 2019(テレビ朝日)
ITZY「MMA 2019 PERFORMANCE」(Paravi)
 
::映画::

アナと雪の女王2
 
::LIVE::

モーニング娘。’19「KOKORO&KARADA」@ハーモニーホール座間(9/21)
小沢健二「飛ばせ湾岸 2 nights、guitar bass drums で So kakkoii 宇宙へ ドロップ前夜、豊洲」@豊洲PIT(11/12)
 
 
テレビや映画をあまり見なかった代わりに、本を読みました。平成から令和へ。様々な表現から時代の変化の予兆が感じられました。その中で変わらないことってなんだろう。その答えを探し求めて「ねじまき鳥クロニクル」を何年ぶりかのサイクルで再読。
 
 

:::ハロプロ楽曲大賞’19:::
 

 

1位|いとしいとしと Say My Heart アンジュルム
2位|「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの? Juice=Juice
3位|全然起き上がれないSUNDAY アンジュルム
4位|高輪ゲートウェイ駅ができる頃には CHICA#TETSU(BEYOOOOONDS)
5位|青春Night モーニング娘。’19
*実際の投票から4位を変更しました。
 
次点|
もう一歩 アンジュルム
都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて BEYOOOOONDS
アツイ! BEYOOOOONDS
Go Waist BEYOOOOONDS
元年バンジージャンプ BEYOOOOONDS
恋愛奉行 BEYOOOOONDS
(リンクはすべてYouTube)
 
 
MV部門
1位|アツイ! BEYOOOOONDS

 

推しメン部門|加賀楓(モーニング娘。’19)


 

>>雨近対談2:春の公開実力診断テスト、楽曲大賞とハロプロ ’19 
──近日公開

 
>>第18回ハロプロ楽曲大賞’19
 

>>>2018年最も印象に残った××××

2018年最も印象に残った××××

2018年最も印象に残った××××

:::アート:::
 
生誕110年 東山魁夷展 (乃木坂=国立新美術館)
柚木沙弥郎の染色 もようと色彩 (駒場東大前=日本民藝館)
会田誠展「GROUND NO PLAN」 (表参道=青山クリスタルビル)
奈良美智「Drawings : 1988-2018 Last 30 years」 (広尾=カイカイキキギャラリー)

アートを観ることにあまり喜びを見いだせなかった一年でした。作品を目の前にした時の驚きや喜びをアウトプットとして世の中に還元したいという還元のサイクルが、今年は様々なきっかけにより弱まってしまった。濃霧のように身辺を包むこの閉塞感をなんとか打破したいと願う一方で、そんな閉塞した気分をぶっ放して新たな見方を与えてくれるのも、ほかならぬアートの力なんだろうと思います。ここに挙げた4つの展示からは有無を言わさぬ強いパワーを感じました。

2018年に観た展示の全記録です。>> twilog#gbiyori

 
:::音楽:::


 
ニガミ17才b ニガミ17才
スーパーヒーローズ のん
ロックブッダ 国府達矢
THE CITY サニーデイ・サービス
DREAM WALK パソコン音楽クラブ
Con Todo El Mundo Khruangbin
U.S.A. DA PUMP
This Is America Childish Gambino
AIの逃避行 feat.Charisma.com KIRINJI
crescendo PINK CRES.
(リンクはSpotify)
 
社会的な意味での生き辛さや息苦しさも含めて、2018年は1988年によく似ていたと思います。いろんな意味で過渡期。ここからかつてのハウスやテクノ、インディーダンスに匹敵するようなシンプルで美しい、次の時代の音楽が生まれるのか。あとから振り返って、あれは予兆だったと思えるのか。答えはまだわかりません。

ニガミ17才『ニガミ17才b』

ロックバンドのフォーマットに、ファンキーなベース、トーキング・ヘッズやズボンズっぽいキーボードなど、自分にとっての好きな要素が詰まっている。変拍子、テクノっぽいフレージング、ラップ、アイドルの要素(平沢あくび)も含め、全部入り。80年代の終わり頃、ニューウェイヴ~ポストパンクがボディービート~EBMへと過剰化し、やがて90年代初頭にかけてハウス・ミュージック~テクノとして洗練されていく過程があって、その頃の混沌とした音楽状況を思い出します。
>>ニガミ17才 『ニガミ17才b』 地下の変態、地上へ降り立つ|Mikiki

