絵本『おうち』

絵本『おうち』

金の星社の人気絵本シリーズ「はじめてのテツガク絵本」の第4弾『おうち』(中川ひろたか・作 岡本よしろう・絵)のデザインを担当しました。中川ひろたかさんが毎回お話を書き、長新太(『ないた』)、長谷川義史(『おこる』)、ミロコマチコ(『うそ』)と、そうそうたる顔ぶれの絵本画家が絵を手がけるこのシリーズ。今回の絵は、『ごはんのにおい』(おむすび舎)ほかで中川さんとコンビを組んでいる、岡本よしろうさんです。

帰れるおうち=家があるっていいことだなあとつくづく思います。そんな当たり前のようでいて実は不思議なことを、シンプルなコトバと絵本らしいリズムのある絵で、子どもたちに静かに問いかけてくる絵本です。


 
おうち(→金の星社
中川ひろたか/作 岡本よしろう/絵
金の星社
発売中
1300円+税(定価)

 
中川さん岡本さんコンビによる食の絵本『ごはんのにおい』の原画展が、神保町のブックハウスカフェで開かれています。

岡本よしろう「ごはんのにおい」(おむすび舎)絵本原画展
2018年5月12日[土]─5月31日[木]
ブックハウスカフェギャラリー (東京・神保町)

 
>>絵本『ごはんのにおい』|パラグラフ

これから行くかもしれない展覧会[2018・5/6〜]

これから行くかもしれない展覧会[2018・5/6〜]

ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ
2018年4月7日[土]―6月10日[日]
神奈川県立近代美術館 葉山(神奈川・逗子)
ブルーノ・ムナーリ日本最大の回顧展、ということで仕事が片付いたら行きます。

川内倫子「はじまりのひ」
2018年4月27日[金]―5月13日[日]
POST(東京・恵比寿)
子どもを授かったことで生まれた気づきと新しい世界。新作写真絵本からの展示。

田中智 ミニチュアワールド「Face to Face もっとそばに」
2018年4月27日[金]―5月27日[日]
ポーラミュージアムアネックス(東京・銀座)
全部ミニチュア! 12分の1スケールで作られたスイーツやジャム瓶など。

岡本よしろう『ごはんのにおい』(おむすび舎)絵本原画展
2018年5月12日[土]―5月31日[木]
ブックハウスカフェギャラリー(東京・神保町)
デザインを担当した食育絵本。その制作に迫るトークショーなども。

『わかったさんとおかしをつくろう!』原画展
2018年5月13日[日]―5月27日[日]
よもぎBOOKS(東京・三鷹)
デザインを担当した大人気シリーズのレシピ絵本。おかしまつりも開催。

ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて
2018年5月14日[月]―6月23日[土]
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(東京・銀座)
ドットとグリットを使った表現が印象的なオランダのグラフィックデザイナーの展示。

ヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』
2018年5月15日[火]―5月27日[日]
スパイラルガーデン(東京・表参道)
ギャラリーA4の巡回展。観た人から良かったと聞いたので今度は行きたい。

吉川静子「私の島は何処」
2018年5月17日[木]―5月27日[日]
アクシスギャラリー(東京・六本木)
確かに色彩などマックス・ビルの影響を感じる。構成主義の申し子。

わたしはマティスになりたかった 柚木沙弥郎
2018年5月18日[金]―6月3日[日]
ギャラリーTOM(東京・神泉)
日本民藝館で大回顧展開催中の、95歳現役の染物作家の新作。

マカロニほうれん荘展
2018年5月19日[土]―6月3日[日]
Animanga Zingaro(東京・中野)
まさかここにきてこんな展示が開かれるとは。グッズも販売。

井上佐由紀「私は初めてみた光を覚えていない」
2018年5月19日[土]―6月23日[土]
nap gallery[アーツ千代田3331](東京・末広町)
生後間もない赤ちゃんの目を写す、というコンセプトとその成り立ちに頷かされた。

