下山ワタル DESIGN ARCHIVE[第3版]

下山ワタル DESIGN ARCHIVE[第3版]

1990年代末から近年までの仕事を、ジャンル別にセレクトしたポートフォリオを公開しました。
PDFで、どなたでもご覧いただけます。
(PC/Mac/タブレット推奨。スマートフォンではピンチイン・アウトでご覧ください)
*スマートフォン用に、PDFの章扉テキストとWorksへのリンクをまとめたページを作りました。
>>下山ワタル DESIGN ARCHIVE [TXT]

[2020/03/04追記]

最近の仕事を追加し、構成の一部を変更した第3版をリリースしました。

下山ワタル DESIGN ARCHIVE[PDF|15MB]

縦型 ── 44P(A4サイズ)

for SMARTPHONE⇒ 下山ワタル DESIGN ARCHIVE [TXT]

*出力をファイルに収めたものも用意しています。
法人・編集部等でご入用の方は、Contactよりお知らせください。

 

収録されている仕事

中村一義/矢野顕子/黒沢健一/中川ひろたか/harmonize/生活クラブ/ケロポンズ etc…
 

コメント

ライター/編集見習いとして音楽プロダクションに入社し、
ふと気が付くとグラフィックデザイナーになっていました。
世の中に、初志を貫いてひとつの道を極める人と、
ふらふらとさまよいながら最初に思っていたのと違う道に進む人、
2種類いるとしたら自分は明らかに後者でした。
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絵本『あらいくん』&イベントのお知らせ

絵本『あらいくん』&イベントのお知らせ

デザインに携わった新刊絵本『あらいくん』が1月に発売されました。

あらいくん
中川ひろたか/文 Serico/絵
世界文化社
2020年1月19日発売
定価(税込):1320円(本体1200円)
 


 
目に見えないウイルスの危険から自分を守るという、現代的なテーマの絵本です。
でも、基本は絵本らしく。
主人公は、手洗いが大好きな「あらいくん」。
歌って楽しく、ウイルスとバイバイしましょう。

作者は、ずっと前から一緒にお仕事している中川ひろたかさん、
絵は、グッズなどの仕事もされているイラストレーターserico(せりこ)さん。

いつも最新の仕事が自信作になるように、と願ってデザインをしていますが、
今回は帯も含めて隅々までアイデアを出し、かなり良い外観になったと思ってます。

 
イベントのお知らせです。
 
2月11日(木・祝)に絵本の刊行を記念して、作者の中川ひろたかさんによる
オンライントーク&サイン会が開かれます。
なんと、ぼくもゲストとして参加し、制作に関わったみなさんと一緒に、絵本制作のエピソードについてお話しする予定です。

参加申込と詳細はこちらからどうぞ。只今受付中です。

>>絵本『あらいくん』発売記念 中川ひろたか オンライントーク&サイン会

2021年2月11日(木・祝)14:00〜
*見逃し配信1週間あり

 
>>絵本『あらいくん』の紹介(PRTIMES)

>>わたしのやま|Works (世界文化社での最初の仕事)

のびるちぢむくん 〜Hoick CDブック4~

2020年末に制作した、Hoick CDブックシリーズの第4弾です。

のびるちぢむくん ~Hoick CDブック4~(→Hoick
中川ひろたか・鈴木翼・ロケットくれよん・福田翔・gaagaaS
ソングブックカフェ
発売中
定価(税込):3300円(本体3000円)
 


 
例年、6月に発売されていたこのシリーズ。今回はコロナにより夏に向けての制作・販売が難しく、半年後の12月、Hoick主催のクリスマスコンサートのオンラインライブに合わせて刊行される運びとなりました。

スポーツ用品メーカーのミズノとのコラボにより制作された「運動あそびうた」が、全体の約3分の1を占める構成となっています。ソングブックカフェメンバーが、ユニフォームやジャージに着替えて撮影した写真もみどころ。この時期、子どもたちの運動不足が懸念されていますが、運動に配慮したあそびはきっとご家庭でも楽しんでもらえるのではないかと思います。
 

>>のびるちぢむくん紹介ページ(Hoick)