 
のん『スーパーヒーローズ』

失礼ながら聴く前は、絶対に自分にハマるとは思ってなかった。単なるパンクロックにとどまらないポップスとしての豊かさは、参加ミュージシャンたちの力の賜物。中学生の時に聴いたら一生の名盤に挙げただろうと思います。
>>のん、ファースト・アルバム『スーパーヒーローズ』を語る。スペシャルな音楽人と彼女が音楽で表現したかったことは?|エンタメステーション
 
 
国府達矢『ロックブッダ』

中村一義や七尾旅人ほかが脚光を浴びた90年代末の宅録ムーブメントの中でデビューし、この年、空白の15年から突然の帰還。いまの時代の音としてきちんと成立しつつも、まるで歴史の古層から響いてくるような祈りと癒やしと解放のムードが心地良かった。
>>国府達矢の苦闘の歴史。空白の15年を埋めるべく七尾旅人と語る|CINRA.NET
 
 
サニーデイ・サービス『THE CITY』

振り返れば、このアルバムが表す混沌こそが2018年だったなと。ラップという表現がもはやドラムスやベースなどのパートのように、音楽の中で当たり前のポジションを占めているのも興味深かったです。
 
 
パソコン音楽クラブ『DREAM WALK』

80年代後半から90年代の音楽モジュール~パソコンを使って制作する関西のユニット。ユーモアとアイデアが、明確なコンセプトに集約されている。
>>パソコン音楽クラブのHPへようこそ!
 
 
Khruangbin『Con Todo El Mundo』

泣きのあるギター、うねるベース、タイトなドラム。たった3人によって生み出されるグルーヴ。聴いてると仕事をするのが嫌になってしまう。Pitchforkのライブ映像を見れば伝わるかと。2019年に来日。
 
 
DA PUMP「U.S.A.」

ハロヲタの間での小さな騒ぎがやがて大きな渦となり、その渦の始まりに自分も居合わせることができました。うちの娘(10歳)は、親の影響から、5月末(池袋リリイベの前)の時点で既に「U.S.A.」もいいねDanceも知っていて(でも黙ってた)、クラスの男子たちがようやく夏休み明けになって「♪カーモンベイビー~」と踊り始めたのを見て「遅れてる」と思ったらしい。
 
 
Childish Gambino「This Is America」

自分の中ではDA PUMP「U.S.A.」と対になっている。人種や移民の問題、銃問題などが生んだ鬼っ子のような曲とMV。この年を語るにあたって忘れてはいけないと思い、残しておきます。
 
 
KIRINJI「AIの逃避行 feat.Charisma.com」

東京TDC賞に絶対エントリーしそうなMVも含めよく作り込まれており、何度繰り返し再生したか思い出せないくらい。曲は昔、大貫妙子「夏に恋する女たち」を初めて聴いた時の印象に似ている。
 
 
PINK CRES.『crescendo』

2017年の作品だけど聴き逃してしまい、今年に入ってよく聴いたアルバム。ハロプロ~アップフロントのグループとしては珍しく、素で女の子に受ける要素を持っていて、事実うちの娘や妻のほうがハマっていた。サウンド的にも、K-POPに比肩するクオリティのEDM~ポップス。「Summer Wonderland」の7+1拍子とか斬新でキャッチー。
 

次点としては、Cornelius『Ripple Waves』、Taylor Deupree『Fallen』、riton&kah-lo『Foreign Ororo』、星野 源「アイデア」(アルバム未聴)。高橋ユキヒロ『Saravah Saravah!』を聴いてその関連で好きになった加藤和彦『ガーディニア』(1978)。Spotifyとの出会いによりリスニング環境が変化し、プレイリストで、作品の制作年や、構成単位としてのアルバムといった概念が大きく揺らいだ。プレイリストでは「Peaceful Meditation」を心を落ち着けるための薬として何度も聴いた。多くの音楽評論家がベストに選ぶであろう、三浦大知『球体』、折坂悠太『平成』、中村佳穂『AINOU』あたりにはどうしても惹かれず、現時点ではパス。三浦大知自身の楽曲表現にはもう一段深い底があるような気がして(コラボレーターとして引っ張りだこだったのは承知の上で)、これからに期待しています。
 
