わかったさんとおかしをつくろう!

わかったさんとおかしをつくろう!

お菓子作りをテーマにしたあかね書房の人気童話「わかったさんのおかしシリーズ」。その30周年を記念した26年ぶりの新刊となるレシピ集+絵本『わかったさんとおかしをつくろう!』(寺村輝夫・永井郁子、あかね書房・刊、全3巻)のブックデザインを担当しています。

>>わかったさんとおかしをつくろう!|Works|パラグラフ
 


 


 


 

クリーニング屋の女の子“わかったさん”が行く先々で不思議な世界に巻き込まれるたびに、ケーキやお菓子を作ってピンチを切り抜けるお話。とくに女性の方には、下は現役小学生から上はかつて小学生だった方々まで、姉妹本の「こまったさん」シリーズを含めてとても愛されているようで、うちの娘に至っては、今度わかったさんの仕事をするよ、という話をしたら「パパ、これから有名になるよ」という謎の預言が返ってきたほどでした…)。「わかったさん」から印象的なエピソードをピックアップした絵本パートと、新たに考案されたものも多数含むレシピパートからなるオールカラーの楽しい本になりました。

キャリア等を考えると信じられない話ですが、作画の永井郁子さんはすごいPhotoshopの使い手で、今回の絵も、過去の原画と手描きで新しく描いた絵をAdobe Photoshop上で再構成して着色したものだそうです。素材や基本的なアイデアについては永井さんと編集部にお任せし、こちらでは全体のデザインと表紙タイトル回りの設計などを行いました。タイトルの飾り罫は、それぞれのお話の内容をモチーフにイラストとグラフィックの中間のアートワークを制作しました。また、タイトルや見出しの文字に、前から使いたかったタイプバンクのかな書体「TBかナ-白のアリス」を使用しています。
 

 
わかったさんの こんがりおやつ(→Amazon.co.jp
わかったさんの ひんやりスイーツ(→Amazon.co.jp
わかったさんの ふんわりケーキ(→Amazon.co.jp
寺村輝夫/原文 永井郁子/企画・構成・絵
あかね書房
発売中
各1200円+税(定価)

春休みと重なる期間に、東京では初めてとなる原画展が開催されることになりました。永井郁子さんのサイン会も開かれます。

「わかったさんと おかしをつくろう!」原画展
2018年3月16日[金]─4月16日[月]
丸善 丸の内本店 児童書売り場 (東京・東京)

[2018/5/11追記]

東京では2回目の原画展が三鷹のよもぎBOOKSで開かれます。
最終日には永井郁子さんのサイン会・おはなし会と手づくりお菓子の販売(みたかおかしまつり)も。

「わかったさんと おかしをつくろう!」原画展 in よもぎBOOKS
2018年5月13日[日]─5月27日[日]
よもぎBOOKS (東京・三鷹)

[2018/9/19追記]

『わかったさんのこんがりおやつ』が、2018年第5回料理レシピ本大賞の「絵本賞」を受賞しました。書店等でも多数の品ぞろえを持つ、ジャンルとしての「料理レシピ本」に光を当てるために設けられた賞だそうです。30年の歴史を誇る『わかったさん』シリーズの魅力は言うに及びませんが、レシピをわかりやすく伝えることに関しては、絵の永井郁子さん、あかね書房の編集部とともに貢献できたのではないかと思います。おめでとうございます!

>>2018年 第5回 料理レシピ本大賞 受賞作品発表


 
関連記事

>>あかね書房の「わかったさんと おかしをつくろう!」特集ページ。

>>あかね書房の書籍紹介ページ(こんがりおやつ)。イベントへのリンクも。

>>わかったさん公式ツイッター

>>著者の永井郁子さんのホームページの特設サイト。3巻セットのボックスの画像も。

>>【懐かしい!】あの『わかったさん』に26年ぶりの新刊が出てたぞ~ッ / 総集編&新作レシピもいっぱい! 大人が読んでもワクワクが止まらない!!|ロケットニュース24

沢井メグさんによる紹介記事。
ツイッターにはなんと1666RT!