1コマ漫画2人展
2018年5月20日[日]―6月3日[日]
カフェ シーモアグラス(東京・原宿)
はまのゆか&早川乃梨子がこどもをテーマに描く1コマ漫画。こどもが一番新鮮で面白い。

PHILIPPE WEISBECKER WORKS IN PROGRESS
2018年5月25日[金]―7月1日[日]
CLASKA Gallery & Shop “DO” 本店(東京・目黒)
同店では2年ぶりの展示。車のシリーズ良い。

諸星大二郎 原画展
2018年5月26日[土]―6月10日[日]
スパンアートギャラリー(東京・銀座)
山上たつひこ、江口寿史さんの展示が開かれたギャラリーでの展示。「文藝別冊」出版記念。

柚木沙弥郎展 ─紙に描かれた模様─
2018年5月29日[火]―6月3日[日]
スパイラルガーデン(東京・表参道)
伝統(民藝)とモダニズムがクロスする世界。95歳現役の最新作。グッズとポスター販売も。

高橋祐次 個展「幾何学的な空を見る」
2018年6月2日[土]―6月14日[木]
八犬堂ギャラリー(東京・池尻大橋)
独特な空間感覚と物語性を持った不思議な絵。場所は、世田谷ものづくり学校内。

網中いづる展「known unknown」
2018年6月4日[月]―6月16日[土]
ギャラリーハウスMAYA(東京・外苑前)
ポートレイトを描く。でも絵の世界観はやはり網中さんそのもの。

江口寿史 イラストレーション展[step]
2018年6月30日[土]―7月22日[日]
スパンアートギャラリー(東京・銀座)
前後期に分けて開かれる、新作作品集にちなんだ展示。大人気のサイン会も。

[メモ]

継続中の展示もあるので先月分もご覧ください。最近更新した記事を紹介します。

>>第10回harmonize吹奏楽チャリティーコンサート|パラグラフ

第10回を迎える吹奏楽チャリティーコンサートのチラシデザイン。この種のアマチュアによる吹奏楽コンサートは、それこそ各地で開かれていると思うんですが、たまに別の主催者のチラシやポスターを見る機会があると、見事に定型的で驚きます。harmonizeみたいなのはとても珍しい。最初から「チャリティーコンサート」を謳っている団体もほかに見たことがないです。そのスタンスを保ちながら10年続けてきたことの意味はとても大きいと思います。

>>感想:『クソ野郎と美しき世界』を観てきた|パラグラフ

記事中でも触れていますが、映画の印象を記したツイートに新しい地図/SMAPのファンの方々からの大きな反応があって、そのパワーに動かされて書いた感想です。GW中、とても多くの方に好意的に読んでいただけたようで、大変ありがたいことです。昔々ライター時代、THE BOOMのファンクラブの会報に寄稿していた時のような気持ちで、読者を意識しつつ自分のためにも書きました。また近々、ツイート等で何か補足できれば、と。とにかく2作目の制作決定は嬉しい!

GW中、小沢健二の武道館公演に2回行きました。最後に武道館でオザケンのライブを観たのは「レビュー96」(その前がVILLAGE)なので、22年ぶりのことです。今回はまさかの娘と妻と三人での参加。こんな未来、想像すらできなかった。いまの仕事が落ち着いたら、何か書き留めておこうと思います。

ほとんど毎日仕事だったGWの後半、娘が運動教室で転んでけっこうな怪我をしてしまい、その対応に追われました。GW中のライブやイベントで人々が盛り上がるのを横目に、畜生仕事め!という気持ちでしたが、その出来事を機にもっと大事なものを教えてもらったというか。仕事柄、普通の人よりはライブや美術展に行ったり情報収集を欠かさない方ですが、やはり情報としていちばん新鮮で面白くて目が離せないのは、自分の娘の行動や発言、作り出すもの全てです。

ドラマを見る習慣のほとんどない自分が欠かさず見ている「ルパパト」(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー)と「コンフィデンスマンJP」。どちらも「盗むこと」「悪者の正義」に関係している。毎回よく工夫されていて、わかりやすくて、見飽きることがない。

デザインの仕事でいっぱいになってしまうと自分の創作のことが全く進められない、といういつもの問題を今度こそクリアしていかなければ。
 
>>これから行くかもしれない展覧会[2018・4~]

感想:『クソ野郎と美しき世界』を観てきた


image by kinofilms.