 

:::メディア:::
 

 
::雑誌::

縄文ZINE(ニルソンデザイン事務所)
 
::TV::

まんぷく(NHK)
コンフィデンスマン JP(フジテレビ)
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(テレビ朝日)
チコちゃんに叱られる!(NHK)
 
::映画::

青の帰り道
クソ野郎と美しき世界
勝手にふるえてろ
ボヘミアン・ラプソディ
シング・ストリート 未来へのうた(2016)
メッセージ(2017)
 
::LIVE::

ビヨンセ@コーチェラ・フェスティバル2018(4/14・Youtube)
小沢健二「春の空気に虹をかけ」@日本武道館(5/2-3)
DA PUMP「U.S.A.」リリース記念イベント@池袋サンシャインシティ噴水広場(6/6)
 
 
例年より映画やテレビを多く見た年でした。テレビでは朝ドラの「まんぷく」。これまでのドラマ(作劇)は、戦争や震災などを人の力の及ばぬ大きな災厄として捉え、人間が善なる心を発揮し一致団結して悲劇的状況に立ち向かうのが定型的パターンでした。ゴジラなどの怪獣モノも時代劇も同じ。しかし「まんぷく」では、(戦争を起源としながらも)敵や災厄は自分とかけ離れた外側ではなく、人間同士の関係性に内在している。巨大に見える悪も、善意や自己防衛などあり得る動機によって動かされている。映画「青の帰り道」も、人と人のちょっとしたボタンの掛け違いから始まる悲劇を丁寧に描いた作品でした。
 
 

:::ハロプロ楽曲大賞’18:::
 

 

1位|きっと私は こぶしファクトリー
2位|43度 ハロプロ研修生
3位|素直に甘えて Juice=Juice
4位|表面張力 ~Surface Tension~ つばきファクトリー
5位|傘をさす先輩 カントリー・ガールズ
 
次点|
Are you Happy? モーニング娘。’18
A gonna モーニング娘。’18
もう 我慢できないわ ~Love ice cream~ モーニング娘。’17
Sweet Girl’s Night PINK CRES.
ハロー! ヒストリー ハロプロ・オールスターズ
Loneliness Tokyo 道重さゆみ
禁断少女 Juice=Juice
私のなんにもわかっちゃない モーニング娘。’17
待てないアフターファイブ カントリー・ガールズ
不器用な自分 PINK CRES.
(リンクはすべてYouTube)
 
 
MV部門
1位|きっと私は こぶしファクトリー
 

推しメン部門|小関舞(カントリー・ガールズ)

 
今年は、楽曲大賞の話題を含むハロプロ周辺の一年の講評を別記事にまとめました。ちょっと角が立つような内容もこんなふうに語ればライトになるんだ、と目からウロコでした。個人の感想なので気に触ったりしたら「ごめんなさいね」。
 
>>雨近対談:楽曲大賞とハロプロ’18
 
>>第16回ハロプロ楽曲大賞’17
 

>>>2017年最も印象に残った××××

2017年最も印象に残った××××

2017年最も印象に残った××××

:::アート:::
 
池田学展「誕生」 (市ヶ谷=ミヅマアートギャラリー)
中林忠良×CORNELIUS Mellow Waves展 (恵比寿=KATA)
写真家 ソール・ライター展 (渋谷=Bunkamuraザ・ミュージアム)
片山正通的百科全書 (初台=東京オペラシティアートギャラリー)
単色のリズム 韓国の抽象 (初台=東京オペラシティアートギャラリー)
柳本浩市展「アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの」 (自由が丘=six factory)
芹沢銈介と沖縄 ー明るく、静かで、深いものー (静岡=静岡市立芹沢銈介美術館)
後藤美月「おなみだ的〇〇点」 (原宿=シーモアグラス)

