2014年から約4年間、生活クラブ生協のアートディレクターとして、2015年に制定された新ロゴタイプや各種シンボルマークのデザイン、注文カタログのリニューアルなどを担当してきました。ここでは、生活クラブのブランディングプロジェクトでぼくが関わった仕事を中心に紹介しています。
それぞれの仕事の内容は、下のリストから個別のページをたどって見ることができます(只今、2015年までの仕事を公開しています)。
また、デザインに込めた思いや、ブランディングについて、などを下の「概要」から始まるテキストにまとめています(クリックで開閉)。
[文責=下山ワタル]
 

1:概要
2014年春、生活クラブ生協のブランディングプロジェクトチームにアートディレクターとして参加。子育て中の若い世代をイメージして、長い歴史の中で親しまれてきたロゴやマーク、パッケージを刷新し、カタログ、注文システム、ウェブサイトなどのサービスを使いやすく改善していく仕事に、準備期間も含めると約5年間、取り組んできました。

プロジェクトの大きな核となったのは、2015年に制定された新ロゴタイプのデザイン。同時期に定められた書体やブランドカラーのルールに沿って、ぼくがデザインした新ロゴタイプのテイストに準じたさまざまな制作物が、世の中に広がっていきました。注文カタログは親しみやすくフレッシュな印象になり、独自開発の消費材(商品)パッケージはそれまでの力強い外観からシンプルで優美なイメージへと変貌しました。

古いものを捨てて無闇に新しくするのではなく、生活クラブが過去に積み重ねてきたものを否定せず、ベテランの組合員にもこれから新しく入ってくる人たちにも、新しいデザインの心地よさや楽しさ、使いやすさを同じように感じてもらえたら、というのが一連の仕事を通して心がけてきたことです。”Good design is as little design as possible” というぼくのデザインに対する考え方が生かされています。

2:「ブランディング」について
生活クラブの仕事について紹介した初期のブログ記事では「リニューアルプロジェクト」と呼んでいましたが、実際進んでいたのは、ブランディングプロジェクト、です。当時はまだブランディングについての十分な知識がなく、2014年当時の体感でポピュラーな用語とはいえないという認識もあって、より親しみやすい言葉に言い換えていました(知らないより恥ずかしいのは、知ったフリをすることだと、いまでは思ってます)。

ブランディングの意味と目的を初めてはっきりと理解したのは、2015年、生活クラブの職員向け勉強会で、デザイン〜ブランディング講座の講師を依頼された時です。短い準備期間の中で自分なりに調べて資料を集め、本来のマーケティング用語としての概念にとどまらない「デザインサイドから考えるブランディング」について、プロではない普通の人にもわかる平易な言葉と事例で伝えることができたと自負しています。(ブランディング〜デザイン講座 講師としての活動[2015〜2017]*後日更新予定)

企業や組織のしょぼい見た目とか、外からの評価を変えていきたいと考える時、中にいる一人ひとりが勝手気ままに事を起こす前に、ブランディングの考え方を全員で共有しておくことが大事です(ブランディングを知るまでのぼくは、勝手気ままに動く直感タイプでした)。単にデザインを変えるだけではなく、自分たちについてよく知り、そこにある美点を言葉やビジュアルでどう世の中に伝えていくか、その場にいるみんなで考えていく。それがブランディングの出発点です。

5年間の仕事で自分が学んだことを、今度はほかの新しい誰かに役に立つよう伝えていけたら、と思っています。ちょっとしたデザインの力でよい方向に変わっていく物事が、この世にはまだまだ沢山ある気がします。

3:プロジェクトを通して得たもの/苦労したこと
このプロジェクトに関わり始めた2014〜15年ごろ、35万人といわれていた生活クラブ全体の組合員数は、2018年現在で40万人に達しました。多くのスタッフと協力して成し得たその「実績」「成果」が、この5年間で得た最も大きな収穫だったと思います。関わった当初はまだ低かったカタログのクオリティも、この5年間で飛躍的に向上しました。

ブランディングの考え方をゼロから学んだことも、今後の仕事に対して大きな力となっていくはずです。これまでも性質上持っていた「言葉から始まるデザイン」、ただのデザイナー的ポジションにとどまらない仕事のスタイルが今後も増えていくだろうと想像しています。

(続きます)

 
↓以下のリンクからまとめてご覧になれます(表示は、新→古の順)。
> 生活クラブのデザイン:カテゴリー|Works
  

仕事リスト(リンク有りは閲覧可)

・ 生活クラブ 新ロゴタイプ[2015]デザイン
・ 新ロゴタイプ使用規程(ガイドライン) 制作・デザイン・執筆
・ 生活クラブ ブランドカラーの再設定
・ 生活クラブ 注文カタログ[2015・#1]表紙/コマ フォーマットデザイン
・ 生活クラブ連合会名刺 テンプレートデザイン
・ よやくらぶ ロゴタイプ[2015]デザイン
・ インターネット注文 eくらぶ ロゴタイプ[2015]デザイン
・ 生活クラブ関連組織 コーポレートロゴデザイン(生活クラブ親生会ほか各種)
・ ビジョンフード[2015]シンボルマークデザイン
・ L’s(エルズ)選定消費材[2015]シンボルマークデザイン
・ 生活クラブ 注文カタログ[2016・#2]表紙/コマ フォーマットデザイン
・ アースメイド野菜[2016]ブランドマークデザイン
・ あっぱれ育ち/はればれ育ち/たぐいまれ[2016]野菜新ブランドマークデザイン
* 生活クラブ 新パッケージ[2015〜]デザインフォーマット監修
* 生活クラブ 公式サイト デザインフォーマット監修
* 新ロゴタイプに関連したデザイン監修(初期の広報制作物)
* 生活クラブ 食べるカタログ 表紙デザイン監修[2014〜2018]
・ ブランディング〜デザイン講座 講師としての活動[2015〜2017]
etc…

無印は、自分が直接作業に携わったもの。*印は専門スタッフによる作業の監修者・オブザーバーとして参加したものであり、直接作業はしていません。
このほかの制作物(広告、印刷物、配送トラック、店舗内装、各種カタログ、ウェブなど)のデザインは、それぞれ広告代理店のアートディレクターや制作会社のスタッフが担当していますが、基本的なトーンに関しては、新ロゴタイプやブランドカラーのガイドラインや考え方を尊重して、制作いただいています。

 
>>生活クラブのリニューアルプロジェクト|パラグラフ
──生活クラブのデザインに関わることになったきっかけについて詳しく述べています

>>Works|パラグラフ



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