『クソ野郎と美しき世界』は、新しい地図(稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)の第一回製作作品として発足当初からアナウンスされていた映画だった。しかし上映期間が2週間と短い中、自分の観測範囲でひそかに参考にしている映画好きの人々も観ていないようで、良い反応も良くない反応も目にする機会がないまま、三人のTwitterによるともうそろそろ終わりか? 地上波ではまず見られないだろうと考えると、いましかない!……とりあえず劇場へ、と思いスケジュールを調べると、渋谷〜新宿など主要地区の多くが満席だった中、夕方終了のちょうどいい時間の空席有りの回をTOHOシネマズ日本橋で見つけ、仕事を片付けてギリギリなんとか間に合うことができた。キリのいい翌日金曜日までかと思ったら、なんとその日が最終日だったという…。

 
感想を始める前にひとつだけ……鑑賞終了直後の感想ツイートに、ファンの方から多くのRTやいいねを頂いた。映画関係者でもマニアでもなく、特別大したことが言えてるわけでもない、一般の人の素朴な評価にそのような反応を頂けた理由について、浮かれるでもなくただ冷静に考えてみると、まさにその「一般の人の素朴な評価」こそ、ファンの人々が真に求めていたものだったのではないか、と。マスコミ向け試写会も無し、期間限定上映、と明確にコアなファンを想定したプロモーション展開のおかげで、ファン以外の普通の観客の声がなかなか伝わりにくい状況にあったのは事実だと思う。
 

 
では一般の人の自分はこの映画を観てどう感じたか。結論から先に言うと、『クソ野郎と美しき世界』は彼らの熱烈なファンが満足して終わりの閉じられた作品では決してなかったし、長い間エンターテインメントの第一線で活躍してきた彼らにふさわしい、しかも非常に新しい形の娯楽映画になっていた、と観終わって数日経ったいまも強く実感している。
 

「ピアニストを撃つな!」と、B級映画の記憶

月に何本も新作を観に行くわけでもないごく普通の映画好きだけど、父方の祖父が映画の看板屋を営んでいた関係で、幼い頃から東宝・東映系の邦画の新作(怪獣モノに始まって、大人が観るような娯楽映画や角川映画など)を里帰りのたびにタダで観ることができた。そこから遡って60〜70年代の日本映画にも少し触れたりして、邦画への愛情や記憶が身体の奥に染み付いているようなところはあるかもしれない。
 
昔の日本映画は、いい意味でのB級テイストが漂っていたり、アイドル映画がその後第一線で活躍する監督の実験場になっていたりと、とても自由だった。園子温監督のEp1「ピアニストを撃つな!」には、古き良き時代の活劇(アクション)映画のB級感覚やバッドテイストがぎっしり詰まっていて、冒頭数分からいきなり持って行かれた。園作品のトレードマークである「疾走」も健在だった。
 
馬場ふみか、スプツニ子などのキャスティングも絶妙で(とくに馬場ふみかはこれで完全に化けた)、実在の彼女たちじゃなく、ちゃんと物語の中の奇妙な人物としてそこにいる。浅野忠信や満島真之介の起用も含め、ありがちなキャスティングに囚われない新鮮さがあって、その中で吾郎ちゃんも安心してキレイ(でマッド)な貴公子になりきっていたと思う。
 