The Pen(日本橋タカシマヤ)が大混雑で観られず残念だった一方で、最も観たかった「誕生」を、家族と、一人で、じっくり隅々まで観ることができたのは幸せでした。長い時間をかけて水の雫が岩を穿つ様子にも似た作品でした。

中林忠良×CORNELIUS Mellow Waves展。Corneliusの10年ぶりのアルバムを飾った小山田圭吾の伯父さんによる銅版画と、川越市立美術館の動画で見た、ひとつの作品を作るプロセスの途方もなさに触れて、自分も一生寄り添える表現を目指してみたいと思いました。

2017年に観た展示の全記録です。>> twilog#gbiyori
 
 

:::音楽:::
 
AMIP-0097.jpg

Reassamblage Visible Cloaks
Colors Beck
Drunk Thundercat
Jersey Devil Ducktails
Somi Taylor Deupree
The Beautiful Game Vulfpeck
Mellow Waves Cornelius
⑮Thank you, too モーニング娘。’17
Automaton Jamiroquai
Finding Shore Tom Rogerson with Brian Eno
 

音楽に関しては大豊作だった一年。沢山辛いことがあったけど、音楽と人に救われました(雑誌の名前じゃなくて)。
 

Visible Cloaks『Reassamblage』

 
ポートランド在住のユニット。レイ・ハラカミと同様、彼らにしかない音色と独特の間・余白があって、坂本龍一『エスペラント』を想起させるような「和」への理解も感じられる(dip in the Pool/甲田益也子がゲスト参加)。この作品を聴いている間は、“聴く”というより、自分自身もこの作品の一部になってしまいます。
>>インタビュー|MASSAGE
 

Beck『Colors』

 
有無を言わさずポップでストレート。たまたま見たインタビューで、ファレルとの同時代性を感じさせる発言を読んだけど、このアルバムの制作後、実際にレコーディングセッションも行っていたようです。
>>ベック 最新インタビュー~最新作『カラーズ』、故トム・ペティ、ファレルとのコラボを語る|Billboard JAPAN
 

Thundercat『Drunk』

 
 
ジャケットと音の印象が全く違っていて、キャッチするのに少々時間がかかってしまった。ぼくがこれまでに愛してきた音楽の要素がぎゅっと詰まっています。これまでにどんなタイプの音楽を聴いてきましたか?と尋ねられたら、このアルバムを一枚渡すだろうと思います。
>>インタビュー|ele-king
 

Ducktails『Jersey Devil』

 
複数の女性への性的暴行容疑で来日公演が中止になったというニュースがきっかけで初めて知り、アルバムを聴いたら、作品自体は思いのほか良かった。アコースティックでもエレポップでもヴェイパーウェイヴでもなく、それらのちょうど中間点にあるようなポップ。アップリフティングでもダウナーでもないちょうど中間の気分が、今年の自分には合っていました。
>>Allegations of Sexual Misconduct by Ex-Real Estate Guitarist Matt Mondanile Detailed by Seven Women|SPIN
彼がバンド時代からファンの女性を食い物にし性的虐待を続けて来た事実について、被害にあった7人の証言をもとに構成した記事のようです(英語)、念のため。
 

Taylor Deupree『Somi』

 
坂本龍一周辺のグリッチを多用したアンビエント/ドローンが、先入観込みで前からあまり好きではなかった。テイラー・デュプリーも以前はその種の音を鳴らしていた印象があったけど、このアルバムは生音を使った心地よい音で、気持ちを落ち着かせたい時に何度も聴きました。彼は90年代のアシッドテクノユニット、Prototype 909の元メンバーだそうで、もう名前が懐かしい。
 

Vulfpeck『The Beautiful Game』

 
 
Suchmosなどのミュージシャンがフェイバリットに挙げていた、本国では昨年末に発売されたアルバム(日本では春に発売)。アメリカ人の琴線に触れるようなポップなメロディを、超人的なテクのバンド・サウンドで聴かせる若手グループ。ジャクソン5とプリンスとスティーリー・ダンが同居したようなファンク。
 