ウェルカム!ビートルズ

ウェルカム!ビートルズ

佐藤剛さんの新刊『ウェルカム!ビートルズ 1966年の武道館公演を実現させたビジネスマンたち』(リットーミュージック・刊)のブックデザイン(装丁と本文組版)を担当しました。

ザ・ビートルズについては、関係者やファンなど様々な視点から書かれた著作が既に多数出ていますが、本書はザ・ビートルズの1966年の来日公演(日本武道館:6/30〜7/2)の実現を影で支えた国内外のビジネスマンたちと、彼らの功績に光を当てるノンフィクションです。本書の縦糸=主役となるのは、ビートルズをめぐる音楽史にこれまで一切登場することのなかった、東芝EMIの名ディレクターとして知られた石坂敬一の父であり、東芝レコードの重役として坂本九「上を向いて歩こう」を世界的なヒットへと導くなどの功績を果たした知られざる人物・石坂範一郎です。
 

ぼくが音楽的物心がついた頃には、ビートルズは既に解散してかなりの時間が経っていました。上の世代に比べて思い入れの強さでは勝てませんが、当時を知るファンの方々にも手に取ってもらえればと思い、ビートルズ来日時の資料を漁る過程で目に止まった来日公演のポスターやチケットのヴィジュアルを、今回の装丁にあたってヒントにしています。当時の使用書体と全く同じタイプフェイスのものが存在しなかったため、既存のデジタルフォントをベースに細部を加工しました。当時のヴィジュアルを知る方には、オリジナルとの微妙な違いも、笑って受け止めてもらえるのではないかと思ってます。

中央に配置したジョージ、ジョン、リンゴ、ポールのイラストは、オリジナルのポスターで同じ位置に入っていた写真を、イラストレーターの北村範史さんに似顔絵として起こしてもらいました。北村さんとはハナレグミのCDジャケット以来何回かご一緒しており、今回久しぶりに仕事をお願いすることができました。

 
以下は余談でここだけの話ですが、今回デザインのほかにもうひとつ重要な仕事として、ぼくが提案した「ウェルカム!ビートルズ」が本書の正式タイトルとして採用されました(本書の出典となる、エンタメステーション連載時のタイトルは「ビートルズの武道館公演を実現させた陰の立役者たち」)。
 

 
タイトルのアイデアの元になった「ウェルカム・ビートルズ」は、1996年のザ・ビートルズ日本公演初日のオープニングアクトで、当時の日本のロック・ミュージシャンを代表する4組により歌われた、この公演のためのオリジナル曲(作詞:井上忠夫、作曲:安井かずみ。のちにジャッキー吉川とブルー・コメッツにより音源化)で、その名の通りビートルズをお迎えする歌でした。この歌詞や演奏の様子に込められたなんともいえない愛情や恥ずかしさが入り混じった思いが、当時この公演のために奔走した日本のスタッフやファンの総意を代弁しているように感じられたのです。ちなみにこの曲はのちに、テクノ/ニューウェイヴバンドのプラスチックスによってカヴァーされました(タイトルと一部歌詞が変更)。ぼくが最初に知ったのはそちらのヴァージョンでした。

 
普段主に手がけている絵本や児童書に比べて一般書籍のブックデザインにはあまり馴染みがなかったのですが、編集出身のキャリアを活かし、作品の世界の奥底に深く潜り込みながらデザインを進めることができました(編集的見地から誤字脱字という名の貝殻も沢山発見 🙂 )。組版にも様々なバリエーションがあって読みやすさ+αを追求する作業は楽しく、またこういう仕事が来たらうれしいなと思います。
 

佐藤 剛『ウェルカム!ビートルズ 1966年の武道館公演を実現させたビジネスマンたち』(→Amazon.co.jp
リットーミュージック
2018年3月12日発売
2000円+税(定価)
 


 