それと全編通して感じたのが、セリフが音響的にとてもクリア。音楽と会話にもメリハリがあって、そのぶん人と人との関わりがより強くこちらに迫ってくるように感じられた。
 

「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」と、非現実のような現実

「新しい詩」を除く3作では、このEp2「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」が最も好みだった。現実と非現実がごちゃまぜになった少し不思議なファンタジー。香取慎吾の役どころも本人(慎吾ちゃん)。ここでもモデル出身の新人・中島セナ(撮影当時11歳)ツイートより)の起用がこれ以上ないくらいハマっていた。この年齢差のコラボから、随分昔の「沙粧妙子−最後の事件−」での、ブレイク直前の広末涼子と慎吾くんの共演を思い出したり(曖昧な記憶…)。尾乃崎紀世彦のカタストロフの描写、慎吾くんの元おっかけだった刑事とか、ユーモアと恐怖が常に隣り合わせの面白さに引き込まれた。
 

 
3作の中では、ここまでのSMAPをめぐる騒動を最も直接的に扱っている物語だと思う。「歌喰い」という設定自体、もう彼らをずっと苦しめていた状況そのものだし。きっとぼくが気づかないだけで、沢山の隠されたメッセージをそこに読み取ることが可能なんだと思う。でもその種の謎解きはあったとしても、物語の前面に出てきて普通の観客を置いてけぼりにするようなものでは決してなかったはず。あの悲惨だった状況をこうしてフィクションや謎解きのようなネタとして扱えること自体、彼らの意識が既にミライへススんでいることの現れに違いない。
 

「光へ、航る」と、希望の光

実は最初、このEp3「光へ、航る」が始まってしばらくは不快な気持ちが続いていた 🙂 暴力描写がどうしても苦手で…。しかしその第一印象に反して、草彅くんのちょっとした表情とか、東北の田園地帯とアメ車のミスマッチ、尾野真千子扮する妻と草彅くんの夫婦の掛け合いのバカっぽさとか、何でもない場面が無意識のうちに、心の内側に次々と積み重なっていくのを感じていた。
 
そして、積み重なった自分でも何だかわからない心の堆積物が、最後の方のある場面で一気にどしゃーーっと音を立てて崩れ落ちる。別のツイートでも示したように、この場面は個人的なエピソードと強く結びついていた。ぼくが将来この世でやり残してしまうかもしれない無念な思いも、いつか自分の娘がきっとあんなふうにぼくのいない未来の世界へと繋いでくれるのだ、という希望と安心感を(剛速球で)受け取って、胸の奥が詰まりそうになってしまった。
 
この希望や安心感は、おそらく自分のように特別なエピソードを持たない人のところにも、草彅くんの渾身の演技と、太田光監督の才能あふれる画作りとストーリーテリングの力によって、同じように届いたのではないかと信じている。
 

「新しい詩」と、新しい映画の形

この映画の感想を記すにあたり、TBSラジオのムービーウォッチメンの宇多丸さんの録音を聞いてみた。辛口と言いながら、すごく細かいところまで丁寧に掬ってくれているなあという印象を持ちつつ、その中で宇多丸さんが《映画として》というワードを連発しているのが気になった。(『ペンタゴン・ペーパーズ』と同じ土俵で勝負するような)映画作品としてはまだまだ不足が感じられる、というニュアンスだったと解釈している。けど、誤解を恐れずに言うと、『クソ野郎と美しき世界』は、一見映画の形をしているけれども、従来の映画とは少し違った場所にいる作品だというのが、ぼくの認識だった。
 
『クソ野郎と美しき世界』には、映画や、地上波ドラマ、CM、ミュージックビデオといった別々の表現の要素が、渾然一体となって接ぎ木されている。それらの表現は全て、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の三人がこれまで「演じる主体」として取り組んできた対象だった。それらを分け隔てたり、映画のフォーマットに行儀よく押し込めたりするのではなく、ひとつの作品という箱の中にごちゃまぜに放り込んだところが、この映画の「映画として」の枠に収まらない、既存の言葉では形容できない新しさであり面白さなのではないか、と。本当にこの映画を表す専用の言葉がほしい。心からそう思った。
 