Cornelius『Mellow Waves』

 
Corneliusと小沢健二が同じ年に数年ぶりの新作をリリースし、同じロックフェスの隣のステージでライブを行うという、惑星直列のような年でした。ヴォーカル/歌を主体に、アルペジオとかアコースティックな要素を最新の電子デバイスでシミュレートしていて、アヴァンギャルドなのに耳に優しい不思議なアルバム。
>>インタビュー|美術手帖
 

モーニング娘。’17『⑮Thank you, too』

 
3年ぶりのアルバム。つんくの新作を中心に良曲が揃った。コンサートに行くとプラチナ期の曲がいまなおメインの位置を占めていることがわかるけど、今作はプラチナ期のいわゆる“辛気臭い”メロディをEDM以降の音色で構成した〈プラチナ×EDM〉的なテイスト。
>>インタビュー(工藤遥&野中美希)|Billboard JAPAN
 

Jamiroquai『Automaton』

 
年の前半にとてもよく聴きました。ディスコ・ミュージックの特徴的なフレーズやベースラインを、近未来っぽいエレクトロ・ファンクの中に巧みに織り込んでいる。
 

Tom Rogerson with Brian Eno『Finding Shore』

 
12月に入って知りました。ブライアン・イーノのアンビエント・シリーズは寝る時や瞑想する時に聴くイメージがあったけど、これはとてもエモーショナルで今までになかった感じ。ジャケットも含め最高。
>>トム・ロジャーソンとブライアン・イーノが珠玉のコラボレーション・アルバムをリリース|Hostess
 

ここに入れてない次点的な作品としては、ONIGAWARA『ヒットチャートをねらえ!』、ハウス/テクノクリエイターYaeji(イェジ)のEP、Okada Takuro『ノスタルジア』、ドレスコーズ『平凡』、etc…。サニーデイ・サービスの前作『Dance To You』は大評判だった昨年に聴き逃し、今年に入ってから毎日のように聴いていました(『Popcorn Ballads』は来年のお楽しみ)。小沢健二の「流動体について」はアルバムの発売を待ってから。
 
 

:::メディア:::
 

::本::
渋谷音楽図鑑 牧村憲一・藤井丈司・柴那典(太田出版)
小沢健二の帰還 宇野維正(岩波書店)

::雑誌::
美術手帖 17年10月号 特集:新しい食(美術出版社)

::TV::
稲垣・草彅・香取 3人でインターネットはじめます『72時間ホンネテレビ』(Abema TV)

『渋谷音楽図鑑』は、「渋谷系」のような矮小な枠組を飛び越えて、牧村憲一氏のバイオグラフィとその足跡に生まれた数々の音楽に、渋谷の都市論が交差するスリリングな論評でした。牧村さんの新しいプロジェクト「緩やかなレーベル」に関われたことは、嵐のようだった2017年の中でも喜ばしい出来事のひとつでした。

『小沢健二の帰還』は、ひとりの音楽家の空白期を丁寧に追うことにより、活動期ではない時期(出産、病気なども含む)をどう過ごすか、という、人間一般における「空白期」そのものについての論考にもなっていたと思います。そういえば「72時間ホンネテレビ」も「空白」と「帰還」にまつわる一大ドキュメント、でした。 

2017年に空白期を経て本格的に「帰還」を果たした人々(自分調べ):小沢健二、のん、道重さゆみ、新しい地図(稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)、稲場愛香、etc…。まだ帰還してない、もう二度と帰還できない人々にも一輪の花を。
 
 

:::ハロプロ楽曲大賞’17:::
 

  
1位|若いんだし! モーニング娘。’17
2位|Windows ハロプロ研修生(つばきファクトリー)
3位|To Tomorrow ℃-ute
4位|ジェラシージェラシー モーニング娘。’17
5位|アイドル卒業注意事項 カントリー・ガールズ

次点|
就活センセーション つばきファクトリー
Fiesta! Fiesta! Juice=Juice
リアル☆リトル☆ガール ハロプロ研修生北海道
true love true real love (とぅるらとぅるりら) 道重さゆみ
(リンクはすべてYouTube)
 

MV部門
1位|モーニングみそ汁(キャンプファイヤー Ver.) モーニング娘。’17

 

推しメン部門|小関舞(カントリー・ガールズ)