絵本『のらねこバルとあひるのアヒージョ  ふたりはいつもはらぺこ』

絵本『のらねこバルとあひるのアヒージョ ふたりはいつもはらぺこ』

ご紹介が大変遅くなりましたが、2020年にブックデザインに関わった絵本です。

のらねこバルとあひるのアヒージョ ふたりはいつもはらぺこ
うえのよし/作 田中チズコ/絵
教育画劇
2020年9月18日発売
定価(税込):1320円(本体1200円)
 

おいしいものが大好きなのらねことあひるのコンビが、旅先のあちこちでお店を開く楽しいお話です。

絵を担当した田中チズコさんは、今作が初の絵本。数年前にデザインに関わった科学実験の本で漫画を担当していたのが田中さんで、いつか仕事がご一緒できたら、と思っていました。夢が叶ってよかったです。2020年に、フリー時代からたくさんの絵本を作ってきた教育画劇の編集者が担当、という画家さんと立て続けに3人も出会いました。田中さんもそうですが、こどもの絵本の画家として才能を感じる方々ばかりなので、いつかご一緒できればと思ってます。夢を口にしておくといつか叶うと思うので。

>>TANAKA CHIZUKO(画家さんのサイト)
>>商品紹介ページ(教育画劇)

>>かんたん!たのしい理科実験・工作シリーズ|パラグラフ

2020年最も印象に残った××××

2020年最も印象に残った××××

:::アート:::
 
Chim↑Pom「May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」 (東品川=ANOMALY)
おさなごころを、きみに (清澄白河=東京都現代美術館)
藤原さくらZine展「Pilot」 (原宿=国立新美術館)

「生で体験すること」が命を賭けるほどのイベントになってしまった2020年に観たものから。

マンチェスターで100年前に起こったコレラ禍を題材にした(着想はコロナ以前)Chim↑Pomのインスタレーションは、コロナ禍で最も辛くめげていた時期に観て、歴史は何度も繰り返すこと、辛い出来事が起こった時は歴史を参照すればよいことを教えてくれた。年の後半は個展の計画や作品集の制作準備と重なり、ほかの人の展示を観ている場合ではなくなったけど、ZINEやグッズの参考にいくつかの展示を回った中で印象に残ったのが、藤原さくらのZineでした。
 
2020年に観た展示の全記録です。>> twilog#gbiyori
 
 

:::音楽:::
 

*アーティスト名/タイトルのリンクはSpotify

 
香取慎吾『20200101』
 

 
2020年は、このアルバムに作り手が込めようとした期待とは180°違う年になってしまったかもしれない。でも、だからといって、この作品の価値が目減りした、とか、お祭り騒ぎのから騒ぎで終わってしまったということは全然なくて、むしろこんな苦しい時代だからこそ人々の心に響く作品になっていた。

それはやはり、慎吾くんがSMAP解散以前から感じてきた窮屈さと、それを乗り越えてきたからこそ響く言葉の数々が、コラボで関わったアーティストたちの言葉を通して、楽しげなアルバムの影にそっと込められているからだと思います。
 

それでも僕なら Be okay
何が起きてても Be okay
心配いらない Be okay
Let me see your gloom ye

──OKAY(feat. SALU)

悲しい何かを見るより
楽しい何かを Looking for Looking for

──Trap

通りに出れば強い向かい風
踵を返せばハイ追い風

──ビジネスはパーフェクト(feat. スチャダラパー)

どんな苦悩も全部耐えながら
どんな未来が待っているかな?
自分主義見せる生き様
そうさ今から楽になるから
NEXT FOR THE FUTURE WORLD

──FUTURE WORLD(feat. BiSH)

 
コラボの人選も含め、先進的で自由。同時期にリリースされた木村拓哉のソロが、SMAPの跡地に残されたファンを包むようなイメージ通りのポップロックだったのに対し、こちらはSMAPのチャレンジングな側面の集大成になっていた。SMAPがその後もずっと活動を続けていたら、こういう風になっていたかもしれないと感じさせてくれるようなアルバム。

 
YUKIKA『SOUL LADY』
 

2019年からK-POPを聴いてきた中で最大の収穫がYUKIKA(ユキカ/寺本來可)。日本から単身韓国に渡って、現地のミュージシャンとともにオリジナルで制作した80年代風のシティポップを歌い、世界的なミームとなる。昨年末に事務所を移籍したのにともない、シティポップのプロジェクトも終了とのことで、どうなるのか今後に注目。