先ほど「接ぎ木」という言葉を使ったが、それらの表現が最終的に接ぎ木される「元」でありゴールが、Ep4「新しい詩」で示されたように「音楽」「歌」「ショー」であったということが、今後の彼らにとってもきっと大きな意味を持つようになるだろうと思います。
 

 
新しい地図の三人のそれぞれの活躍と、彼らを支えるチームが起死回生の場所から仕掛けたプロモーションやブランディング戦略に、勇気とヒントをもらって、自分の絵を使ったとても小さなプロジェクトを始めようと思っているところです。でも、おそらくそこで絶対に真似できないと思うのは、彼らを支える熱心な沢山のファンの応援の力。それを思わぬ形で目の当たりにしなかったなら、GW進行の最中にこのような長い感想は書けなかったと思います。……ということで、また逢う日まで、逢える時まで。

第10回harmonize吹奏楽チャリティーコンサート

第10回harmonize吹奏楽チャリティーコンサート

毎年チラシ等のお手伝いをしている吹奏楽団harmonize(ハーモナイズ)のコンサート。今年でついに10回目を迎えます。

 
実は、前回の第9回をもって、チラシやプログラムその他のデザイン担当から降ろさせていただこうと考えていました。主催の藤井君にもその旨をお伝えし、第9回の本番で配られたプログラムにも送別の言葉まで頂いたほどでした。後任のイラストレーター/デザイナーについても、アートワークをお願いするにふさわしい方を指名し(竹内巧さんです。この場を借りて改めてありがとう)、実際に引き継ぎのための打ち合わせまでしていました。

 
にもかかわらず寸前で撤回させていただいたのには、ごく個人的な理由がありました。

 
去年のチラシを制作する時期、もう描くということへの喜びが見いだせなくなってしまい、自分はこれからデザインの仕事に徹しようと思ったのでした。描くことにまつわる行為を全て切り離そうと考え、少ない仕事もほかの人に譲ろうとしました。そうやって一旦描くことを全部断つと決めてから季節がひとつ過ぎたある日、ふとハードディスクに保存された過去の作品を先入観なく眺めるうち、これは案外悪くないかも、という感覚が訪れたのです(詳しくは、instagramアカウントのお知らせ|パラグラフ を参照)。

描くことは自分にとってのひとつの財産だから、決して手放してはいけない、と程なくして気付き、吹奏楽のバンマス藤井君や後任に予定していた竹内さんにも、お詫びの気持ちを伝えて復帰することになり、再び「描くこととデザインの中間地点」を目指して制作したのが第10回のアートワークです。

 
今回は、楽譜や楽器などの音楽的な符牒から離れて、harmonizeという楽団が10年続いたことを花束でお祝いしました。10年続いたって簡単に言うけど、本当にすごいことなんです。プロフェッショナルではない楽団員ひとりひとりが、それぞれの仕事や学業に占有された日常の中でなんとか時間を作って練習を重ねて、ここまで続けてこれたこと。そのことを心から祝福したいと思いました。

それと、上に添えた「We are harmonize」のキャッチコピー。この仕事を再開するにあたっての藤井君とのミーティングの中で「10年も続いたらその場所は、家・家族のようなものだね」と話したことをヒントに、ぼくのほうで発案しました。普段は学生、会社員、親、先生……いろんな役割を演じて忙しく働く人々が、ここに来ればハーモナイズの一員になれる。そんな、帰属する場所、いつでも帰れるところ、の意味を、この短いコピーの中に込めました。

こんなふうに、描くことだけでなく、デザインすること、コピーなどのテキストや全体の構成までを、ひとつのかたまりとして表現する力が、これからの自分にとって他者と換えがたい固有の力になっていくのかもしれないな、と作りながら思ったりもしました。そういう力を長い間育て、自由に発揮させてくれたharmonizeという楽団とバンマスの藤井君には、感謝の気持ちで一杯です。

 
harmonize(ハーモナイズ)は東京都日野市を拠点に活動する吹奏楽団で、リーダーで指揮者の、中学や高校で音楽教師を務める藤井和夫君の教え子が中心となって集まり、演奏を続けています。毎年初夏にチャリティーコンサートを開き、児童養護施設出身の子どもたちをサポートする「NPO法人日向ぼっこ」への募金を行なっています。
 