 

ハロステのご褒美企画で、おぜこが舞美と「16歳の恋なんて」を歌った日に誰もが包まれたであろう、あの幸せな気持ちがその後もずっと続くのだと信じていました……。

ゴシップ的な情報や事務所の裏事情など知る由もない音楽好きのひとりとしては、あくまでも音楽そのものからしか推し量ることができません。今年の5位に挙げたカントリー・ガールズ「アイドル卒業注意事項」は、さだまさし「関白宣言」と並ぶ(観客の笑い声が入っている点で一致)、昔懐かしい70年代フォーク/ロック臭が漂う、アップフロントというより前身のヤングジャパンが好みそうなノベルティ〜企画ソングの極地でした。カントリー・ガールズは、60’sポップスやR&Rなど大人好みの路線に寄せすぎて、コンセプト的に身動きが取れなくなってしまったのではないか、と。

思えば、つんくプロデュース時代のカントリー娘。は、フォークや古き良きポップスの要素を取り入れつつも、トランス風なアッパー・チューン(「浮気なハニーパイ」「革命チックKISS」etc…)を適度に織り交ぜ、時流と上手くつながっていた。カントリー・ガールズにとっても、カン娘。のレパートリーがあることはいろんな点で強みでした。いっそ嗣永桃子卒業後のカントリーも、昔と同じようにモーニングから主力メン(牧野と横山、とか)を迎えて、しれっと路線変更する手もあったのかもしれません。しかし黄金期だった当時とは違って、上位のグループにそこまでの余裕はなかった。それどころか逆に、上にメンバーを吸い取られる結果となってしまったのが、あの無情な新体制発表でした。

カン娘。時代も含めて不慮の卒業や脱退が続く悲運のグループだけど、昔りんねが好きだった自分は、おぜこに当時のりんねを重ねてしまいます。山木さんが里田まいなのか……ちょっとわからないけど 🙂 、消えかけたグループの火が数年を経て再び灯ったように、細々と活動を続けながらまた不死鳥のように大きく「舞」い戻る日がもう来ないとは誰にも断定できないのです。
 

1位の「若いんだし!」は、つんく×ヒラショーがトロピカル・ハウスに取り組み、本場のレベルを追い抜いてしまった曲。2位の「Windows」は演劇女子部『ネガポジポジ』の劇中歌で、研修生時代の加賀楓の歌唱だと思われる(クレジットなし)。娘。加入でごく普通のハロメンになってしまったかえでぃーの神がかりな卒業認定曲(違ってたらゴメン)。ハロプロ楽曲らしからぬ「ルビーの指環」オマージュなシティ・ポップスとしても魅力的。3、4位はどちらも、いかにもつんくらしい上品なディスコ・ナンバー。詞・曲ともにつんく絶好調の年でした。

 
>>第16回ハロプロ楽曲大賞’17

 
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2016年最も印象に残った××××

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:::アート:::
 
時間をめぐる、めぐる時間の展覧会 (三軒茶屋=生活工房ギャラリー)
近代風景~人と景色、そのまにまに~ 奈良美智がえらぶMOMATコレクション (竹橋=東京国立近代美術館)
ブラティスラヴァ世界絵本原画展 (浦和=うらわ美術館)
Chim↑Pom「また明日も観てくれるかな? 〜So see you again tomorrow, too? 〜」 (新宿=歌舞伎町振興組合ビル)
1920~2010年代 所蔵工芸品に見る 未来へつづく美生活展 (竹橋=東京国立近代美術館工芸館)
後藤美月個展「なんにもないがたくさんある」 (表参道=オーパ・ギャラリー)
平岡瞳版画展「ゆき」 (表参道=オーパ・ギャラリー)

全くノーマークだった「時間をめぐる、めぐる時間の展覧会」。チラシのビジュアルが、同じ時期に出版した絵本『わかる わかる じかんの えほん』と偶然似ていたのがきっかけで興味を持ちました。時間というひとつのテーマを、科学、歴史、文化人類学などさまざまなアプローチによって、デザインやイラストレーション、映像などの資料とともに解き明かしていく試みがとてもユニーク。関連資料として絵本も数多く紹介されていて刺激になりました。