>>世界注目のYUKIKA 韓国・ソウルで日本生まれのシティーポップを歌うわけ|& M

 
963『tick tock』
 

「カノン」進行、「丸の内」進行などポップスで特徴的なコード進行がある中で、ぼくの耳に心地よいのは「水星」進行、「YES-NO」進行と「Computer Love」進行(適当)。これらがエレクトロニックな要素の中にふんだんに取り入れられていた。ラップを前面に出さなくして正解。

 
ITZY『Not Shy』
 

K-POPを聴き始めた去年から好きだったTWICEの妹分。今作はミニアルバム全編通してのクオリティの高さを感じた。ITZYのアメリカン・ロックけっこう好き。

 
ニガミ17才『ニガミ17才o』
 

バンド形態なのに既にバンドではないサウンドへ。MELON(元プラスチックスの)を想い出す。ここからどこに向かっていくのか。

 
藤井風『HELP EVER HURT NEVER』
 

去年の年明けに「何なんw」「もうええわ」を聴いて、ヤバいぞと。中村一義のデビュー年に出生、中村一義と同じ22歳でデビュー。アルバムは名曲渋滞状態だけど、もし中村一義『金字塔』のような構成力が働いていたら、もっと揺るぎない大名盤になってたと思う。

 
iri『Sparkle』
 

日本の女性R&Bでいま現在最も注目しているシンガー。声質もアレンジも。

 
瑛人「香水」
 

「香水」のシングルに収録の3曲が良かった。なんでもない日常を描くラブソングを今後も作り続けてほしい。ちなみに「香水」の良さを教えてくれたのは、しんごちんと清野桃々姫。

 
Ado『レディメイド』
 

最近歌い手系の曲に詳しい娘(小6)から教えてもらった。大ヒットした「うっせえわ」もピアノアレンジで改めて良さを感じた。チャート構造が変わって、良曲がちゃんと上位に上がってくるようになった。

 
2020年リリース以外でよく聴いた作品:

Tommy Guerrero『Living Dirt』(2010)
中森明菜『不思議』(1986)
official髭男dism『Traveler』(2019)
Edwin Birdsong『Edwin Birdsong』(1979)

 
::LIVE::

official髭男dism ONLINE LIVE 2020 – Arena Travelers –
Ayaka Wada Virtual Live 2020

 
 
:::メディア:::
 

 
::本::

生きる はたらく つくる 皆川明(つるとはな)
追憶の泰安洋行 長谷川博一(ミュージック・マガジン)
苦しい時は電話して 坂口恭平(講談社現代新書)
方丈記 鴨長明 蜂飼耳・訳 (光文社古典新訳文庫)
 
::映画・ドラマ::

のぼる小寺さん
浅田家
梨泰院クラス
 (Netflix)

イラストレーター時代に描いた作品集と、初めての個展のタイトルを「ぼくは ぼく」にしたんだけど、そのタイトルに込めた意図(自分は自分。自分自身が責任を持って決断すること etc…)とシンクロするような表現が多かったのに驚いた。とくに「梨泰院クラス」はその最たるものでした。

 
 
:::ハロプロ楽曲大賞’20:::
 

 
1位|ビタミンME BEYOOOOONDS
2位|ミラー・ミラー アンジュルム
3位|ホットラテ Hot latte 和田彩花
4位|初めてのハッピーバースディ!(2015 カントリー・ガールズ Ver.) カントリー・ガールズ
5位|ポップミュージック Juice=Juice
 
次点|なし
(リンクはすべてYouTube)
  

推しメン部門|小関舞

元気そうで良かった! 現メンでは松本わかなちゃん(アンジュルム)。モーニングの赤い人が自分の中で遠くに行ってしまい、代わりに元・赤い人が帰ってきた。「COVERS」公演は2回観たけどすごく良かった。「お家でびよんず学校」が不安な頃の心の支えでした。
 
>>第19回ハロプロ楽曲大賞’20
 

>>>2019年最も印象に残った××××

生まれつきの強運を失った話

生まれつきの強運を失った話

生まれた時からものすごい強運の持ち主だったと思う。

ゼロ、いや、マイナスかもしれない地点から出発し、富士山にたとえれば2合目か3合目くらい、下手したら足を踏み出した途端に野垂れ死んでもおかしくはない人生のはずだった。しかし、こうして後ろを振り返ると、頂上は無理でも6〜7合目の間あたりまでは来れている。そこまで登ることができたのは自分の力ではなく周囲の引き立てのおかげ……というのは大人になった今だからこそ言える台詞であり、本当は自分が持つ並外れた強運のおかげだと最近までずっと思ってきた。