コンサートは入場無料です。
お近くの方、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
取材や問い合わせについては、彼らのウェブサイトをご覧になってください。

 
第10回harmonize吹奏楽チャリティーコンサート
2018年7月1日[日]
13:30開場/14:00開演
ひの煉瓦ホール(日野市民会館)大ホール
入場無料
 

 

harmonize吹奏楽チャリティーコンサート FLYER/LEAFLET

>>harmonizeに関するブログ記事の一覧

harmonize公式ブログ
http://harmonize2008.blogspot.jp/

 
「元・丁稚」藤井和夫インタビュー|INTERVIEWS for land of music “the Rising”
http://d.hatena.ne.jp/theRising/20090618
――指揮の藤井君はかつて、ロックバンドHEATWAVEの伝説の「丁稚」でした。

これから行くかもしれない展覧会[2018・4〜]

これから行くかもしれない展覧会[2018・4〜]

青木陵子: 三者面談で忘れてるNOTEBOOK
2018年3月17日[土]―4月28日[土]
TAKE NINAGAWA(東京・麻布十番)
好きな画家。前とだいぶ画風が変わった。生活や日常を感じる絵。

ハービー・山口写真展 TIMELESS IN LUXEMBOURG 1999
2018年3月21日[水・祝]―4月15日[日]*月火休
Books and Modern(東京・乃木坂)
1999年と、昨年2017年に再訪したルクセンブルクの街の風景と人の表情。

トヤマタクロウ「sight」
2018年3月22日[木]―6月22日[金]
テラススクエア(東京・神保町)
ミツメの仕事などで活躍する写真家。ハワイで撮影した大判写真からの展示。

それで君を呼んだのに 忌野清志郎を想う 2018
2018年4月2日[月]―5月2日[水]
カフェ シーモアグラス(東京・原宿)
今年で5回目の、清志郎を静かに想う作品展。

柚木沙弥郎の染色 もようと色彩
2018年4月3日[火]―6月24日[日]
日本民藝館(東京・駒場東大前)
これは素晴らしい。グラフィックそのものだと思う。

#Why Dig
2018年4月6日[金]―4月8日[日]
BY PARCO SHOP&GALLERY(東京・表参道)
ステッカー貼り放題のイベント。表参道のパルコ、通勤圏なのに行ったことがなかった。

第20回亀倉雄策賞受賞記念 「中村至男展2018」
2018年4月6日[金]―5月16日[水]
クリエイションギャラリーG8(東京・新橋)
シンプルを極めると強くなり、綺麗さとは異質なメッセージを放ち出す。

蓮沼執太: ~ ing
2018年4月6日[金]―6月3日[日]
資生堂ギャラリー(東京・銀座)
部分的には観て(聴いて)きたものの、まだ全体像が把握できてないアーティスト。

福田利之展|吉祥寺の森
2018年4月7日[土]―5月20日[日]
武蔵野市立吉祥寺美術館(東京・吉祥寺)
吉祥寺の「森」を描いた新作とこれまでの原画。イベントも目白押し。

原田治のイラストレーション展
2018年4月7日[土]―5月20日[日]
パレットクラブ・スクール(東京・築地市場)
故・原田治の功績を珍しい原画やグッズなどとともに振り返る企画展。

ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ
2018年4月7日[土]―6月10日[日]
神奈川県立近代美術館 葉山(神奈川・逗子)
ブルーノ・ムナーリ日本最大の回顧展、ということで遠いけど行きたいなあ。