「奈良美智がえらぶMOMATコレクション」では、普段の作品からだけでは伺えない奈良さんのルーツを垣間見ることができました。恩師の麻生三郎から受け継いだ平和への願いもコメントから伺え、いま観るべき展示になっていたと思います。

イラストレーションの領域における版画表現に目を見開かされた一年でした。ここ数年の画家たちの努力が花開き、大きな実を結んだ印象を持ちました。若手〜中堅のイラストレーターとの良き出会いにも恵まれた気が。彼ら/彼女たちに報いる仕事をしなくては。
 
 

:::音楽:::
 

24K Magic Bruno Mars
MALIBU Anderson .Paak
VIBLATION TOKYO HEALTH CLUB
99.9% Kaytranada
グッド・ナイト 森は生きている
A Long Day ミツメ
Epoch Tycho
Nite-Funk Nite-Funk

ベスト・アルバムとして挙げられる作品に、時代や個人の内面を反映するようないわゆる大作・力作が多かったように思います。「Happy」でも「(Get) Lucky」でもなかった一年。でも、個人的にはそういった重い作品と正面から向き合うことが難しい気分で、少しでも気持ちが軽くなったり、いまの足元を明るく照らしてくれる音楽ばかりを探していました。

 
Bruno Mars『24K Magic』

 
 
ボビー・ブラウンやマイケル・ジャクソンが活躍していた時代の華々しい空気感を、この息苦しい時代(白人以外の人種にとっては余計に…)にあえて持ち込んで見せてくれた。タイトル通りの、きらびやかで本物で、魔法のような30分に気持ちが救われました。
>>インタビュー|Billboard Japan

 
Anderson .Paak『MALIBU』

 
 
幼くして両親が刑務所へ、自身も妻子を抱えてホームレスに。しかし理解者に助けられ、やがてドクター・ドレのフックアップによってシーンへ登場……という「ドキュメント女(男)ののど自慢」ばりのサクセスストーリーも勿論のこと、ジャミロクワイの再来とも言いたくなる(しかし彼らほどポップ=単純ではなく、アウトプットも実に多彩)、ジャズ/フュージョンの影響を受けて複雑に刻まれたトラックの上を撫でていくようなハスキーなヴォーカルが癖になります。
>>アルバムレビュー|bmr
 

TOKYO HEALTH CLUB『VIBLATION』

 
ユニークなMVをきっかけに知った、スチャダラやリップの系譜に連なるヒップホップユニットが放った名盤。フリースタイルダンジョン(←これも息苦しい世の中を象徴するような表現のひとつ)には絶対出なさそうなところも好感が持てます。
>>TOKYO HEALTH CLUB
>>インタビュー|ナタリー
 

Kaytranada『99.9%』

 
先に挙げたアンダーソン・パークのアルバムにも参加している20代のプロデューサーによるファースト。ラリー・ハードやベースメント・ボーイズの浮遊感にも通じるような4つ打ちの曲が多く、単純に心地良い。アウトサイダー・アートのようなジャケも好き。
>>高橋芳朗 星野源にケイトラナダ『99.9%』をすすめた話|miyearnZZ Labo
 

森は生きている『グッド・ナイト』

 
CDの発売年は2015年だったけど、これはバンド解散後の去年に発表されたアナログLP。解散前に知っていれば……と悔しく思えるくらい、その独特の世界観に大きな衝撃を受けました。手づくりで織物をゼロから編み上げていくような、ここにしかないタイプの音楽。
>>インタビュー|Mikiki
>>森は生きている『グッド・ナイト』のアナログ盤におけるまさかの展開|ele-king
 

ミツメ『A Long Day』

 
 
以前から好みの音で注目していたけど、やっとアルバムを通してトータルで聴ける作品が完成。リズム隊とギターのカッティングから生まれるグルーヴが、トーキング・ヘッズやZEレーベルなど80年代前半の音数少なめのNW風。インタビューでも語っているように『ストップ・メイキング・センス』を思い出す。
>>インタビュー|Mikiki
 