挫折して夢を諦めたりする経験がほとんどなかった。願望や目標は(大それたものでなければ)必ず実現した。もちろん進むべき道の先に壁が大きく立ちはだかり、その前で立ち往生することは度々あった。しかしそれでも諦めなければ先に進むことができた。道は常に一本だった。

(*このような感覚は男性に特有のことなのかもしれない、と最近の報道を見て時々考えるようになった。社会進出に際して障壁がほとんどなかった男性の影で、女性たちは夢を諦めなければならない立場に長年置かれてきた。そのことを男性の一人として申し訳なく思う。)
 

高2の時点で学年順位400人中300人以下のレベルから、「不合格だったら諦めろ。浪人は許さない」と親から宣告されて単願で受験した地元の国立大学に、クラスで2人だけが合格。その一人が自分だった。やる気を失って願書を出していなかったのに担任が気付いて、締切ぎりぎりになって申請してくれて受験可能になったという顛末まであった(結局卒業はせず別の道を選んだので、最終学歴は流石大学中退)。

ゼロから独力で学んだデザインの仕事はそれなりに苦労も多かったが、営業しなくても仕事が途切れることはなかった。一つの収入の道が閉ざされそうになると、決まって誰かが現れて新しい仕事を授けてくれた。それが次の、まったく違う仕事につながることもあった。そのたびに未知のスキルが開発されていった。そうやって出会ってくれた人々には、最近の言い方を使わせてもらうならば、本当に感謝しかなかった。
 

運気の流れがはっきりと変わったのは、2017年頃からだった。他者を巻き込みひそかに進めようとしていたプロジェクトが頓挫した。自分が属していたチームから理不尽なかたちで外された。ずっと仕事を続けていけると信じていた仲間が突然2人もこの世を去った。甘い言葉で誘われた仕事が地獄だった。未払金。パワハラ。それまで温かく包まれていた強運の繭から突然放り出されて、寒空の中を自力で歩んでいかなくてはならなかった。2017年から2019年の2月まで、挫折と悔しさの連続だった。

その流れの境目に何があったか、もちろんよく覚えている。2016年の12月、闘病の末、母が帰らぬ人となった。悲しみはいつまでも尾を引いた。

外に出て何か新しいことを起こそうとすると悪いことばかりが身に起こる。どこにも出かけず家に籠もっている方がずっとましだった。コロナ禍の前兆みたいな話だが、おそらくそれがこの状況下における最善の選択だった。

相次ぐトラブルに見舞われた2018年の夏に、よりによって10年近く暮らした家から引っ越す決意をした。定収入が期待できそうな新しい仕事が見つかったのがきっかけだったが、肝心のその仕事は年内のうちに消えてしまった。

家賃を稼ぎ出すのもままならない状況が続く一方で、新しい家にいると不思議と気持ちがくつろいだ。外は相変わらず戦場のようだったが、家の中と窓から見える風景だけはいつも静かで居心地が良かった。それまでのマンションにはなかった、緑と風と虫と鳥の声、そして四方の窓から差し込んでくる十分な日当たりがここにはある。石井ゆかりさんの占いに、蟹座は硬い甲羅で自らを守る、というようなフレーズを見かけたが、まさにこの家が自分にとっての甲羅だった。

ここに引っ越してきてから、仕事よりも心血を注いだのは、郷里に残された父さんのお世話だった。幸い健康で車にも乗れて、最近ではLINEと電話で十分なコミュニケーションも取れるようになった。父さんは何かにつけ「母さんがおれを守ってくれる」と口にする。一時は勘当同然で互いに口を利くこともなかった父といろいろ語り合える仲までになったのは、まぎれもなく母さんのおかげだと思う。家を大事にすることによって守られるこの不思議な感覚は、数年前までは確実に自分の中になかったものだ。

生まれてからずっと自分を支えてきた謎の強運は消えてなくなり、仕事でもなんでも、ただ黙って口を開けているだけでは得られなくなってしまった。最初はそのことに慣れず苦労も大きかったが、あの時から担当の神様が母さんに変わったのだ、と思うようになった。全能感に包まれた子どもの時代を卒業し、ようやく大人になれたのかもしれない。