秋永悠個展「ちいさなまち -My Little Town-」
2018年4月13日[金]~4月18日[水]
オーパ・ギャラリー(東京・表参道)
大人と子ども、ファンタジーとメルヘンが同居する不思議な世界を描くイラストレーター。

坂内拓個展「東京 tokyo」
2018年4月13日[金]~4月18日[水]
HBギャラリー(東京・表参道)
様々な媒体で活躍するイラストレーター。自分の昔の絵と近いセンスを持つ。

没後50年 藤田嗣治 本のしごと 〜 文字を装う絵の世界
2018年4月14日[土]~6月10日[日]
目黒区美術館(東京・目黒)
装画・挿画を手掛けた本の仕事と、絵画作品、ほっこりする書簡の絵など。

イチハラヒロコ「王子さまが来てくれたのに、留守にしていてすみません。」
2018年4月14日[土]~6月16日[土]
鎌倉画廊(神奈川・大船)
活動30周年記念。初期からずっと知っていたけど、展示は観たことがない。

五木田智央 PEEKABOO
2018年4月14日[土]~6月24日[日]
東京オペラシティ アートギャラリー(東京・初台)
小品を1点にまとめたインスタレーションや新作など。東京で観られる数少ない大規模展。

RiekoののLIFE展《ハルモニア》
2018年4月17日[火]~4月30日[月・祝]
クワランカ カフェ 吉祥寺(東京・吉祥寺)
安曇野在住の友人・桑はら理恵子さんが描く、ハート型の世界。

‘のん’ひとり展 -女の子は牙をむく-
2018年4月19日[木]~5月8日[火]
GALLERY X BY PARCO(東京・渋谷)
ちゃんとした規模の展覧会はたぶん初。図録も販売。

落合陽一、山紫水明∽事事無碍∽計算機自然
2018年4月20日[金]~6月28日[木]
EYE OF GYRE(東京・明治神宮前)
綺麗。自分が最近絵で表現したいことと意外と通じるのかも。

チャン・ディック「Chai Wan Fire Station」
2018年4月21日[木]~5月12日[土]
CASE TOKYO(東京・渋谷)
上層階から覗いたミニマルな消防署の風景。最近知りすごく観たかった展示。

[メモ]

先月以降に更新した仕事のお知らせです。
佐藤剛さんの新刊『ウェルカム!ビートルズ』のブックデザイン。

>>ウェルカム!ビートルズ|パラグラフ

発売は昨年ですが、あかね書房『わかったさんとおかしをつくろう!』のデザイン。
元になったシリーズは30周年になる大ロングセラーで、現在も女性を中心にファンが多く、そのシリーズを未来につなぐような本になったと思ってます。

>>わかったさんとおかしをつくろう!|パラグラフ

 
いま、描くことを主体とした活動についてのプロジェクトをじっくりと進めているところです。そんな中で自分にとっての関心は、描くことだけでなく、そこで作ったものをどうやって届けるか、にも寄せられています。せっかく制作した作品がとても良いものだったとしても、見てくれる人のところにまで届かなければ、それは何もしてないのと同じだと個人的には思っています。

時間と才能と活動意欲がありあまるほどあって……という人ならば何も考えず、描くことにまっすぐ向かうべきです。でも、デザインの仕事と並行しながら、長い間のブランクを経て久しぶりに描くことに向かい合おうと決心し、創作のための残り時間はこれからの人に比べたら短い……しかもほとんど無名である自分のような特殊な作り手にとって、活動のスタートポイントをどこに設定するかは重要なことです。

幸いにも昔と違って、いまは表現にまつわる広報や販売を手助けしてくれる手段もいろいろあります。それらをうまく活用して様々なハンデを補いながら、たんぽぽの綿毛のように自分の作品を未知の場所へと広げていけないだろうか、とあれこれ考えています。そういうことについて考えるのは、絵を描くことと同じくらい、あるいはもしかしたらそれ以上に、楽しいことなのです。
 
>>これから行くかもしれない展覧会[2018・3~]