Tycho『Epoch』

 
エレクトロニカ+ギターによる電子と生音の融合。ロバート・マイルズ「チルドレン」などに通じるような甘さを時折感じなくもないけど、とりあえずポップで爽快。メンバーが手がけるジャケットデザインがとてもグラフィカル。
>>ISO50 / Tycho Shop
 

Nite-Funk『Nite-Funk』

 
DAM-FUNKと、Nite Jewel(LAの女性シンセ・ポップ・ソロシンガー)によるユニット。これも80年代的でラグジュアリーなテイストを前面に出したファンク。フランソワ・ケヴォーキアンがマスタリングに関わっているらしいのですが、雰囲気としては80年代にアイランズ・レコードから出た、フランソワとホルガー・シューカイほかによるミニアルバム『Snake Charmer』に収録のダンス・クラシック「Hold On To Your Dreams」からダイレクトに繋がる世界。 
 
 
  

何十年ぶりかにレコードプレーヤーを買って、アナログ・レコードマニアの仲間入りをしました。アナログとストリーミングの両方で、松田聖子の初期作品と、ニュー・オーダーの全作品を、一時期何度も繰り返し聴いていました。ニュー・オーダーの12インチはCD化されたヴァージョンとは微妙に違っていて、アナログでこそ聴く価値がありました(特に「コンフュージョン」「シェルショック」)。全部通して聴いて好みだったのは、12インチ全部と、アルバムでは初期の『ムーブメント』『権力の美学』。
 
 

:::メディア:::
 

::本::
小さな出版社のつくり方 永江朗(猿江商會)
あしたから出版社 島田潤一郎(晶文社)
株式会社カラー 10周年記念冊子(株式会社カラー)

::雑誌::
CanCam 2017年2月号 特集:かわいい写真が撮りたい!! 特別付録:スマホに付ける!魔法の自撮りライト(小学館)

::映画::
シン・ゴジラ
この世界の片隅に
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
スター・ウォーズ/フォースの覚醒
FAKE

秋頃に突然大きな夢が頭に浮かび、それ以降はそのことばかり考えていました。今年は実行に移したい。映画は評判だった作品を全部観切れてないので、ロングランの映画館にこれからでも観に行きたい。
 
 

:::ハロプロ楽曲大賞’16:::
 

  
1位|独り占め つばきファクトリー
2位|次々続々 アンジュルム
3位|押忍!こぶし魂 こぶしファクトリー
4位|何故 人は争うんだろう? ℃-ute
5位|泡沫サタデーナイト! モーニング娘。’16

次点|
The Vision モーニング娘。’16
そうじゃない モーニング娘。’16
セクシーキャットの演説 モーニング娘。’16
チョット愚直に!猪突猛進 こぶしファクトリー
どーだっていいの カントリー・ガールズ
懸命ブルース こぶしファクトリー
(リンクはすべてYouTube)
 

MV部門
1位|辛夷の花 こぶしファクトリー

 

推しメン部門|小関舞(カントリー・ガールズ)
 

 

つんく♂ VS 非つんく♂の楽曲が争う状況で、辛うじてつんく♂の曲が(自分の中では)優位に立ちました。つばきファクトリー「独り占め」は、久々のつんく×大久保薫コンビによる作品で、サトシ・トミイエのような流麗なピアノのフレーズが耳に残る佳曲(参考:Frankie Knuckles「Rain Falls」)。少女同士にしかわからない繊細なニュアンスの歌詞はザ・つんくの真骨頂。つんく♂の曲はMVやCDだけだと正直最初はピンと来ないのですが、現場で聴くとその歌詞やバックトラックの真価が、少女たちのギリギリの歌唱とパフォーマンスを通してしっかりと伝わってきます。

つんく♂の魂を純度の高い形で歌い継いでいるグループは、現在ではモーニング娘。とハロプロ研修生の2組だと思います。そのことに気付いてから、研修生のライブにも足を運ぶようになりました(冠番組の「はぴ☆ぷれ」「ただいま研修中」はリアルタイムで全部見ていたけど…)。ハロプロで一番面白くて観るべき価値があるのは研修生、という最後の境地に達してしまった2016年でした。

 
>>第15回ハロプロ楽曲大賞’16

 
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