>>ウェルカム!ビートルズ:リットーミュージック

>>ビートルズ来日をめぐる人間ドラマを丹念に描く感動のノンフィクション! 書籍『ウェルカム!ビートルズ』発売|エンタメステーション

かんたん!たのしい理科実験・工作シリーズ

かんたん!たのしい理科実験・工作シリーズ

岩崎書店・刊「マンガでわかる かんたん!たのしい理科実験・工作」(監修/滝川洋二)のシリーズデザインを担当しました。タイトルの通り、マンガを使って、主に小学校中学年以上を対象とした、面白い理科実験や工作のやりかたを解説する本です。

シリーズ全体のアート・ディレクション~デザイン監修と、第1巻「空気」のブックデザイン(2巻以降の実作業は別のデザイン会社が担当)、3巻それぞれに出てくるタイトルの手書き文字がぼくの担当です。制作途上で予期せぬ出来事が幾つも重なり非常に苦労させられた仕事でしたが、主役であるマンガの存在が大きな助けとなりました。1・3巻を担当してくださった田中チズコさん、忙しい中、第2巻でぼくからのお誘いに応えてくれた多田玲子さんのお二人には感謝しています。
 


 

本シリーズは「図書館本」と呼ばれる分野の書籍で、図書館や学校を中心に配本・販売され、一般書店に並ぶことは基本的にありません(一般書籍より高めの値段設定ですが、ネット書店経由での購入は可能です)。お近くの図書館にない場合は、蔵書リクエストしていただくことで読めるようになります。

 
マンガでわかる かんたん!たのしい理科実験・工作
監修/滝川洋二
『空気とあそぼう』 イラスト/田中チズコ
『光のふしぎ』 イラスト/多田玲子
『電気のちから』   イラスト/田中チズコ
岩崎書店
発売中

 

絵本『ごはんのにおい』

絵本『ごはんのにおい』

おむすび舎の新刊絵本第2弾『ごはんのにおい』(中川ひろたか/文 岡本よしろう/絵)のデザインを担当しました。おむすび舎は、食育指導士の霜鳥英梨さんが設立した、新潟発の“ひとり出版社”です。第一作目の『いのちのたべもの』と同様に、中川ひろたかさんを語り手として、ごはんの大切さ、食べることへの関心の扉を開いてくれます。絵は、谷川俊太郎さんとの絵本『生きる』などで知られる、岡本よしろうさんです。

霜鳥さんのことは昔から知っていましたが、本業の食育指導士としての仕事に触れる機会はありませんでした。デザインの立場で2冊の絵本に関わってみて、自らの食育指導のための教材として絵本を作り(しかも市販品と同レベルのハードカバーで)、それを自分が使うだけでなく全国に向けて発信する、という姿勢にとてつもない信念を感じました。この時代に、知名度の低い出版社が既存の大手版元に混ざって本を売っていくことがどれだけ大変か、ぼくもよく知っているつもりです(もしそんな試みを笑うような人がいたら、ぼくは霜鳥さんに向けて中島みゆきの「ファイト」を贈りたいと思っています)。

今作のテーマの「ごはん」にちなみ、米どころの新潟らしく、地元で穫れたお米とのセット販売なども行われるそうです。横須賀の絵本店、うみべのえほんやツバメ号で、12月まで『ごはんのにおい』原画展が開かれています。お近くの方はぜひどうぞ。


 

ごはんのにおい(→SONG BOOK Café
中川ひろたか/文 岡本よしろう/絵
おむすび舎
発売中
1400円+税(定価)

『ごはんのにおい』原画展
2017年11月3日[金・祝]―12月12日[火]
うみべのえほんやツバメ号 (横須賀・津久井浜)

[18/05/15追記]

『ごはんのにおい』の東京初の原画展が、5月31日まで神保町のブックハウスカフェで開かれています。

岡本よしろう「ごはんのにおい」(おむすび舎)絵本原画展
2018年5月12日[土]─5月31日[木]
ブックハウスカフェギャラリー (東京・神保町)

 
>>おむすび舎ウェブサイト
>>にいがた、びより(新潟日報)の『いのちのたべもの』紹介記事

>>絵本『いのちのたべもの』|パラグラフ